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大丈夫!!わたくしの神様はメイド・イン・ジャパン!!

作者: 浅華







「きゃぁぁああ!!」


叫び声に合わせてバタバタと部屋に数人がなだれ込んで来た。


「どうしだんだ!?マンネリカ!!」


入ってきたのはキラキラ輝く金髪とほか数名。


「アンネリーゼ様がっ、わっ私を…!」


頬を抑えながら目じりに涙を貯めるピンクの髪の女。


「アンネリーゼ!!そなた!よくもっ!!」


キラキラ金髪はぐっと怒りを滲ませてこちらを睨んだが、一緒に入ってきたメガネに何かを囁かれマンネリカを連れて入ってきた時と同じようにバタバタと出ていった。






「……ん???????」




残された女、アンネリーゼは騒がしい客人たちが去って、5分たっても未だ状況を理解できずにいた。



『はっはぁーん??つまりテンプレね!アンネは悪役ポジなのね!』


頭にハテナを浮かべるアンネリーゼの影から黒髪の少女が飛び出す、


「まぁ、神様…今のこの状況がわかって??わたくし何一つ理解できなくてよ??」


アンネリーゼが神と呼ぶ少女は、少し、いや、かなり変わった格好をしている。


淑女としては許し難い丈の短さと、レースがなく四角い印象を与えるひだの着いた履物に、首元に大きな赤いリボンのついたブラウス…神様でなければなんなのか、理解に苦しむ格好の少女をアンネリーゼは神様と信じている。



『うーん、これはテンプレなのよ!きっとざまぁ系ね!むしろアンネは悪役に見せかけた主役だわ』


ふよふよとアンネリーゼの周りを漂いながら神様は語る。



『短い付き合いだけど、そのキッとした勉強の出来そうな見た目の割にぽやっと天然が混じってるアンネにギャップ萌えしたし、むしろ最推しくらいな感じだから協力してあげる!』


なんの協力か分からないが神様が味方になってくれるというのはありがたい。


アンネリーゼはそのままニコッと笑った。


『草、アンネ顔怖いんだって、ほんと草』


「……草??」


実を言うと、神様とアンネリーゼが知り合ったのはたったの3日前ほどである。


相変わらず神様の思考は理解できないことが多い、とアンネリーゼは思った。











〜〜〜〜




『じゃあ早速作戦会議よ!』


ところ変わって現在アンネリーゼの実家であるハフマン公爵家のアンネリーゼの私室である。


「まず、未だにさっきのが何かよく分かっていないのだけれど……」


アンネは偉大なる神様に本心を打ち明けた。


「それに神様、座ることが出来るでしょう?おかけになって?

漂っていたらその短い履物の下がチラチラと見えてしまってはしたないわ」


『ぬぬ!はしたないとは!#とは!!失敬な!これは神聖(笑)なセーラー服であるぞ!』


やけに改まった喋り方で神様は言うけれど、これが怒りではなく冗談の色の強いものであると短い付き合いながらにアンネリーゼは理解した。


「まぁとにかくおかけくださいなセィラァ(⤴︎)…?服、とやらのお話はまた後で聞きますわ」


神様はぶフッっと何やら淑女らしかぬ笑い方でヒクヒクと震えたあと、言う通り大人しく向かいに腰掛けた。



『私は神であるのでなんでも分かるのよ〜!さっきの修羅場を潜ってなお!この落ち着きよう!!アンネたん!好きな人がおるのう』


「なっ!?!?そんなコトないですネ!???」


神様から見透かしたような予想外の発言が出て変な喋り方になる。



『いや、草ぁ〜!アンネ焦ると中国人キャラみたいになるの草だよまじで』


「……く、草?それにチュごくジ、とは?」


神様から人智を超える理解のできない単語が飛び出す。


神託を受ける教会の司祭様とはこの様な難解言葉が理解できるのだろうか…?


神様を前にして、まるで家畜の様に丸々とした司祭様へ尊敬の念を初めて抱いた。




『これがテンプレの織り成す予言とやらだよフッフッフッフッフッフッフッフッフッフッフッフッフッフッフッ…ごフッ』


「神様に嘘はつけないという事ね……」


『……ツッコんでよ』


神様曰くテンプレとは神の世界に伝わる予言指南書のようなものらしい、


『そうだね、好きな人を当てて見せよう……』


「ええ、」


静まり返った部屋のなかで神様の言葉を待つ私の吐息だけが響く




『えーっと!昔からの馴染みの執事見習いとかそばかすがチャーミングな庭師見習いとか、ライバル公爵家の冷血年上当主とか剣しかない無邪気な幼なじみとか、世にも恐ろしい永久を生きる魔王とか極悪非道な隣国の皇帝とか、さっきのパツキンイケメソの兄か弟だね!!!』


「い…!!!?」


『ん??まさかのまさかいやテンプレの王弟サマ??いやーんエローい!』


何やら凄く無邪気なキラキラした目で神様に見つめられる。


確かに神様が挙げた特徴に1つ、想い人が当てはまる。


「……ええ、神様の申しあげた中に私の想い人も含まれておりますわ…」


『ktkr!!きたこれ!テンプレじゃん!!』


「まぁ、それすらも予言指南書に乗っているっていうの…?」


神様とは万能なのだ、神様は常に見ていますと言う司祭様の長ったるい教えは間違っていなかったのか。


『私がアンネの運命の神様になったげるよ!任せて』


「そんな、……でも無理だわ!私と彼とでは釣り合わないもの!」


『なーに行ってんの?大船に乗った気でいてよ!私、安心安全のメイドインジャパンの神様なんだからね!!?』













続くかも……?










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