起床
暇だったので書いてみました、初心者なので優しくして下さい、評価、ブックマークを付けて下さると大変嬉しいです
起床。
じめじめした暑さの中、頬をつたう雫をぬぐいながら意識をしっかりと保つように努力しつつベットから降りる。
カーテンを開けると眩い光に照らされる
これを心地よいと感じたことは今までないが、嫌と感じたことも一度もない
「玲一、起きてるの~」
下から聞こえて来る声に思わず顔を顰める、朝から耳に響く、もっと声のボリュームを落として欲しいのだけれど、そんな事お構いなしに毎日叫んで来る
階段を使いつつ一声。
「おはよう、母さん、朝からうるさいんだけど」
「そんなこと言うんだったら自分でおきなさい、早く用意して学校に行きなさい。」
毎日何百回とこのやり取りをしたかわからない、うんざりしながらトイレに行き出て蛇口に魔力を通して水を出し顔をあらう、
玲子が用意してくれた食事を食べ出発する前に仏壇の前に立ち行って来ますと心の中で呟く。
仏壇に置かれている写真の中には父の姿が写っている、玲一が十一歳の時アル・ワハシュとの戦いで魔力を使いすぎて死んでしまった、享年36歳であった
アル・ワハシュとはアジアと呼ばれている地域にはびこっている何処から湧いてきたかわからない獣の様な何かだ、玲一が暮らすこの都市、‘プラット‘への進攻の恐れがないが、アジア付近の国はこの存在に脅かされてすごしていると言われている
ぐずぐずしているとまた玲子に何を言われるかわからないと思い荷物を持ち玄関のほうへ、たどりつき靴を履いてからドアノブを掴み魔力を通して鍵を開ける
「行って来ます」
言ってらっしゃいと聞こえる前に家を飛び出し魔力炭石を燃やしてうごく通称‘魔車‘と言われる列車のホームへ向かう
魔術高校ともなるとなかなか数が少ないので列車にのって片道40分のプカル魔術高校という所に玲一は通っていた、
ホームに着き改札を潜り抜け列車を待つ
「おはよう」
聞きなれた声がし、振り返ってみるとそこには同じ中学校だったモハメトが話しかけて来る、おはようと返事を返す
「新田は進路決めてんのか?」
中学時代、ほとんどの人が玲一と下の名前で呼んでくれた中、モハメトや他の小学校出身の子たちは苗字で呼んでくる、少し距離を感じるが特に気にしてはいない
「いや、まだ決めてないなぁ、大学に行っても研究したい魔法学問を特に思いつかないし、お前こそどうなんだよ」
「俺は大学一択、魔力効率学を専攻するつもりなんだ、新田はてっきり大学に決めてるのかとおもってたんだけど違ったみたいだ、ひょっとしてお父さんの後を継いでアジアで調査の仕事をする、とか言い出すんじゃないよな?」
「あんな命をいつ落とすかどうかもわからない職業になんてつきたくないよ、命が8個ぐらいあったら考えるけど」
モハメトは苦笑いをしつつそうだな、と一言。
丁度列車がやってきたので別れをつげて乗り込む、モハメトは反対側のホームで列車を待ち続けている
玲一はこれからどうするか、なにをしたいかの明確なビジョンが思い浮かばなかった後一年半も立たずに高校を卒業するのだからなにかやりたい事を見つけようと決心し鞄のポケットから一冊の本を取り出し見はじめる