『常人を超越した探求者、魔法使いルール』
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前回、不器用な盗賊シールを仲間に加えたアルス一行。
今回は、ついに最後の仲間……もとい、アルスにとって最大の天敵(?)となる「魔法バカ」の少女が登場します!
「……おい、そこ。あまりジロジロ見るな」
アルスが不機嫌そうに声を出す。
視線の先には、先ほどからアルスの大胸筋や上腕二頭筋を、這いずるような目付きで観察している少女がいた。
[ルール]
(ほう……ほうほう! これは驚きましたわ。筋肉の密度が常人の三倍以上、それなのに魔力回路が完全に『閉鎖』されているなんて。……あなた、最高に効率の悪い、素敵な実験体ですわね!)
(アルス)
「実験体……?」
(クライ)
「アルス殿、落ち着いて。……あの、ルールさんと仰いましたか? 私たちはこの遺跡に眠る魔導書を探しているのですが……」
少女――ルールは、自分の身長ほどもある大きな杖を肩に担ぎ、高飛車に笑った。
彼女は名門の魔導家系に生まれながら、研究に没頭しすぎて勘当されたという、自他共に認める「魔法バカ」だった。
(ルール)
(魔導書? そんなカビの生えた知識、私が全て頭の中にコピー済みですわ。それよりも、そこの筋肉ダルマさん! あなた、魔法が嫌いでしょう?)
(アルス)
「……嫌いなんじゃない。身体が受け付けないだけだ」
(ルール)
(それを嫌いと言うのですわ。ですが安心なさいな。私の理論によれば、魔法を拒絶するその強靭な肉体こそ、究極の『器』になり得るのです。……ああ、試したい術式が山のように湧いてきますわ!)
ルールの瞳が、眼鏡の奥でギラリと光る。
彼女の魔力量は、常人の三百倍。あまりに強大すぎるその力を制御し、世界の理を解き明かすことだけが彼女の生きがいだった。
(シール)
「おい、ちびっ子。アタシたちの仲間に加わりたいんなら、その『変態じみた視線』をなんとかしなよ。アルスが引いてるだろ」
(ルール)
(ち、ちびっ子!? 失礼ですわね、これでも成長期なんですのよ! ……まあいいですわ。この男の筋肉がどこまで私の魔導に耐えられるか、見届けさせてもらうことにしますわ)
(アルス)
「……仲間にするなんて一言も言ってないんだが」
(クライ)
「まあまあ、アルス殿。彼女の知識があれば、魔王の城の結界も解けるかもしれません」
(アルス)
「……チッ。勝手なこと言いやがって」
(ルール)
(努力はしますわ。……『努力』は、ですけれど!)
こうして、俺の旅は四人になった。
猫舌の神官、毒舌の盗賊、そして魔法バカの少女。
かつて一人で歩いていた孤独な道は、今や騒がしい怒号と、魔法の爆発音に包れていた。
(アルス)
「(……本当に、これで魔王が倒せるのか?)」
俺の聖剣が、仲間の賑やかさに呼応するように、微かに、本当に微かに震えた気がした。
ついに四人の主要メンバーが揃いました!
脳筋・猫舌・毒舌・魔法バカ。
全く噛み合わないパズルのような彼らが、どうやって「最強のパーティー」になっていくのか……。
ちなみにルール、研究以外のこと(家事や常識)に関しては、クライ以上にポンコツだったりします。
次回、第5話「覚醒の予感、天雷の種」。
いよいよアルスの秘められた力が、ルールの手によってこじ開けられます!
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