『氷結の終焉、そして紫煙に消える代償』
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四天王レイラ戦、ついに決着。
物理攻撃を無効化する「氷結の女王」に対し、シールは自らの命を削る禁忌の技を選択します。
自身の血液を媒介に生成される、理を超えた猛毒。
それをダガーに纏わせ、一瞬の隙を突くシールの覚悟。
勝利と引き換えに彼女を襲う、癒えぬ毒の苦しみとは……。
[ 舞台:王宮前。レイラが自らの命を魔力に変え、絶対零度の暴風を引き起こそうとしている ]
(レイラ)
「……おのれ、泥棒猫がぁ! この街ごと、全てを凍土の底へ沈めてあげるわ!!」
死を覚悟した四天王の魔力。アルスやサーシャですら近づけない極寒の渦の中、シールが静かにダガーを抜いた。
(シール)
「……悪いけど、あんたに『次』はないよ。……(『秘儀・紫血纏』)……!」
[ シールが自らの腕を切り裂くと、溢れ出した鮮血が瞬時に禍々しい紫色へと変色し、ダガーの刃に吸い込まれていく。彼女の血液そのものを触媒にして生成される、万象を腐食させる禁忌の毒だ ]
(クライ)
「シールさん、何てことを! 自分の血を毒に変えるなんて……身体が持ちません!!」
(シール)
「――今だ、筋肉バカ! 隙を作って!!」
(アルス)
「……任せろ!! (『天雷・剛力一閃』)!!」
アルスが全開の雷撃で氷の暴風に一筋の亀裂を入れる。その一瞬の隙を突き、シールが影となって跳んだ。
(シール)
「――終わりだよ。……(『万象腐食・終焉の紫』)!!」
[ 毒を纏ったダガーが、レイラの胸元を深く貫く。傷口から紫色の紋様が急速に広がり、レイラの氷の肉体を内側からドロドロに溶かしていく ]
(レイラ)
「な、何……これ……身体が……魔力が……消え……あ、ああああああああっ!!」
[ 断末魔と共に、氷の女王は光の塵となって霧散した。だが、同時にシールの身体からも力が抜け、その場に崩れ落ちる ]
(アルス)
「……シール!!」
(シール)
[ 激しく咳き込む。吐き出された血はどす黒く、腕には紫色の血管のような筋が浮かび上がっていた。自ら生み出した毒が、宿主である彼女の命を蝕み始めている ]
(クライ)
「(『清らかなる水の導き(ハイ・ピュリファイ)』)!! ……えっ!? 嘘だろ、魔法が……効かない!? 浄化できないなんて!!」
(ルール)
(「観測……っ! 彼女の血液そのものが毒に書き換えられていますわ! この世の魔法では解毒不可能ですの。……このままでは、彼女の魔力回路が内側から溶け落ちてしまいますわよ!」)
(タイサ)
「……一つだけ方法がある。極北の聖地に眠る伝説の霊薬『虹色の雫』だ。あらゆる呪いと毒を浄化するという。……勇者よ、急がねばならんぞ!」
アルスは意識を失ったシールを、折れそうなほど優しく、しかし力強く抱き上げた。
(アルス)
「……北の聖地だな。……行くぞ、野郎ども。今度は俺たちが、この泥棒を助ける番だ」
第17話、四天王レイラ戦、完結です!
自らの血液を毒に変えて戦うという、シールの過酷な戦い方が明らかになりました。
彼女がそこまでして守りたかった絆。それを繋ぎ止めるため、一行は「虹色の雫」を求める強行軍を開始します。
クライの魔法ですら浄化できない絶望的な毒。
果たしてアルスたちは、シールの命の灯火が消える前に聖地へ辿り着けるのか!?
次回、第18話「極北への進軍、タイサの決意」。
タイサの案内で、一行は未知の極寒地帯へと足を踏み入れます!
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