「追放されたので順番に復讐します」①
眼鏡の女性がデスクワークをしていた。
「すみません、入ります」
部屋のドアを開けて、一人の青年が入ってきた。丁寧にドアを閉めて女性の目の前に座った。青年は一冊の本を持っていた。それを眼鏡の女性に渡す。渡された本をパラパラとめくる女性。
「あなたはいつもちゃんと書いてくるわね。ほかの人と違うわ」
「この本を渡すことに意味がある…先生がいつも言ってくれたことです」
部屋には大小さまざまな本棚があった。
「転生なんてにわかに信じられないけど…」
眼鏡の女性は少し驚いていた。
「いつも通りあっちのドアへ行けばいいのね」
入ってきた方向と反対にあるドアへ向かう青年。
「必ず、奴らに復讐しましょう」
ドアを開ける前に青年は怨念の混じった言い方をした。
「大丈夫よ。みんなあなたに協力するはず。私だって」
青年が出て行ってからしばらくして、長髪の色っぽい女性が入ってきた。入ってきた女性に青年が持っていた本を渡す。色っぽい女性は本をめくる。
「坊や、今回は珍しく長かったけど、残念だったみたいね」
本を渡された女性は冷めた口調で言う。
「それを見れば、わかるわ…」
眼鏡の女性は一歩引いたような反応だった。
「ふーん、今回も協力しなきゃね」
本を持った女性は颯爽と青年が入ってきたドアを開ける。




