七百四十六日目~
七百四十六日目
魔王軍かぁ。とか思いつつ適当に召喚召喚。前々と同じですねー。政務に召喚、と。神霊石もたまに召喚に使ってます。ちょっと疲れるけど、その後は大抵、歓迎の宴だしな。
そんなこんなで適当に政治を行いつつ、考える。んー、強化だけじゃだめなんだよなぁ。今だって武器をこれ以上渡すわけにもいかんし。そもうちはゴーレムの国だしなぁ。製法を教えるわけにもいかんし。
あー。どうしよ。んー、角少女に聞いてみるか。
で、エロスエロスな感じです。
とりあえず情報収集ついでにエロスやって、聞いてみると、んー、魔王軍の弱体化というか、魔王軍の権力構造を教えてもらう。えっと、つまり、魔王やその息子たちが魔物を統制してるから、そいつらを中心に攻撃すればいい、と。
なるほどなー。で、なんで知りたいのじゃ? みたいなこと聞かれたから適当に誤魔化して退散した。
いや、どーせバレてるんだろうけどなー。
王女様(智)にその情報を教えて、隣国にリークしてもらうことに。方法は任せたっと。
七百四十七日目
サラ子さんから神霊石が届く。ここは神霊のバーゲンセールか、とか言いたくなりそうだ。
まぁ、基本的にどうでもいいんですがね。
で、なんか、風の神霊にサラ子さんについて聞かれた。今どこにいるのかって言われたからとりあえず現在位置を伝えとく。なんでそんなところにー、とか言われたけど、まぁ、その辺も説明しとく。
別に隠すことじゃないしなー。
で、よくしてやってくれ、って言われた。というか、知り合いなんだろうか。疑問に思ったけど黙っとくことに。暗躍を知られるわけにもいかんからー、まぁ、善処しますみたいなこと言ったけど、たぶん見透かされたと思う。
で、なんか変な金属の塊を貰う。なにこれって思ったけど、毎日のように神霊さんの住宅周りに発生するらしい。えっと、なにそれ? え? 顕現してると発生すんの? 硬いし丈夫だから適当に処理してくれって言われた。
あー、えっと、他の神霊さんも、とか思って聞いたらそうらしい。本来の力を抑えまくって顕現してるから、その抑えた力が固定化? はぁ、あと精霊界で抑えてたなんだかだかなんだかが云々で、精霊界との調和をとるためにも必要?
あー、よくわからんけど邪魔だからうちで処理してくれってことっすねー。
はい、よくできました、じゃないってもー。
とりあえず、研究所に属性ごとに送って、あとは資材置き場にでもつっこんどこ。誰かが勝手に消費するでしょ。
七百四十八日目
いぇー、人間ボロ負け中だよ。こんちくしょう。
情報リークしても倒せなきゃしょうがない? そりゃそうだ。うぐぐ、どうしよう。
つか天馬はもっと耐久あったべ? って聞いてみるけど、ありゃもっと統制が取れてた? あと戦力の密度が違う? で、英雄? 勇者以外にいたの? 強い人が? はぁー。
あとは基本的に精霊、ねぇ。
うーん。どうすっかね。っとか考えてたらピコーンって感じで思いつき発生。とりあえず倉庫にあった鉄砲とか作り方とか材料の書いてある技術書を持ってこさせて風男君に隣国の王室用の商店で王様に売りつけるように命令する。出所? いや、うちだってばれなきゃなんでもいいよ。
火竜王国じゃ一足飛びっつぅか。下位精霊を利用したレーザーだかなんだかに移り変わったから即行捨てられた兵器だけど、元いた世界じゃ一応、世界を制覇した武器である。問題ないべ。
機構には精霊を全く使わない。誰かが冗談で作ったものである。もちろん、火縄なんてもんじゃなくて、リボルバーだかなんだかで銃弾もどっちかというと現代で使用されてるのに近い。材料調達(火薬とか弾丸のほう、本体より弾丸の製造が難しいとかなんとかだが)が大変だろうが、国家レベルで思いついてくれりゃ問題ないかなぁ、とか思ったけど王女様(智)に却下された。
え、なんで? とか聞いてみると、そもそも隣国レベルの大国でも製造できない、とのこと。
あー、均一製品がつくれねぇ、というか、伝説級の鍛冶屋が鋼鉄を高コストでようやっと作れるレベルなんだっけか。ただ、精霊の鍛冶屋がいればミスリルとかがなんとか製造できる、とのことで。
あー、そうなのですか。あー、鉄砲渡しても短期間じゃ作れないし、集団運用できない? ……どうしよう。本格的に。
