興奮する姉 1
年齢制限の限界へ
将たちや理子が学校や仕事に行っている間、私は外で買い物をしていた。
愛理の代わりに行っている時、道中変な人に呼び止められた。
「嬢ちゃん。これをあげるよ」
「これ?」
顔は良く見えない。物陰だからなおさらだ。
ただ、彼は一本の瓶を手に持っていた。
「好きな人に構ってほしい時に使いな」
「好きな人……?」
困惑する私に、一つ付け加えるかのように言った。
「ただ、一人で使うことはお勧めしない。獲物が欲しくなっても知らないからな?」
私の手に瓶を持たせ、男は去って行ってしまった。
一人で使うと、何かあるのかな。
家で私の部屋に戻り、瓶を見ながら男の言葉を思い出していた。
好きな人に構ってほしい時に使え。男は確かにそう言っていた。
「……将」
最近将と寝ていないような気がする。
これを飲んだら……将は私に構ってくれるのだろうか。
いや、私は騙されているのかもしれない。無料な物ほど怖いものはない。
だが、だが。将が私に構ってくれるのであれば、これは大収穫だ。
「……一人で飲んじゃダメって言ってたけど」
私は瓶を開け、少しだけ口に含んだ。
甘くてトロっとする感じが口の中で広がり、私はそれを一気に飲み込む。
途端に、顔がほんのりと熱くなってきた。
「仕方ないわよね。将が構ってくれないんだし」
特にすることはないので、ベッドに倒れた。
ふかふかの布団を抱き枕代わりにしながら、私はその場で天井を見る。
「……うんっ?」
気が付くと、私の呼吸が徐々に荒くなって来ていた。
体中がじんじんとする。
頭がぼうっとしてきた。
抱き枕をかなり強く抱いている。
おかしい。何かが、何かがおかしい。
「はぁっ……将……はぁっ」
頭の中が、一気に将の事で埋め尽くされてしまった。
汗も半端じゃない量が出てきて、私は慌てて服を脱ぐ。
下着もぐっしょりだ。替えはあるけど、これを付け続けるのも気持ちが悪い。
いつの間にか、私は何も着ていない状態になってしまっていた。
「これ……絶対あの薬の効果よね……ぁっ」
布団で体を隠しながら、こっそりと大きな鏡で自分の姿を見てみた。
「これって……私なの?」
まるでモデルのように滑らかな肌。
誘うように布団の隙間から出てきている胸の谷間。
色気を全く抑えることなく吐き出している、私の肩。
エロい。自分でも、そう思ってしまった。
「……私って、こんなにやらしい女だったんだ」
鏡の自分にうっとりとしてしまう。
徐々に恥ずかしさも出てきたが、それが表れている自分の姿が艶めかしい。
鏡の中の自分が出てきて、私の事を襲ってしまうのではないか。
そう思ってしまうくらい、私の頭はおかしくなっていた。
「これなら将も……あっ」
一つだけ、まずいことがあった。
この状態で行ってしまえば、絶対に将を襲って一線を越えてしまう。




