8、 エタるということ
ともに海を渡る仲間を得た私は、とても心強い気持ちになった。
懸命にボートを漕いでいる私のそばで、仲間も同じように海を渡っている。
しかし、突然その仲間のうちの一人の姿が見えなくなっていた。
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エタる。
なろうでよく見られる言葉ですね。
エタる。エターナる。エターナル。
英語のeternal(永遠の、果てしない)という意味からの造語で、永遠の未完を表す言葉だそうです。
ありますね~。未完で止まってしまっている作品が大量に。私が読んでた作品も、更新が止まってしまったものが多くあります。
なろうはエタりの墓場とまで言われているくらい、たくさんの未完の作品があるところだそうです。完結する作品はごく一部で、多くは未完で放置されているようです。
これは悲しいことです。しかし、エタる気持ちはわからなくもないのが本音です。
まず、私本人がエタったことがありますからね。(※一話参照)
なろうにあげていないだけで、未完で放置している作品が山ほどありますからね!(自己嫌悪……)
まあ、自分のことはさておき、なぜエタるのか、ということの大きな要因は、作者のモチベーションによるところが大きいです。というか、ほぼそれに尽きるといっても過言ではありません。
まず、自分にとっての自信作をなろうにアップしたとします。
しかし、どれだけ作者本人が血ヘドを吐く思いでその作品を書いていたとしても、読者はそんなことを考慮しません。無情にもポイントは0のまま。頑張っても頑張っても暖簾に腕押し状態。
これでは、やーめた! 馬鹿らしいとなってしまいます。
まずこのパターンが一つ。
次に違うパターンが考えられます。逆に人気が割とある作品の場合、これだけの読者が待っているのだから、頑張らなければ、もっとおもしろくしなければ、とあせってしまい、どこかで心が折れてしまう。期待が重荷になってしまうというもの。
どちらのパターンもよくわかります。なろうに投稿していると、どうしても評価というものがついてまわります。気にしなければもっと楽に書いていられるのだと思いますが、なかなかそれを一切気にせずにいられる人間のが少ないです。そんな環境のなかで、モチベーションをずっと維持し続けていくことは、相当にしんどいです。
小説を書くとき、最初は楽しいけど、途中で疲れて書きたくなくなることってありますよね。私はしょっちゅうあります。
でも、それでもなんとか書き続けているのは、物語の最後をこの目で見たいという思いから。そのために書いています。そして、なろうのなかにおいては、プラス読者様を裏切りたくないという思いが後押しとしてあるわけです。
気軽に始めたなろう。でも、結構それってしんどい。
わかりますわかります。すんごくわかります!
でも、できれば、もうちょっと頑張って、一作だけは最後まで書いてみようよ、と私は言いたいですね。
完結したときの感動って、ちょっとなんともいえない達成感と満足感があります。自分はこのためにこの作品を書いていたんだと、そう思えるわけです。
もしそれを読者にも共感してもらえたら、これってすごく素敵じゃないですか?
だから、できれば始めた作品は完結まで書いてほしい。とにかく頑張ってほしい。そう思います。
だけど、やっぱり無理というかたにおすすめなのは、最初から完結させた作品を投稿していくというやり方です。結構執筆しながらの連載というのはしんどいですから、私は最近このやり方でやってます。公募で落ちた作品をあげているかたも多く見られますね。
さて、エタる原因として、ここまでは作者側の都合を書きましたが、その原因は外部からによる場合というのもあります。
それはつまり、作品批判ということになります。
自分が心血を注いだ作品をけなされる。これはとてもつらいです。
書いた人には単なるアドバイスのつもりでも、心の弱い人には作品が全否定されている気になってしまうこともあるでしょう。これは受け取り手の心の持ちように問題があるのかもしれません。できれば前向きに、いい方向にとらえ、作品向上に努めていくといいと思います。
なろうにはいろいろなかたがいますから、いろいろな意見があるということを受け止めなければいけません。褒められるのは嬉しいですが、違う意見の人もなかにはいる。そういうふうにとらえるべきです。
まあ、そんなことを言っている私も、叩かれると数日へこんでしまうクチなんですが……。
しかし、それよりもなによりも、一番に問題なのは、悪質な荒らしです。
実際私も一度、そのような荒らしに近い感想をもらい、つらい思いをしました。親しくしていただいているユーザさんの存在がなかったら、私もエタっていたかもしれません。
なろうのことについて調べていくと、こういった悪質な嫌がらせというのは結構あるようです。
悪質な感想やメッセージ。
これは、なろうで活動をしている作家に対する重大なマナー違反です。
ヘルプのほうでも書かれてありますが、こうした酷い荒らしにあった場合、感想受付の設定変更やブロックユーザ機能で防衛しましょう。
あまりに目に余る場合は、運営さんのほうに連絡をすれば、しかるべき対処をしてくださるそうです。
せっかく楽しむために小説を書いているのに、こんな嫌な目には遭いたくないですよね。どうか日々こつこつと執筆している作者のかたがたを、読者のかたは応援してあげてください。お願いします。
そして、できれば積極的にブクマや評価を入れてあげてほしい。レビューは無理でもそのくらいはしてもらいたい。
それが作者のモチベーションへと確実に繋がることになります。読んでいる作品をエタらせないための読者側の配慮だと思います。
作家さんは本当にみなさん頑張っていますよ!
みなさん応援してあげてくださいね。