火縄? いや、皮膚貫通できんから魔族に効かない上に遅すぎる。せめて後装式だかなんだかして、神聖属性付与でようやく倒せるんだとか。だいたい俺が期待したのは、渡したリボルバーを長物に改良して、三下兵士どもにわたしゃあ少しは健闘できるんでないかとか思っただけなのです。
まぁ、訓練期間とか考えると絶望的だが、俺が考えることでないから問題なくねー? ごめん、適当です。
ガリガリガリって頭掻いてから、仕方ないんで連弩の設計図を流して、ついでにずっと昔にホウ統が書いた戦略書だか戦術研究だかの書物も流してもらう。
連弩ならできるべー、とか思ったけど、流石に技術力をもっと低くしなきゃ量産は無理とか言われる。あー、あっちでやれねぇのって聞いたら、それだけで数日懸かるだろうって言われた。しかも見向きもされない可能性があるから、できるものにしとけって言われる。いや、まさか螺子の創り方もわからんとか言われるとは思わなかった。
そっか、未だに騎士やら騎馬が主力だもんなぁ。魔法戦士? いや、戦死しまくってて数がいないとか。あと高級奴隷に指定されてるから実は結構数がそろわねぇのよな。天馬騎士とかもゴリ押しして購入だし。つか、うがぁぁあぁ、人か、これが人の限界かぁ。
王女様(智)もちょっと悔しそう。というより、自分たちの国が如何に脆かったのかが今になって実感できたのかやるせなさそうである。
俺なんか気分的に魔王応援してたしなぁ。あの時期の行動知られたら後ろから刺されるかもわからん。
とにかく、研究所に行ってから、一番下っ端をちょいちょいと引っ張ってきて、その場で事情も教えず猿でも作れる連弩の図面を引かせた。木組みで動力も人力だからどんな馬鹿でも作れるって保証してくれました。いやぁ、よかったよかったとちっちゃい女の子だったのでよしよしと頭撫でて魔力注入を久しぶりに行なう。
でもどうせ精霊さんだから実年齢は俺より遥か上なんだろうなぁとか黄昏つつ執務室に戻った。
あー、人類が勝てるか心配です。
七百五十日目
黄昏つつ神霊石で召喚。神霊さんと契約をして宴を開いて解散。一応住居の案内とか仕事とか紹介する。仕事っつぅか、この人たちにとっちゃ片手間なもんだろうけどたぶん。適当に厨様とかに指示だしたり、付与とか加護とかが神霊さんの仕事です。
対魔王戦がなぁ、とか思いつつ。あと、どんぐらいなんだろ神霊石。無数にあるっぽいんだが、二十はないって聞いてる。たぶん進路的に海のが最後だろうとは思う。
サラ子さんが集め終わる前に全部やらんと。流石に精霊なサラ子さんじゃ高位魔導士レベルの知識を持ってる魔王と真正面からバトルは厳しいだろ。真言系とかにも弱いらしいし。一応、ネームガードは一番強固なレベルで施してもらってるし、装備も抜群。魔石も定期的に届けてるけど、心配だなぁ。
ああ、くそ、隣国め。戦上手なんだから魔王ぐらいぱぱっと蹴散らしゃいいのによー。勇者も不甲斐ねぇなぁ。
あー、何? 亜人? 亜人って何? エルフ? 長耳? よくわからんけどそんな連中が国境に来て、転移に引っかかったんだと。はー、どうでもいいや。え? 部族単位? わけわかめ。ほっとけほっとけ。
で、神霊さんが発生させる石で国境に新しく城壁を作りたいとか王女様(幼)に要求される。
あー、はいはい、勝手にすればって判子押して適当に追っ払っとく。
今日はアンニュイなんだぜぇ。
はぁ、サラ子さん……。
七百五十一日目
ドワーフ? なにそれ? おいしいの?
とか思ってたら、えっと、そいつらも転移の罠に吹っ飛ばされた? いや、結構どうでもいいんだが。なんなの?
そんな報告が来るようになりました。
あー? えーっと? 亜人とかいう種族? 妖精? 獣人? んん? 他にもきて、転移された?
わけがわからない。この大陸って人間と魔族(魔王の配下的な意味で)と精霊しかいねぇんじゃねぇの?
そんなわけあるかって大神官(巨乳)に殴られる。あー、で、どうしろって? 受け入れはいやだっつぅの。やっと安定してきたのに、今更他の種族受け入れられるかっつぅの。
っつったら殴られた。保守的になるな、とか。寛容になれ、とか。
他の国に引き取ってもらえないのか、って聞いたら。人間主体の国家が多いし。魔王にとっちゃ餌と一緒なんだと。だから前の流浪の民のように受け入れろって言われた。
んー。つーか、そもそもなんでこの国に?
