ちっちゃい姉 1
美香姉かわゆす
学校から帰ってきた後、美香姉が俺の隣にちょこんと座りこむことが多くなった。
食卓でもそうだが、俺の部屋に来て一緒にいることも多々ある。
「……美香姉、最近どうしたんだ?」
「将と一緒にいたい」
「……はぁ」
最近美香姉に構っていられてないためなのか、美香姉は不機嫌だ。
俺も特に美香姉を傷つけるつもりはないので、とりあえず一緒にいることになる。
今日は、テレビで動物の赤ちゃんを見ている美香姉を、後ろからこっそりと抱こう。
「……ほい」
「……!」
美香姉がびくっと震えた後、俺の方にすぅっともたれかかってきた。
ちっちゃくてあったかいなぁ。こっちをうるうるした目で見て来る美香姉も可愛い。
しばらくそうやってテレビを見ていると、美香姉の口元から寝息が聞こえてきた。
「……?」
「……すぅーっ」
かわいいものである。
しばらく美香姉を抱き枕代わりにして横になっていると、美香姉がもぞもぞと動いた。
俺の腕の中でむくーっと伸びをする美香姉。かわいい。
ちょこんと俺の胸にくっついた後、美香姉は俺の顔を見上げた。
「ねむーっ」
「美香姉?」
寝ぼけたような声で、美香姉が言った。
髪が少しぼさぼさになっているが、美香姉がちっちゃくてかわいいので良し。
俺も自然と笑顔になっていて、美香姉も安心したかのように俺に抱き着き直した。
「そろそろ晩御飯だな」
「……うん」
「今日は何だろうな、美香姉」
「玉子焼き」




