泥酔する姉 1
金曜日の夜、俺は愛理姉、百合姉と一緒に、千秋さんの焼き鳥屋さんにいた。
愛理姉は百合姉の介抱で大忙しだ。
「愛理ぃ、お姉ちゃんにもう一杯飲ませなさいよぉ」
「お姉ちゃんは飲み過ぎなのっ!」
「まぁ百合。飲み過ぎは良くないぞ?」
隣の愛理姉は百合姉の腕を取っているが、逆に百合姉にいいようにされてしまっている。
千秋さんのおかげで飲み過ぎは防げているが、百合姉、もう一升瓶飲んだぞ。
「将の馬鹿ぁ。何で私が下着姿なのに添い寝しちゃってるのよぉ」
「それ百合姉のせいだから」
完璧に酔いつぶれてしまっているな。こりゃ家に連れ帰るのが大変だ。
「なんだか……私も酔って来ちゃったよぉ」
愛理姉も匂いでやられたのか、へろへろになってしまった。
俺の方に倒れかかってきて、ぼんやりと熱もある。
「将君んぅ……お姉ちゃんとキスしよう?」
「愛理は私の物よぉ」
「ひゃあぁっ!?」
だめだこりゃ。理性の欠片も残ってはいない。
家にいる理子姉に電話をして車で迎えに来てもらわないとな。
美香姉も家に置いてきて正解だったかもしれない。
かわたれを口に入れながらうなだれる俺に、千秋さんが話してきた。
「いったい何があったんだ?」
「百合姉が変な薬を飲んじゃったらしくてな。黒歴史作っちまったから、忘れるためにここで今こんな感じになってる」
「大変だな……将、今夜はうちに泊まらないか?」
「千秋さんの家にですか?」
「ああ。百合や愛理も十分眠れるスペースはあるはずだ」
千秋さんの家に行かせてもらおう。理子姉と美香姉は二人で仲良くお留守番か。
ふらふらになった百合姉が、愛理姉の身体を触りながら変なうめき声を出していた。