次接近してきたら交渉してみるって追い出した。
確かに、神霊さんが入ったから新しく街を作っても問題ないんだが、えーっと、だってエルフ、とかねぇ。どうせ入ってきたらきたで文句言うんだぜ。アニメとかラノベとかだとまるっきりあれだ、精霊使役タイプの人たちだったような気がしたようなしないような。
とりあえず国庫から支度金を取り出して、後で空き住居の確認をしてもらう。村作ったばっかりだし、空いてる住居も少しはあるっぽいとは思うけど。
老人やら子供やらが混じってたしなぁ。戦争じゃなくてたぶん移民希望だとは思うんだが。つか、転移なかったら部族ごとミンチだぜ? 無用心な連中だこと。
とりあえず風男君を呼んでみる。ついでに我が下僕よって感じで王女様(智)専用ベルを鳴らす。
はいはい。お二人とも来てくれました。
こいつらはこいつらで超忙しいのだが、勝手に国民増やして問題とかいかんので聞いてみる。つか、ほんとに移民なんだろうかね。
で、風男君がそういった噂を聞いてたらしく報告してくれる。えっと、エルフの御神木が力を失った? え? 御神木の人がうちの国民に? え、なんでって言ったら厨様がいるし、何千年も同じ地にいるとか馬鹿らしいから来たって? おいおい、いや、わかるけどさぁ。お役目じゃねぇの? って聞いたら、そうでもないんだと。あー。え? でもそしたら他の樹木とか、どうなん? って聞いたら、普通に下位精霊が宿ってたりするんだと。あと土の精霊の厨がこっちに来てるからドワーフ辺りが崇めてた精霊さんとかもこっちに来てるんだって。
なんで? 俺だってこっちで現界してた連中とか知らんぜよとか言ってみるけど。えっと、人工魔石? 美味? 美味いの? 信仰よりも食欲かよ……。
えー、精霊さんの間で流行ってるそうです。こっちじゃスタンダードだとかで、現界してあの味を知らないってありえないよねーって言われるとか云々。そら、こっちで現界してた連中も悔しいわなぁ。食いたいわなぁ。
で、維持用と嗜好品で味が違うのを作ったとかなんとか。そういや随分昔にそんな報告があったな。えー、魔石にも味があるんだとか関心しつつ、王命で大量生産やらなんやらコストを低くしてみるようにって思ったら、もうしてるんだそうです。あー、そうですか。
で、何? エルフの連中は文句言いにきたんだろうか。とか思ったら、たぶん普通に精霊を説得か、こっちに永住するだろうって言われる。風男君に精霊さんは説得されてくれるだろうかって聞いたら難しいって言われた。
なんでって聞いてみると、精霊ってのは自分が心地よい場所に優先的に住み着くんだと。人間や妖精が言う使命とかそういうのはないんだって。だから、人工魔石の美味さを知った連中は頼まれても帰らないだろうと。そもそも、精霊の厨だの神霊だのがいるのになんで一人だけ田舎(イメージ的な意味で)に左遷されなあかんの? みたいな。そんな感じらしいです。
精霊が去った土地は大丈夫なん? って一応聞いてみる。いや、あんまりバランス崩れてたらこっちに被害来るかもしれないしなぁ。
で、聞いてみると、山は普通に戻り、森も普通に戻り、大地も普通に戻り、湖も普通に戻るとか云々。えー、普通っていうのは、人間が現在開拓している土地とか、動植物が普通に生育している場並になるそうで。意思のない下位精霊(彼らの行動範囲は狭いし、雑草並の発生力だからこっちを知ったとしても大地がある以上問題ないとのこと)はどこにでも存在してるから、問題ないそうです。というか、そうなるように神霊が世界を整えたそうで、問題が起きても神霊さんを確保している以上、彼らが勝手にどうにかするから俺たちは気にしなくてもよいそうだ。
エルフとかがこっちに来たんは、精霊力の移動を感知する能力が優れてたからだそうです。彼らにとっても精霊さんが傍にいるのは心地よかった。でも大陸の精霊さんが理由も語らずに移住(最悪、名前縛りとかで拘束されるかもしれないから殆ど家出と同じだそうで)しちゃったからとりあえず原因っぽいこっちに行こう云々で。
そういや、国境で異種族だかなんだかの戦士の屍骸が云々って報告があったようななかったような。
ああ、調査はしてたんやね。一応。
で、じゃあ受け入れるような事態にあたっての問題点を聞いて、法とかそんなんで統制できる以前に国の法に従ってくれるかって聞いてみるけど。えー、知能が低い種族もいる? 最悪理解できないかもしれない? 人語を喋れない種族がいるかもしれない? とのこと。
可哀想っちゃ可哀想だが、慈愛以前に自愛が俺の個性です。と、いうわけでえーっと、長耳の人だとかそういうのとの交渉をお願いするように風男君に言う。
