7、 仲間との出会い
いつもお読みいただいている皆様、ありがとうございます。
本日、(10月23日)はこのエッセイでも書いておりますが私がなろうに復活を遂げて本格的に活動を始めた日であります。というわけで、記念というわけでもないですが、またこのエッセイの続きを書かせていただきたいと思います。
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「おーい」
誰かの呼ぶ声が聞こえた気がした。
よくよく周りを見渡すと、向こうのほうで私に手を振っている船乗りがいる。
誰だろうと思いつつも、私はその人に近づいていくことにした。
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はい。ついに孤独な旅人に、あらたな仲間が現れました。
なろうで同じように創作活動をしているユーザさんです。
ドラクエのあのメロディが頭のなかで流れましたか? え? 流れていない?
とまあ、それは置いておいて、ようやく私はなろうという場所の本当の意味に気づいたのでした。
とあるかたが、最初お気に入りユーザとして私を登録してくれるまで、私はこの意味をよくわかっていませんでした。たまに感想をいただいたり、ブックマークをくれる人がいても、ありがたいとは思ってもそのかたの作品を気にしたりすることはそれまでありませんでした。
まず、それまでまったくネット小説というものに触れてこなかった私にとって、小説とは紙の本のことであり、ネット上にある文章はなんとなく別物であるような気がしていました。小説=紙の本という感覚が身に染みついていたのです。
そんな私がネット上に小説を投稿してみようと思ったのは、とりあえず自分の書いた小説をネットで公開するのが今は流行で、その流れに私もちょっと乗っかってみようかという軽い気持ちからでした。
他にたくさんのなろう作家さんがいることは頭ではわかっていても、それは他人のことという感覚であり、自分と関わりのある人たちだという感覚が、まったくなかったといっても過言ではありません。それぞれのユーザさんはそれぞれの活動をしていて、ただ自分も同じ場所で活動をしているに過ぎない。そう思っていました。
しかし、とあるユーザさんが交流をしてきてくださったことをきっかけにして、ようやく私はなろうという場所の、小説を投稿するところというのとは別の、もうひとつの意味に気づくことができたのです。
それは、ユーザ同士の交流。
私は、はっとしました。
今まで自分は小説を書くということは孤独なものだと思っていたのだけれど、このなろうという場所は同じように小説を書いて投稿している人がたくさんいる。それはまるで、巨大な創作サークルのような場所であり、気に入った作品があれば、その作者とも直接メッセージなどのやりとりもできる。
つまりここは、創作交流の場でもあるのだ!
ありがたいことに、私と交流をしてくれるユーザさんとの出会いをきっかけに、そのことに気づいた私は、自分からお気に入りの作家さんを探すということに目覚めました。
ようやく私は、なろうの本当の楽しみを覚えたのです。
やはり、最初はパソコンの向こうにいる誰かとの交流は緊張しました。私は基本、小心者で人見知りです。そして基本的にアナログ人間なので、ネット上のつきあいなどはほぼ初心者です。いきなり交流を持とうなんて、迷惑に思われないだろうか。嫌がられないだろうか。そんな不安がつきまといました。
幸い、私と交流をしてくださっているかたたちはとてもいい方ばかりで、本当にありがたかったです。そして、やはり同じように創作の悩みを抱えているということにとても共感し、心強く思ったのを覚えています。
そして、なろうという大海に、私はひとつの居場所をもらえたような気がしました。
リアルとは違う、特殊な場所であるけれど、共通の趣味を持ち、共通の悩みを持つ仲間がいる。
嬉しかったですね。
しかし、いまだに私は自分からお気に入りユーザ登録をすることが苦手です。相手に迷惑に思われないだろうかとかいろいろ考えてしまい、逆に失礼なことをいろいろやってしまっているような気がします。申し訳ないです。
そして、私は他の人の作品に触れる機会を多く持つことによって、ネット小説のおもしろさに気づくようになり、そこでいかに面白い作品が多く埋もれているのかということに気づいていくのでした。