泥酔する姉 2
千秋さんの家は比較的広い家だった。
酔った百合姉と、その付き添いの愛理姉はベッドで仲良くたわむれあっている。
その横のベッドで、俺と千秋さんが横になっていた。なんで。
「……なぁ、将」
「何ですか?」
「腕、少しだけ上げてくれ」
「は、はい」
ひょいと右腕を上げると、千秋さんは思い切り俺の脇に顔を突っ伏した。
何だかくすぐったいような。でも何だか気持ちいいような。何されてんの。
「ち、千秋さん……?」
「将ぉ」
千秋さんは俺を強く抱きしめてきた。
赤い髪の毛からふんわりと女の子っぽいシャンプーのにおいがする。
口を半開きにして、何だか興奮している様子でこちらを見ている。何もないといいけど。
というより、これまずいぞ。おかしいことになってる!
「将のにおいをもっとかがせてくれぇ」
「ぎゃあぁぁ」
「逃がさない……ぞ?」
布団から出ようとした俺は千秋さんに取り押さえられ、、腹の上に乗られてしまった。
千秋さんが俺の首筋のにおいをかいでくる。た、谷間、谷間ががが。
「お互い興奮してきていいじゃないか、将」
「全然良くないです! 千秋さんどうしたんですか!」
「どうしたもこうしたもないぞぉ。いいにおいなんだから」
千秋さんの顔が、快楽に浸っている。
この人本当にヤバい人だ。何でこんな人が普通に焼き鳥屋やってたの!?
千秋さんににおいをかがれまくった後、酔った百合姉が俺の真上に乗っかってきた。
百合姉は千秋さんともみくちゃになり、そのままぐったりとしてしまう。
百合姉のおかげで変になっている愛理姉も、俺の方に向かってきた。
「ねぇ、将君……百合姉の体を触ってみない?」
「……へっ?」
「百合姉の綺麗な体……ほら、背中が綺麗だよ」
百合姉は愛理姉の手に全く反応していない。
俺の目の前で、百合姉の美しい背中が露わになってしまった。
ぐ、り、理性が、落ち着け。落ち着け俺の理性。頭が真っ白になると危険だ危険。
「百合の匂いもなかなか……舐めさせてくれよ」
「ち、千秋……? それに愛理も……」
「お姉ちゃんを気持ちよくしてあげるね……」
何だかまずい状況になった気がする。
俺、このまま起きていたら絶対に何か危険な物を見てしまうような気がするんだが。
こうなったら……よし、意識を飛ばそう。さようなら三人とも。夜を楽しんでね。