交渉が決裂した時点で受け入れは以後拒否。種族単位は可哀想なので一応部族単位にしとこうか。下手に見栄張ったり。武力やらなんやらで交渉に色をつけてくるような連中は面倒なのでパス。自分らは云々で人間とのかんぬんとか言い出して、種族の優位性を持ち出してきたら切ってくれ。こっちも今は忙しいし、人間対亜人とかいう種族間闘争とかいう巨大な国内問題抱えるわけにはいかん。ちゅーか種族で優位とか言ってんならきっとそっちの大陸でも生きてけるでしょう。うちにはそういう人たちいらんよホント。
そういや、エルフには精霊使いがいたから、交渉要員には神霊さんが付与してくれた制服と装備で行ってもらおう。いや、こっちの状況がそれで一番わかるし。むしろどっちが上かって意味でだけど。精霊さん一人消えたぐらいで自分たちの土地捨てるような連中だからなぁ。神霊さん確保してるってわかったら、高圧的で無駄に威圧する交渉はしないでしょう。サラ子さんで忙しいんだからあんまり面倒なのはやめてほしいなぁ。
泣き落としというか、精霊を返してくれって言われたら? いや、そんなら自分でパイプを用意して自分で交渉するように言ってくれ。交渉に成功したなら、流石に主要産業というか、国家の根幹っぽい魔石技術は渡せないが魔石の売買ぐらいは戻る精霊さんとしてもいい。でも、あっちから言い出したらな。売ってくれって頼み込まれたら、秘密ルート使用してそれで売却するように。もちろん高値な。いや、魔石ルートから国の存在を人間諸国に察知されるとか正直勘弁。あと、俺って基本的に精霊さんに甘いけど、自国民じゃない精霊さんには厳しく行くぜー。
そう言ったら王女様(智)にそれは亜人たちに厳しいんじゃないか、とか言われたけど。以前とは状況が違う。前(流浪の人たち)はこっちが請うて来てもらう側だった。で、今度はあっち(亜人)がこっちに来たいって言ってる。そもそも人材が育ってきた以上、こっちにはあっちを抱え込むことのメリットよりもデメリットの方が多い。多種族との共生とか正直どうでもいいし。
基本的に面倒を二つも三つも抱え込みたくないのだ俺は。第一、俺が軽々しく受け入れたとしても共に暮らしてくのは国民の皆なのだから、高圧的な連中はいらんのである。こっちのルール知らないでやんちゃとかされたくないのである。
その上で、最初からこっちに住まわせてくれとか言ってきたり、卑屈ではなく、己に誇りを持ってて、その上でこっちのルールに従うから住まわせてくれっていう連中なら内緒で支度金に色をつけてもいいし。住居も良質なのを優先してもいい。
なんで優遇かって? いや、そういう連中ほどさっさと異国で成長していくのである。もちろんそのぶんでっかい失敗したときに目立つけどな。
ああ、自分の種族を交渉時にやたらと卑下してくる連中はいらんってことも伝えておく。どうせ奴隷時代とか使役時代のあった種族なんだろうが、うちの国民に変な社会病を持ち込んでほしくはないし、うちの国って一応、考えて生きる国なので短期ならともかく長期の生存は難しいだろう。後々そういう連中に支援金枠とかできたら泣くぜ、俺。
と、いうわけであくまで精霊さんがいなくなって困ったとか、生存に困難だからみたいな連中とか。純粋に精霊さんを慕ってうちに来そうな人中心に交渉。交渉の方針はさっき言ったので。高圧的はいらない。(種族的な)弱者思考もいらない。基本的にこっちの法に従うってことも。
最低限、火竜王国の共通語じゃなくても人語を喋れる連中。逆に人語を発音できないのはなるべく除外。もちろん、発音できなくても大多数とコミュニケーションがとれるなら受け入れても構わないと。
ああ、種族的資質で野心的、なんてのはもちろん交渉する必要ないからな。
あくまでこっちで選別。その上で受け入れを決める。そのスタンスで頼む、と告げた。
もちろん俺たちだけで決定して、じゃあ決まったよーとか言うと王女様(武)辺りや角少女にぶっ飛ばされるから、この後会議もしました。
まあ渋ってる連中もいたけど反対はなかった。最初に選別するのと交渉はこっちが一歩も退かないってのが効いたんだろう。たぶん。
なんか久しぶりに王様だなぁ、みたいな視線を感じたけど。どうでもいいっす。
ああ、条件は俺の出したので問題はなかったんだが、支度金とか住居の云々で少しだけ変更があったりした。法律がしっかりしてたから問題がなかったんかねぇ、なんて王女様(智)に言ってみたらすごい喜んでたわ。
七百五十四日目
やっぱり亜人の人たちは移住希望だってさ。とりあえず今まで崇め奉ってた精霊さんの近くの住居を使えるようにする。
で、調査の結果ちょびちょび移住してると普通に死にそうな種族もあるらしいんで、突貫でやってますわ。なんか魔王軍とか人類連合が怪しい連中を片っ端からぶっ殺してるらしいです。もちろん魔王軍も人類連合も女は犯すってさ。
