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力を抜いて

作者: 秋津珠音

とりあえずできたから投稿する。



だらだら過ごす日常をつらつら綴る日記帳

中身に起伏は何もなし

山もなければ谷もなし


暮らしやすい平地と思えば良いけれど

荒んだ心を慰める

平地を囲む山々も

塵にまみれた心身を

洗い清めるような

谷あいの川の流れも見えない

ただただ広がる砂漠の道を

ただひたに歩くような日常


僕の人生にはいらないと

見向きもせずに手放した

あれやこれやを思いだし

今更ながら伸ばす手は

空を切って(わずら)わしい砂ぼこりを掴みとる


今ならと思い手を伸ばしても

まるで逃げ水のように掴みとれない


(こうべ)をめぐらせると

思い出の中にいる過去の自分も

仲の良かった友人たちも

眩しくて

あまりに眩しくて

目が眩む


思い出が暖かくて

暖かすぎて

今の自分は身が

心が

凍えて竦みこみそうになる


過去の栄光とまでは云わないが

今の僕には眩しすぎる

光輝くあの頃の記憶を

出来るのならば蝋燭の光を消すように

忘れられたら楽なのだろうか


我慢していれば

いつかきっと報われる

堪えていれば

いつかきっと楽しくなるなんて

自分を騙して過ごしてきた


嫌いな人や嫌な事

はね除けられたら楽なのに

好きな人や好きな事

はっきり好きと言えたらどんなにか楽しいのだろう


天に浮かぶ雲のように

川に流れる木葉のように

時にはなにかに身をゆだねて

ゆったりしよう


空を飛ぶ鳥のように

水に游ぶ魚のように

たまには思うがままに過ごそうじゃないか


大きな大きな(えんじゅ)の下の小さな小さな蟻の国

黒甜(こくてん)の郷に遊ぶ人

上を目指すも目指さぬも

夢から覚めれば何もなし


どうせなら夢から覚めるその時には

思い返してちょっとばかし笑えるように

一日一日過ごそうじゃないか

いつも書いているものとはちょっと毛色が違うかな。しかもいつもより長い。


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