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セバスの油断


「さて、そろそろですかね」


 セバスは月を見上げながら呟き、砦の方へ歩き出した。砦で監視していた兵がこちらが動き出した事を察知して慌て始めたがもう遅い。


(ブラックウルフ!奇襲開始!)


 念話で号令を出すと砦の方が騒がしくなった。ブラックウルフには深追いせずに戦力を削げと言ってある。


「では我々も行きましょうか。」


 シルバーウルフはまだかまだかと期待の目をセバスに向ける。


「シルバーウルフ!突撃開始!」


 その号令を聞きシルバーウルフ達は我先にと走りだした。

 セバスは服を突き破る形で悪魔の羽を生やし月の光が輝く空へ飛び上がった。



 空から戦況を見ているセバス、後方からブラックウルフの奇襲を受け、救援に向かおうとする兵の動きを見て、即座にブラックウルフを撤退させた。

 そして、救援に向かった事で薄くなった前衛にシルバーウルフがものすごい速さで突っ込んだ。

 継ぎ目や隙間を狙って牙や爪を入れ、機動力の低下を狙っていく。


 セバスは楽しんでいた。デーモンにとって恐怖や絶望はご馳走なのだ。だからすぐに仕留めずジリジリといたぶるようにとウルフ達に指示していた。


 いつまでも見ていたかったが、自分には任務があった事を思い出す。武器庫を襲い、中の物を回収する事だ。

 武器庫の場所はブラッドバットで確認しているのでその場所目掛けて急速落下を始めた。


 武器庫の扉は開いており、兵士1人が門番のように立っているだけだった。セバスは落下の勢いそのままに兵士の心臓を手刀で貫き停止した。



 手を引き抜き血を払いながら周りを見るが他に人はいない。戦闘が始まってすぐ来ていれば、慌しく武器を取りに来る兵士が大勢いただろう。


 倉庫の中に入ると槍と剣を置いてあったであろう場所以外はほとんどの武器が残っていた。


「思ったより量が多いですね。ちょっと集中しなければいけませんが……仕方がありません……」


 パンッ!と両手を合わせると足元に魔法陣が現れた。腕を真横に開いていくとそれに合わせるように魔法陣も大きく広がっていく。

 武器庫が収まるぐらいの大きさになり停止するがセバスはさらに魔力を込めた。

 魔法陣はさらに輝きを増す。数秒後、光が消えた時、魔法陣の上にあったモノは全て消えていた。


「私の転移魔法では生きたモノは飛ばせませんし、使うときは無防備になりますからね。あまり使いたくな…………!?」


 魔法の行使に集中していてブラッドバットと共有している映像を見ていなかった。

 送られてきた映像を見てセバスは絶句する。




 光のオーラを纏った男が、青白く輝く大剣を両手で構えて雄叫びを上げていた。


 50匹いたシルバーウルフは残り5匹になっていた。

 全てこの男に切り捨てられたのだ。周りの兵士達も希望を見出している。

 残りのシルバーウルフも勇敢にも襲いかかったがあっという間に首を落とされていった。


 セバスは攻略失敗の文字が頭をよぎり、このままではマズイと思い、羽を広げ空に舞い上がった。










 ピコーン……ピコーン……

 ディスプレイが点滅していたので確認して見ると、シルバーウルフが物凄い勢いでやられている。



 おいおい、これ全滅しそうだぞ?セバスは何してるんだ!?

 あ!武器庫にいる!…まだレベル低いから物資を拠点まで転送するのに時間かかるのか……



 転送終わったみたいだ……かなり量があるな。食料庫は全部終わった後に取りに行かせればいいが……ん?死体(門番)?


 おお!さすがセバス!保険として魔力溜めて準備しといて良かった!

 シルバーウルフは全滅したけどこれで形勢逆転だな!そしてセバスには経験値のサービスだ!



<死体を媒体にリッチの召喚に成功しました>

<セバスに経験値を与えました>


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