3、 いざ行かん 小説の海へ
ザザーン。
ザブーン。
目の前に、広大な大海原が広がっていた。押し寄せる波は絶えることなく、見渡す限りの広大な海の光景に、私は圧倒されていた。
そこには巨大な帆船に貨客船、タンカーや蒸気船、ときにはヴァイキング船などが入り乱れるように通過し、広大な海をそれぞれがそれぞれの速度で渡っていた。
そんななか、私はぽつんと小さな手こぎボートで、地図も羅針盤も持たずに漕ぎだしていたのだった。
……はい。というイメージでした。私にとっての小説家になろうという場所は。
まるっきりの初心者が、とんでもない場所に突然飛び込んだようなものでした。なんというか、本当によくわからないまま飛び込んでいったのですね。
まあ、以前登録したころもそんな感じでしたが、そのときはなろうのことを理解する前に離れてしまったので、本当の意味でなろうの海を知ったのは、このときだったような気がします。
さて、前回私はひとつの物語を携えてなろうに戻ることにしました。心機一転のために、以前登録していたときとはユーザー名を変え、新たな一歩を踏み出すことにしたのです。
最初の投稿は、それは緊張しました。以前も味わったことがあるとはいっても、それはもうかなり前のこと。そして今回はまだどこにも出したことのない小説を世に送り出すわけです。投稿の仕方とか、わけがわからないなりにヘルプなどを読み込み、まずは一話目を投稿することはできました。
ジャンルはファンタジー。なろうは今ファンタジーが主流。そこそこいけるだろう。そんな甘い考えを多少は持っていたことを、すぐに私は後悔することになります。
アクセス数というのは、やはり気になりますよね。どれだけの人が自分の作品を目にしてくれているのだろう。ちゃんと読んでくれるのだろうと。
ブックマークや評価というのも、なろうの人気のランキングがそれによって位置づけされているわけですから、気にならないわけがありません。少なくとも私にとっては。
しかしまあ、前回の苦い経験を味わった私ですから、多少のことは今回気にしなくなりました。つまり、過剰な期待はしないよう心がけたわけです。
それでも、少しは期待してしまうのが人情というもの。ついついアクセス数やブックマークの数などをチェックしてしまうわけです。
最初のころのアクセス数は、それは微々たるものでした。それでも一応二桁はあったと思います。とりあえず、誰かが目にしてくれているというのを感じられるというのは、嬉しいことです。これは、孤独に執筆を続けてきた自分にとっては味わったことのないような経験でした。
そうして、とりあえず誰かが読みに来てくれているということを励みに、投稿を続けていきます。そして、私の作品にもぼちぼちブックマークがもらえるようになりました。
これは嬉しいです。ブックマーク!
ブックマークというのは、つまりこの作品気になるよという合図であります。そして、続いて読んでくれる可能性があるということなわけです。これは頑張らなければなりません。微々たるアクセス数ですが、それでもそのなかの誰かがブックマークしてくれたということは、とても励みになりました。
とここで、アクセス数やブックマークのことについて疑問が生じます。またくわしいことは別でお話することにして、日々投稿されてくる小説で、連載もわずかというのに、すごいアクセス数やブックマークになっている作品を見かけますよね。それがなぜなのか、最初のころにちゃんと理解していなかったネット小説超ど素人な私は衝撃を受けます。
なろうの主流はファンタジー。その認識は間違っていません。
しかし、ファンタジーはファンタジーでも単なるファンタジーが主流なわけではなかったのです。
私はなろうテンプレという存在を、それからようやく知ることになったのでした。
読んでいただきありがとうございます!
今後は書けたら投稿していきますので、不定期になります。気が向いたら書いていきますので、よろしければおつきあいください。