えー、っと、政戦系のエロゲのその他Hシーンみたいな惨状が起きるかもしれんって。とりあえず現在の被害は両者のグレーゾーンっぽいところの人間の村中心、かわいそうに被害にあってる亜人もちょこちょこいるけど面倒見切れないんで見捨ててます。いや、優先的に交渉はしてるけどさ。漏れた部族は運が悪かったってことで。
そもそも俺って神様じゃないし。精霊の護り(えー、なんかそんなので護られてた種族もいるとか云々。あー、今俺にかかってる魔法完全無効もその亜種らしいです。人体改造だから距離関係なく発動だけど)が消えたのは精霊さんに厚遇を与えてなかった部族責任です。俺は悪くねー。
そんなわけでまぁ、こっちに移住してきた連中に挨拶に行くよ。知らない種族を見に行きたかったってのもあるけど。
えっと、エルフ? 違う? 灰エルフ? やや、ハイエルフね。はいはい。うわー、細くて美形な連中が多いなぁ。何ができるって言ったら森を護る? 狩猟? えっと、精霊魔法(上位はこの大陸で使用不可状態だから下位だけだが)? うわ、人間の方がマジ使えるー。とか思ったけど言わない。種族的成長が非常に緩やかさんだそうで、子供でも俺より年上なんだと。で、最初にマジ睨まれたけどニコニコしてたらため息つかれた。こんな奴に精霊さん奪われたんかぁみたいな嘆きです。
まぁ、その後はちょっと地味な交渉。仕事を与えるのは俺より下の人たちだけど、その方針を決めなきゃいけない。つか、俺が交渉やりたいって言ってみたらはいどうぞって感じで回してくれた。
なんかハイエルフってのが、えーっと、伝説っぽい種族らしいですよ云々。
そも移住理由が、精霊さんいなくなったただの森には興味がありません、だからなぁ。故郷の森が泣いてるぜぇっとか思ったけど言わないことにしとったら、なんか見透かされたみたいで、族長っぽい爺に突っ込まれた。その辺話すと、えっと、はぁ、精霊の宿らない森で暮らすのは種族的に苦痛なんだと。護られていた安心感がなくなって不安になるんだと。
ひとり立ちの時期が来たんっスよなんて軽々しく言えない嘆息を吐かれた。で、ここはどうなんだって聞いてみたら。結界のせいで快適なんだと。ああ、なんか少し悔しげというか、納得できなさそうな表情だけど。それはなんとなくわかるわ。テストとかですげー努力したのに、隣の席の秀才が自分より良い点とってたみたいな。自分の点に満足してるけど、となりで良い結果がでてるとなーんか微妙に納得いかんのよねぇ。
で、ハイエルフの皆さんは精霊の扱いに長けてるし、長く生きてる人はそれなりにいろいろできるってんで研究所配置にしとく。木の精霊さんが郊外で植樹の仕事とかしてるらしいからそっちに若い人とかあんまり技能が達者でない人も優先しとこう。
で、他にもハイエルフの里があるって言ってきたけど、既に交渉してみたら断られたってことだけ伝えとく。もう交渉はしないのかって聞かれたから、こっちからはしないよ。でもハイエルフの戦士(何故かっていうと戦闘系以外の人は絶対に死ぬから)が転移の罠を突破して、ゴーレムの森を突破して、広大な大地を疾走しながら光学迷彩ゴーレムを避け、最近建造されてる新たな城壁にたどり着いて、平身低頭で国に入れてくださいって言ってきたら、支度金なしで受け入れても良いとだけ伝えた。
嘆き顔で、我らだけが生き残るか、みたいなことを意味深な顔で爺さんが言ったんだが、いや、在り得ねぇべ。今まで生き残ってきたんだから今後も生き残るだろ。森から上位精霊消えたって下位精霊は残ってるし。交渉の人が言うには非常に優れた戦士もいたらしいです。ああ、交渉決裂の理由は相手が高圧的すぎたから。この人たちはこの爺さんが直々に交渉に出てきたから楽にすすんだっぽい。でも、他のハイエルフの里だかなんだかは戦士の人が交渉に出たとかなんとか。で、人間の治める国にいけるかってさ。
とりあえず、嘆いてたんで自信満々だった彼らの様子も伝えてあげよう。いや、俺さぁ。精霊さん消えて大変になったのって自分のせいかなぁとか薄々思ってたけど、すげぇ安心した。だって精霊さんがいなくなっても変わらず生きてる連中がいるんだぜ。魔王領が隣とか魔王領の中とかさ。死亡フラグ満載だったから即行交渉しにいったんだが、自信満々とかすげぇ。武力に自信がなきゃできねぇよなぁ。わははははは。
元気に生きてるようだし安心しろって爺さんに言っといた。なんか爺さんが涙を流しながら人名を呟いてけど立派に種族を治めてる友達に感激してるんだと思う。
ハイとかついてるし。大丈夫大丈夫。城でささやかな宴もあるし。爺さんも友達に負けずに頑張って種族を治めてくれって激励しといた。なんか友達と違って不甲斐ない自分に落ち込んでるかもしれないからなるべく種族の人たちには自分の個性を発揮できる職場を優先して用意しといてあげよう。
さぁ、爺さん。そんなに落ち込むなよ、人生頑張ればいいことあるぜ!
七百五十八日目
はぁ? ハイエルフ? あんまりに哀れだから? え? なにそれ?
