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雷と姉 2(終)

 家に帰った後、美香姉と愛理姉が俺の部屋にやって来た。

「どうしたんだ?」

「今日は一緒に寝ようかなって」

「……」

 俺のベッドは二人までしか入れない気がする。どうするつもりだろうか。

 というより、俺の意見はまるっきり無視されるんですね。

「美香ちゃんが、一人で寝るの怖い、だってさ」

「……ばかっ」

 美香姉が愛理姉を軽くつつく。

 愛理姉はくすぐったそうにしながらも、俺の方を向いてお願いしてきた。

 特に断る理由もないから、今日は三人で寝ることにしよう。方法は後にして。

「別に良いけど、どうやって寝るんだ?」

「……私のベッドを使って」

「美香姉のベッド?」

 美香姉の部屋に入った時に見た、あの無機質なベッドが頭に浮かぶ。

 確かにあれは三人入るくらいの大きさがあった。

「じゃあ、美香ちゃんのベッドで寝よう!」

「だな」


 夜になると、また少しだけ雷が鳴り始めた。

 すぐに通り過ぎるらしいが、それでも美香姉は俺と愛理姉の間で小さくなっている。

「ほらほら、美香ちゃんも怖がりなんだから」

「……うぅ」

「大丈夫だよ、美香姉」

 愛理姉は笑うと、俺の方にそっと腕を伸ばしてきた。

 愛理姉の腕が美香姉を優しく包み込み、美香姉は少しほっとしたかのよう。

 そして、美香姉が眠った後愛理姉は言う。

「子供が出来たら、将君と毎日こんな感じの生活をしてるのかな?」

「子供?」

「美香ちゃんが子供役で、私たちが夫婦」

 愛理姉の顔には、少し悲しい微笑みがあった。

 義理とはいえ、姉弟という関係がまだ頭に引っかかっているのだろう。

「……愛理姉と一緒にいられるなら、俺は別にいいよ」

「本当?」

「俺は姉さんたちが大好きだ。ずっと一緒だよ」

「将君……ありがとうね」

 愛理姉は目を閉じると、俺の頭をそっと撫でた。

 何だか照れくさい気持ちになりながらも、俺は目をつむる。

 美香姉は俺の方にくっつき、俺と愛理姉の間にすっぽりとおさまっていた。

「明日は晴れかな」

 明日は笑顔の美香姉が見られる。雷なんてしばらくおさらばだ。


美香姉かわいいよ美香姉(´・ω・`)

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