不思議世界の姉 4(終)
夢が覚め、俺は学校に出かけた。
昼に弁当を食べている時、放送部の放送が流れ始める。
〈今日の放送は、白金理子さんのラジオの生放送をしたいと思います〉
隣にいる健一は反応したらしく、俺の方を向いて意地悪そうに笑ってくる。
健一よ。俺の方をそんなに見るな。理子姉の声を聞けるのはうれしいけどさ。
〈理子さん、最近弟さんとはどうなんですか?〉
〈弟君とは絶好調だよぉ。昨日は一緒に寝たんだ!〉
〈添い寝いいですねぇ。理子さんは本当に楽しそうで……〉
隣の健一のひじが俺の脇腹に当たる。
なんか周りからの目線が痛い。俺なにかしたっけ? あ、理子姉のあれか。
〈夢の中でも弟君が出てきたんだ! 私の事守ってくれてかっこよかったなぁ〉
〈他にも何かしてくれたんですか?〉
〈起きた後にこっそりキスしてきたんだっ〉
教室内の空気が凍り付いた。
理子姉やめてぇ。健一が怖いよぉ。
「将、ちょっと表出ろ」
「え、ちょ、わ、おわああああああああああああああああ」
「将君!」
正面に座っていた愛理姉が引き留めようとするが、俺は連れてかれてしまった。
ぎゃああああ、死にたくないよぉぉぉぉ。