えー、以前交渉が決裂したハイエルフ? だったか。そんな連中の女の子たちが数人だけ保護できたんだって。つか四日で集落壊滅ってどういうことよ。クッソ笑えてくるんだけど。不謹慎かな? 不謹慎だろうなぁということでしかめっ面しとこ。
てかね、続々と亜人系国民が増えてこっちはてんてこまいなんだから既に終わった連中を連れてくるなよって睨んでみる。
風男君に引っ立てられた部下の人(風の精霊さん)は、一生懸命説明してくる。えっと、旧知? 知り合いの娘と友達? で、門番の戦士が交渉役を勝手に追い払ったから交渉があったことすら大部分の人たちは知らなかったんだと。えー、今更そんなこと言われてもって言っとく。で、どこの陵辱系エロゲだって感じでハイエルフが魔王軍に襲われて。エロゲ的にCG回収イベント発生して、で。君が様子を見に行ったら部族が一つ滅んでた、と。はぁー。いや、交渉決裂後は不干渉って決めたじゃんか。
第一、自信満々だったんだから信じてあげようよ。そこの娘さんたちもさぁ。なんかえっと、上手く逃げ切れたんだべ。あとは自力で生きてこうや。うちの国、余裕ないし、忙しいしさぁ。とか正直に告げてあげる。
凄い涙目である。風男君の部下の人も引いてるし。いや、しょうがねぇべさ。忙しいんだから。その、ハイなんたらみたいなことがないように他のとこと交渉してんだから、自分の身は自分で護るって宣言してる人たちに関わってる暇はねーのよ。
って言ってみるけど、精霊さんにお願いしますって頭を下げられたらしょうがない。えー、っと。風男君に頼んで、そこの人を降格、ついでにボーナスなし、にしてもらおう。精霊さんのお願いぐらいは聞くけど勝手なことされたら敵わないわー。
ハイエルフだったかな。そこな娘さんたちもご両親の墓とか作らないといけないべ。つーか、元々住んでた森のほうがいいっしょとか言ってみるけど。お願いします、助けてくださいって感じで頭を下げられた。あー、えっと、風男君の部下に視線を移してみると、なんだ、母親が犯されながら頭からむしゃむしゃされたって。ついでに父親も犯されながら頭からむしゃむしゃされたんだと。
弟とか、妹とか、赤ん坊とかも容赦なくむしゃむしゃ食われたんだと。いや、まぁ、哀れだと思うけど。そんなんいちいち保護しとったらいかんべ。第一、この娘さんたちって何できんでしょ? つか、心の病とかもってそうだなぁ。俺だったら耐えられないぜ。自閉症になるかもしれん。この娘たちも今は自分のために頑張ってるけどそのうち疲れてしまうんだろうなー。ここって、非常に忙しい国だし。心の病を治すにゃ向いてないと思うのよ。
って、思ったんだが。言うわけにもいかない。ついでに唯一のハイエルフの部族は来たばっかりだし、あの爺さんがすげぇ頑張ってるから押し付けたくない。がりがりと頭をかく。うーん。秘書課、かなぁ。下働きぐらいならできるだろうし。ついでに仕事を学んでもらえばいいだろう。容姿は極上っぽいからまぁ、来客用のお茶汲みぐらいならまともにできるかもしれんし。
研究所からはいくら長生きなハイエルフの人たちでもこっちの数世代進んだ研究に関わるには、魔法に熟練した人ぐらいじゃないと無理って報告を受けてるからそっちは無理そうだしな。
やっぱり秘書課のお茶汲みか(城のメイド案は無理。城のメイドはサラ子さんが人事を扱ってた結果。文武両道のエリートコースになっていた)。でも四人もお茶汲みいらんし。
可哀想だが、二人ほど死亡率が(比較的)高くて人員が不足してる諜報に送ろう。エルフで諜報できるかなぁ。まぁこいつら孤児扱いだし族長さんとこの孤児院で問題ないか(族長には死んでも構わない、とだけ伝える。ただ飯も教育もまともにしてやってくれ、とも伝えた。流石に才能の欠片も感じられなかったら別の職を斡旋してやってくれぐらいは付け加えたが)。
あとはその旧友の娘とやらだけ風男君の部下の養子扱いにさせて、と。で、残った一番顔のいいのを秘書課に送ることに。
風男君が相変わらず外道ですねーって言ってくれた。風男君の部下の複雑そうな顔も忘れられん。あと諜報の族長にドナドナされてった娘の二人の顔も(一応、流石に哀れすぎるので諜報でも表向きの方でなるべく働けるようには頼んだが)。
最後に残った一人は角少女に世話をさせる。風男君の部下の減給した分から支度金と今後の生活費をだして、あとはまぁ、俺が少しだしてやろう、っと。
出費がなぁ。いや、まだまだ余裕はあるんですが、あんまり金を出しすぎるのもあれだしね。
そういや、諜報に送ってから気づいた。医局に一人ぐらい送ればよかったかなぁ、とか。
遅いかー。いや、まぁ、二人いれば一人潰しても問題ないとか思ってくれるかもしれんし。とにかく失業者がでないように調整するのがなんとも難しいです。亜人いっぱい来たし、仕事ってあんまり余ってないんだよなぁ。
ちなみに、人間より亜人の方が優れてる場合もあるので、人間の扱ってる職場にはあんまり亜人をいれないようにしています……。
人間って非力だよなぁ、とか呟いたら貴方がそれを言いますかって顔で風男君が見てたけど、無視無視である。
つーか、魔王軍強いよなぁ。人間ガンバッ!!
