1、 小説家になろうとの出会い
小説家になろうには、現在(平成27年9月)およそ34万もの作品が投稿されています。登録者数は約64万人。ということは、読み専の方が半数近くはいるということなのか、そのあたりのことはよくわからないけれど、とにかくそれだけの多くの人たちが日々小説を書いて投稿しているわけです。
私が本格的にこのサイトに投稿を始めるようになってまだほぼ一年といったところですが、その間いろいろなことを思うようになりました。このエッセイでは、そんなことをちょっと書いていきたいと思います。
私がこのサイトに登録したのは、本格的に活動を始めるようになったよりも一年近く前でした。それまでもずっと小説というものを書いてはきていたのですが、すべて公募にあててきました。一人孤独にこつこつと書いていたわけです。
しかしなにを思ったのか、というか、時代の流れというものをようやく察した私は、ネットに小説を投稿することを思いつきます。そして出会ったのが、この「小説家になろう」というサイトでした。
一番最初のとき、小説を投稿するのにものすごくドキドキしました。誰か読んでくれるんだろうか。自分の作品はどこまで通用するんだろうか。
そんなことを考えながら、とりあえず他の公募で落選したものから適当なものを投稿してみることにしました。そのときは当然知り合いもおらず、なろうのシステムもわからず、見よう見まねという感じでしたね。
しかし、当然、結果は自分が想像していたものとは違っていました。
ポイント上位の方々のように簡単にポイントが貰えるはずもなく、ブックマークも増えないまま。すぐに心は冷め、やはりネットで小説を公開するのはやめようと思いました。
今思うとそのときも評価してくれたかたや、感想をくださったかたがいたのです。それにも関わらず、私はそれを簡単に削除してしまった。今はそのことをすごく後悔しています。初めて感想をもらって嬉しかったし、作品を気に入ってくれていたのに、私は目先の数値にばかりとらわれて、大事なことを見失ってしまっていました。もう誰かもわからないその方がもしこれを読んでいてくださっていたとしたら、お詫びしたいと思います。そして、感謝の言葉を伝えたいと思います。
それからなろうを放置すること一年近くが過ぎます。その間私がなにをしていたかというと、違う公募用の小説を執筆していました。そしてそれの執筆を終えたあと、あることをきっかけに再び私はなろうに舞い戻ってくることになったのです。
そのきっかけとは、「そして世界に竜はめぐる」という作品の存在でした。