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添い寝する姉 2

温泉の部屋が取れる時間になったので、温泉に来た。

部屋は三人分ということからあまり大きくはないが、ごろんと横になるには困らない。

「温泉行きますか?」

「うん。温泉行かなきゃ」

なぎささんの提案に嬉しそうに答える理子姉。まぁ、来たんだから行かないとな。

俺は自分用の着替えを持って、理子姉たちに挨拶をした後部屋から出て行った。



温泉は普通に男女を分けてあったので、俺の理性が吹っ飛ぶことはまずなかった。

が、問題は上がった後である。

「はぁ。やっぱり温泉は最高だ」

売店で食べ物を買った後、それを持って部屋のドアを俺は開けた。

中には、理子姉、なぎささん、そして何故か千秋さんの姿もある。

「……あれ、千秋さん?」

「おう、将……だったな。お前も来てたのか」

「いや、そうじゃなくて」

「私がいるのが焼き鳥屋だけだとでも思ってたのか?」

「いえそんな」

千秋さんは、長い赤髪をそのまま後ろに伸ばしていた。

理子姉にもひけをとらないスタイルで、なんだか油断してると襲われそうである。

それを見ていた理子姉は、なんだか不服そうで。

「将君。お昼寝しない?」

「昼寝?」

千秋さんに気を取られていてわからなかったが、部屋の奥には布団が二枚あった。

えーっと、今いるのは四人じゃなかった? 二枚分足りなくない?

「二枚……」

「一枚に二人寝たら丁度いいでしょ?」

「ちょ」

理子姉とならまだわかるが、なぎささんや千秋さんとはまだ初対面同然だ。

俺は別にかまわないのだが、二人の意見も聞かないといけないだろ。

「いや、でも、二人は……」

「私は大丈夫ですよ。将さんはカッコいいですし」

「私もだ。将がどんな奴か、少し興味あるからな」

ご覧の様子である。俺の理性の命運は尽きたも同然だ。



「ところで、何で千秋さんがここに?」

「たまの休みにここに来てた。そうしたら理子たちがいたからさ」

「なるほど」

順番は左から、なぎささん、理子姉、俺、千秋さんである。

理子姉は俺の買ってきたフライドポテトを食べているため、まだ布団に来る気配はない。

俺はなぎささんと千秋さんの間に挟まれ、なんだか微妙な時を過ごしていた。

「うーん……」

「どうしたんだ? 将」

「何でもないです」

隣から千秋さんの声が聞こえてくる。

横目で見ると、千秋さんは俺の方を見ながらフッと微笑んだ。かっけぇ。

だが、そのカッコよさが百合姉に似た色っぽさの中にあるから不思議である。

「どうした? 顔が赤いぞ?」

「……何でもないです」

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