クリスマス
『おはようございます。あ、メリークリスマスですね』
義妹が朝食の準備をしながら言った。
『おはよう。起きるの遅かったね。ごめん』
『いえ。気にしないで、ゆっくりしていてください。私は、仕事は休みですから』
義妹は、幼稚園でパート勤務をしている。
『外は滑るかもしれないわよ』
母が玄関から声をかけてきた。
『どのくらい積もってる?』
玄関に行くと、長靴姿の母が、雪かきを持って立っていた。
『昨夜のままみたいだけど、今朝は冷えたからねえ』
玄関回りを雪かきしたらしい。
道は真っ白。凍っているのが分かる。
『うわぁ~。歩きたくない~』
でも、そう思っても、お店の前は、雪かきしなくちゃいけない。
『義母さん、お姉さん、朝ごはんの準備が出来ましたよ~』
ミサコちゃんがリビングから顔を出した。
『積もってますね~。あ、敦さんと、義父さん起こしますか?』
『いいわよ。寝かせておいて。酒臭いのが起きてきたら、朝ごはんが不味くなるわ』
お母さん…そこまで言っちゃう?
朝ごはんは、私とミサコちゃん、母と3人で食べた。
『美味しかった~。ミサコちゃん、ありがとうね』
食器を片付けて洗う。
さて…行くか…
って、大事なの忘れてる!
クリスマスプレゼント渡すのを忘れてた!
『ミサコちゃん、いつもありがとうね』
ミサコちゃんには、白のファーのマフラー。
母にはココア色のファーのマフラー。
ワンちゃんの生地の残りでごめんなさい。
『暖かいです。お姉さん、ありがとうございます』
喜んでくれて良かった。
『あの…私と義母さんからも、プレゼントがあります』
ミサコちゃんが、奥から箱を出してきた。
『開けてもいい?』
『はい』
中から出てきたのは、北欧のブランドのブランケットだった。
私の好きなブランド。
『わあ!嬉しい!ありがとう』
天にも昇る気持ち。
『お父さんと、敦には、昨夜のビールをプレゼントって事で』
そう言うと、ミサコちゃんと母は顔を見合せて笑った。
『しまっておいても呑むだろうからね』
母が言う。
『じゃ、また、年越しに来るから』
『気を付けて。滑らないようにね』
『お姉さんが来るまでに、レパートリー増やしておきますね』
実家ってありがたい。
街はホワイトクリスマス。
気持ちを仕事モードにして頑張ろう!
…………
お店に入り、先にお店の前の雪かきをした。
彼氏さん、うまく渡せたかな~
ふと、彼氏さんを思い出した。
10時になり、アヤコが出勤してきた。
『メリークリスマス!ホワイトクリスマス~』
今朝のアヤコは、キラキラしてる。
彼氏がいると、こうなるんだ~
観察してると
『何?何かついてる?』
慌ててバッグから鏡を取り出す。
『大丈夫。キラキラしてるな~って思っただけ』
『やだ~。キスマークかと思ったじゃない』
…おい。キスマークつけて仕事に来る気だったのか?
アヤコの天然ぶりには、力が抜けるよ。
お店が開店し、ちらほらとお客様が入ってきた。
クリスマスオーダーの商品は、既に出来てるし、お客様の手に渡ったのもある。
アヤコは、竹内さんちのララちゃんのセーターとカーディガンを編んでいる。
竹内さんとお揃いで着れるお洋服だ。
納期はお正月予定。
昨日のチマチョゴリの影響か、新規オーダーしてくれるお客様もいた。
キルティングの生地のベスト。
ボアのコート。
フードに耳のように、ボンボンがついたパーカー。
オーダーも増えて、今日も忙しくなる感じ。
メリークリスマス。