七百五十九日目
人類連合が再び蹴散らされたんだと。どうでもいいし。ちょっと最近は期待をやめてきた。連弩は一応使ってるっぽいね。面で制圧できる兵器だから騎士より役に立ってるっぽい。
で、小国がひとつつぶれたと。人間側の士気もだだ下がりだとさ。王女様(智)も困ってるっぽい。支援は万全でも自力の差で死んでしまうのである。反乱軍もちっちゃいのは格好の餌食だし。幸い、聖属性を付与してあるからミスリル武具を魔王軍は扱えない。また、自爆装置もついてるから鹵獲されたとしても問題はない。証拠隠滅ついでに何匹かぶっ殺してます。
というか流石にもう余裕がないっぽい。あと、隣国の一部の人がちょっとこっちがてこ入れしてるのに気づいてる。火竜王国やらどっかに勢力がいるのかって疑ってるっぽいね。というか、自分達が何かに生かされてるって感じで疑い出したのかね。まぁ、ちょっと都合が良すぎるモンな、隣国に対して。
で、この国を正確に知ってる人って実はいないんだよ。火竜王国って明確な情報を持ってる人がいないから。神聖王国・魔導王国のときはちょっと焦ったけど、王国の位置、規模、勢力、人材、そんな情報もないしねぇ。
風男君の店とかすごい疑われてるけど、流石に敵対することはないみたい。というか、敵対したくないのが隣国の実状。限りなくブラックな風男君の店を潰すことは敗北決定っぽいもん。そりゃ徴兵しまくって今年は農村からまともに税がとれないことが確定してんのに、ここで風男君が撤退したら明日の飯も食えない有様になるって気づいているのだ。
味がよくて格安で麦やら野菜やらが手に入る。量もきちんとしてる。諸国連合作る前はどっかの国かなぁ、とか疑いつつも利用していたが、各国の状況がわかってる現在は、もう、なんか神がかった存在か。元締めの怪しさに善性を期待するしかない現状である。捕縛? そんなことしたら明日の飯が……。
だから気づいてて、気づいてないふりをするしかできないというか。薮蛇が怖いのだ。隣国は。
もちろん、彼らは自国の60%以上の商店を風男君が握っていることに気づいていない。そんで元・神聖・魔導の地域の80%が風男君の出資している店だってことにも気づいていないのだ。もちろん人類連合に所属している国家も足元の商人の50%が風男君の(ry
対魔王戦の現在、ほとんど無利子で金を貸してくれる商人。原価ギリギリで売買してくれる商人。質の良い武具を売ってくれる商人。確実性の高い情報を教えてくれる商人。
ああ、隣国の王が頭を抱えているのが目に見えるようである。俺は風男君が部下だから安心しているが、彼は夜も眠れないのではないだろうか。恐ろしい外敵に、得体の知れない支援者の存在。
そうして、そんな苦痛の中にあっても魔王には勝てないのだ。彼の精神を想い、黙祷を少しだけした。
ああ、ちなみに隣国の王は傑物であるし、戦上手ではあるが、貴族というか基本の考えが王族中心というか、実力主義は認めてるけど血統主義寄りっぽいらしい。だからまぁ、どちらかというと土地依存。戦略は速さ重視の人だったのである。そんでまぁ、商人の自治に任せて、美味いところをとってたんだが、流石に魔王戦では真面目に負けている云々で。政治の弱かった部分が露呈してるとかなんとかである。
ああ、そうそう。前に起こした内乱はちょっと後悔してる。というか、俺。魔王軍を舐めてた。舐めきってた。隣国が内乱起こしたせいで対魔王戦で役に立つ優秀な人材が喪失したっぽいのである。記録を読んだ王女様(智)がジト目で見るからあの時はあれがよかったんだよーとか言ってみるけどため息つかれてなんとかしますよ主様って言われた。感謝である。
とりあえず対処法として、戦力増強案を出してみる。怪しい商人ルートで壊滅した亜人種族で生き残った連中を傭兵として纏め、王国に紹介するのである。藁にもすがる思いで隣国の王はきっと手を出すだろう。人材不足、戦力不足の現在。農民の男手はどんどん取られてる。あと、山賊とか出てるけどうちでちょっとは処理してあげてます。殺さないで交渉して、傭兵化して隣国に送ったりしてる。
でも弱いのを戦場に送ると魔物に食料支援してるようなもんなんだよなぁ。触手プレイですよ。触手プレイ。
あー、と一休さん並のとんちでもないかねぇとか思ったけどあれってただの誤魔化しだから現実的な実行力に欠けるんだよなぁ。いや、論理の無い暴力に弱いという点でではあるが。プライドの高い、真面目な相手には強いんだぜ。アレ。
とりあえず、交渉の断られた種族に商人ルートで接触して傭兵化してもらうか、隣国に亜人の位置を教えて保護を理由に取り込んでもらってもいい。もちろん、俺たちが集団生活には向かねぇって確認した連中であるから面倒だとは思うし、軍に組み込むのはある意味自殺行為でもある。ただ、うちの国は国民を重視するから問題になるのであって、隣国の政治方式は基本、下位を虐げて、上位に吸い上げるタイプだ。だから人質でもとりゃ少しは言うこときくし、名前縛りを強要してもいい。何のために元神聖王国の人材を流しているか忘れてもらっては困る。
