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ワンちゃんのお洋服屋さん  作者: 貴志ひろこ
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10/11

クリスマス

『おはようございます。あ、メリークリスマスですね』

義妹が朝食の準備をしながら言った。


『おはよう。起きるの遅かったね。ごめん』

『いえ。気にしないで、ゆっくりしていてください。私は、仕事は休みですから』


義妹は、幼稚園でパート勤務をしている。


『外は滑るかもしれないわよ』

母が玄関から声をかけてきた。

『どのくらい積もってる?』

玄関に行くと、長靴姿の母が、雪かきを持って立っていた。

『昨夜のままみたいだけど、今朝は冷えたからねえ』


玄関回りを雪かきしたらしい。


道は真っ白。凍っているのが分かる。

『うわぁ~。歩きたくない~』


でも、そう思っても、お店の前は、雪かきしなくちゃいけない。


『義母さん、お姉さん、朝ごはんの準備が出来ましたよ~』

ミサコちゃんがリビングから顔を出した。

『積もってますね~。あ、敦さんと、義父さん起こしますか?』

『いいわよ。寝かせておいて。酒臭いのが起きてきたら、朝ごはんが不味くなるわ』


お母さん…そこまで言っちゃう?


朝ごはんは、私とミサコちゃん、母と3人で食べた。

『美味しかった~。ミサコちゃん、ありがとうね』


食器を片付けて洗う。


さて…行くか…

って、大事なの忘れてる!

クリスマスプレゼント渡すのを忘れてた!


『ミサコちゃん、いつもありがとうね』

ミサコちゃんには、白のファーのマフラー。

母にはココア色のファーのマフラー。


ワンちゃんの生地の残りでごめんなさい。


『暖かいです。お姉さん、ありがとうございます』

喜んでくれて良かった。


『あの…私と義母さんからも、プレゼントがあります』

ミサコちゃんが、奥から箱を出してきた。


『開けてもいい?』

『はい』


中から出てきたのは、北欧のブランドのブランケットだった。

私の好きなブランド。


『わあ!嬉しい!ありがとう』

天にも昇る気持ち。


『お父さんと、敦には、昨夜のビールをプレゼントって事で』

そう言うと、ミサコちゃんと母は顔を見合せて笑った。

『しまっておいても呑むだろうからね』

母が言う。


『じゃ、また、年越しに来るから』

『気を付けて。滑らないようにね』

『お姉さんが来るまでに、レパートリー増やしておきますね』


実家ってありがたい。


街はホワイトクリスマス。


気持ちを仕事モードにして頑張ろう!



…………




お店に入り、先にお店の前の雪かきをした。

彼氏さん、うまく渡せたかな~

ふと、彼氏さんを思い出した。


10時になり、アヤコが出勤してきた。

『メリークリスマス!ホワイトクリスマス~』

今朝のアヤコは、キラキラしてる。

彼氏がいると、こうなるんだ~

観察してると

『何?何かついてる?』

慌ててバッグから鏡を取り出す。


『大丈夫。キラキラしてるな~って思っただけ』

『やだ~。キスマークかと思ったじゃない』


…おい。キスマークつけて仕事に来る気だったのか?

アヤコの天然ぶりには、力が抜けるよ。


お店が開店し、ちらほらとお客様が入ってきた。

クリスマスオーダーの商品は、既に出来てるし、お客様の手に渡ったのもある。


アヤコは、竹内さんちのララちゃんのセーターとカーディガンを編んでいる。

竹内さんとお揃いで着れるお洋服だ。


納期はお正月予定。


昨日のチマチョゴリの影響か、新規オーダーしてくれるお客様もいた。


キルティングの生地のベスト。

ボアのコート。

フードに耳のように、ボンボンがついたパーカー。


オーダーも増えて、今日も忙しくなる感じ。


メリークリスマス。










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