英雄とは誰?
繁忙期のため、ストック出来ませんでした。明日は投稿します。そこからはまた、週一、週2を目指します。
期待してくれた方すみません。
なんと言う事でしょう、雨漏りや強風で倒れそうな家は一つもなく、改築、新築、二階建ての家まであり、さらに建築中の家まであります。
広場のほうに向かうと、昔は閑散として活気もなかった広場は、露天で溢れて威勢のいい声が聞こえて来ます。広場の中央には…次を見てみましょう。
上から目線の行商人の馬車が一台いればいいほうだった通りには馬車が並び、所狭しと、店を開いて・・・と思いきや、何台かは店に入っていきます。寂れた雑貨屋が繁盛店になっております。商品を卸しているんでしょう。雑貨屋を見るとえ? いや、気を取り直して参りましょう。
「いや、参れないよ。何? 【ようこそオールイン始まりの街ファスト】って、垂れ幕。垂れ幕に俺の似顔絵、まではよく無いけどまぁ良いよ。雑貨屋の名前は、そのままタツヤだし…」
「タツヤさん、落ち着いて下さい。目立ってしまいますよ」
ララが俺を嗜める。知っていたな。コロコロとした笑顔でこっちみてるし。だが、俺は落ち着けない。なぜならこんなものまであるからだ!
「これが落ち着いてられる!? 広場の真ん中、見た? でっかい銅像立ってるじゃん、俺の!【ファストを救った英雄タツヤ様】って何? ただの宿屋でやってたから、領主様に今まで会うこと無かったけど、領主様とか大丈夫なのこれ?」
「フフ、怒ってはいないのですね?」
「おこってるよ、でも怒りより心配が勝つよ。もう混乱しちゃって劇的な、ビフォーでアフターで匠の技だよ」
「その事ですが後日、タツヤ様と会いたいと領主の、ムーガイ士爵から連絡を頂いてます。タツヤ様の時間が出来た時でいいそうです」
ララは色々知っていたようだ。まず段取りが良すぎる。ララの仕切りが悪いとかではなくどう考えても、ファストに着いていきなり領主とアポが取れるわけがない。それに銅像の許可を出した件にもきっと一枚噛んでいるはずだ。それに…
「領主には会いに行こう。10日くらいはファストに滞在するので士爵さまの都合の良い日に合わせると伝えてくれ。それよりララ、誰だ? 」
「誰だとは?」
「この街の発展具合は、早すぎる。今迄牧歌的だった、ファストの住民がこんな改革をしようとは思わないはずだ。それにこの街の規模から考えたら街道の整理や、広場の整備、木材の伐採や建築、かなりの金を出した人がいるはずだ。今迄そういうことをしてこなかった街なのに。これが領主様ならいいんだが、なんだか嫌な予感がする」
「悪い事は無いですよ。でもタツヤさんにとって嫌な予感は当たってるかもしれません。今は言えませんが、ハケン村に行けば分かりますよ」
言えないか、今すぐにでもハケン村に行って、確かめたいところだが、今日はファストのオールインに一泊する予定だし時間も遅い。ララのにやにやとした顔も気になる明日の朝イチで行くとしよう。
「おぉ、タツヤじゃ無いか! 帰って来たんか? 久しぶりじゃのう。そうじゃ、この街のために、本当にありがとうな。皆喜んでる、さすが英雄じゃな」
「お、不動産屋のじいさん! 久しぶり。この街のために? なんかしたか? 英雄?」
「え、タツヤ様がいるのかい? あー初めまして、あんたのおかげでファストの街が前よりもよくなったよ。ありがとね」
じいさんが、名前を呼んだのが聞こえたのか、
知らないおばさんを皮切りに、俺の元にどんどん人が集まって来る。皆が感謝を述べて来るが、得体の知らない感謝ほど怖いものは無い。俺は愛想笑をしながらその場をやり過ごし。オールインに逃げるのだった。
「「「「いらっしゃいませ」」」」
オールインに着くと、統率の取れた礼で迎えられる。知らない顔も見えるし、制服の少し違う従業員もいる。リリからの報告にあった、学校からの研修で来ているものだろう。
緊張して、慣れていない感じはするが、きっちりと教え込まれていると言うのが受けて取れる。
初々しい接客を受け、オルテカとカイアと会う。
そこで初めて俺達のことを知り、また新人従業員たちから英雄のように崇められたが同じやりとりなので割愛しよう。
明日はこの騒動の理由を確かめるためにも朝イチでハケン村に行くことを決意し眠りについた。
ララ? 同じ部屋だよ。んっ聞いてないか?
ブックマーク、評価お願いしますとか。たまに言ってみます。