たぶん人道に背く行為を嬉々として隣国の国王は行なってくれるだろう。というか、してくれ、魔王軍を弱らせてくれ。頼むから。とか思いつつ、今日も今日とて指示を出すのである。
ああ、王女様(智)がちょっと罪悪感感じてたっぽいから俺のせいにしていいぜって言っといた。もちろん俺が罪悪感なんぞ感じるわけもなく。サラ子さんを思って憂うだけである。
サラ子さん、無事だといいんだが……。
七百七十日目
あらかた種族を取り込みました。仕事も問題はないっぽいが。でかい祭りを一発ぶちたてといた。国境の向こう側とまるで違う盛況ぶりである。隣国? 城下町が死んだような雰囲気だそうです。農村も時々盗賊集団に壊滅させられてるって。そりゃ自衛できねぇもん。男手はいないんだから。ついでに護ってくれる人もあんまりいないしねー。
そんな状況の中、うちの国民ははしゃいでおります。わはは。情報が伝わってないからそんなもんだ。黙祷? 知らん。そんなもん知らん。
大陸の混乱ぶりに関わらずうちの国は盛況である。最初は戸惑っていた多種族の人々もどんどんなれてきてるし。今はお互いに酒を酌み交わしあってたりする。
ああ、一応。ファンタジーで基本的に人間寄りだった連中は受け入れ可能だったっぽい。稀少とか言われてるのも人間寄りは多少は。まぁ結構交渉は決裂してるから、今後は隣国の手足確定だろう。盾役ご苦労様。南無です。
ちなみに交渉時に呪縛の魔法を使ってるから、交渉ルートから漏れる線はないです。ただ多少は人目に触れてた種族もあったから隣国にはやっぱり疑われてますよー。
ちなみに、受け入れた種族とか、国民たちは魔王の脅威を知りつつもわが国も参戦したいとか言ってこない。いや、流石にここまで国の存在を秘匿してりゃ国民も俺の方針を理解してるだろうし。ホウ統や騎士君たちもそろそろ理解してくれてる。ここで参戦したら後々大変面倒だと。
もちろん魔王が喧嘩売ってくるなら鎧袖一触だ。だが、売ってこないのに買うのはいかんのである。ついでに売りつけるのも却下である。大陸統一? いや、面倒ですからしませんよそんなの。
ただ、義勇軍を作ったから行かせてくれっていう申し出が結構前に一度あった。行きたいなら構わんが、国家は一切サポートしないし、お前らがここの存在口にしたらまずいんで、記憶ちょっと飛ばす。あと魔王倒すまで帰国できんよって言ったら、二度と口にしなかった。って、根性無しだなぁって思った。そんときにリーダーっぽい男がおどおどしながら、軍を使わないのかって聞かれたから、魔王が攻めてきたらなって答えといた。
ちなみに義勇軍志願の連中は仕官学校に入学した。半分ぐらいが入学してすぐに元の職に戻った。
七百七十二日目
ああ、ついにサラ子さんが大海原へ向かったらしい。神霊石最後の一個だそうです。ついでにあらかた神霊も召喚したから民衆の国への忠誠度がやばいほどあがってます。あと、なんだ。空に浮く精霊車とか、あからさまに形の近未来的な建物とかが出来始めた。
なにこれー、とか思ったけど、神霊さんの作る不思議金属が王城にも使われ出してる。魔法完全反射? 反射? マジ? 昔、ゲームで即死魔法使ったら反射されて死亡したのが記憶にある。その反射か? つーか、国境の新しい城壁はとか思ったら平行して作ってるんだと。ああ、あと俺に新しい武具が届いた。鎧一式に剣が一本。不思議金属でできてるんだそうで、魔王の無敵障壁貫通だって。あと神霊さんの付与がかかってるとか。ああ、一体ほど不思議金属製の機動兵器もできたとか。一応見てきた。黄金? 成金だこれすっげー成金だ。かっけーっす。ああ、黄金色なのは単純に趣味であって、色も塗装しちまえばなんでも色変えられるんだと。だから国境の城壁は黒なー。黒城壁。
あと、うちの機動兵器って赤で色を統一した赤備えとかもあるんだぜ。武田最強! 馬っぽい機動兵器も作る予定よ。
ギャグで複座にしとけーって言ったから火気管制に精霊さん、操縦が騎士君みたいな真似もできるらしい。俺も免許持ってるからサラ子さんと一回だけ乗ったことがある。
楽しかったなぁ。ああ、今は王女様(智)がパートナーっぽいので、俺がもし出撃すんなら彼女が管制やるのよ。つーか基本的に火器管制は情報処理に長けてる人がやるので頭がよくて判断力とかがあれば誰がやってもいいのです。
趣味だが。つーか、誰が好き好んで戦争なんか行くんだかねぇ。
と、いうわけで国内が混沌としてきた。そのうち火竜王国が浮遊するんだろうかという不安だけがある。いや、ねぇよなぁ……。
あとで美人さん(貧乳)に理論的にはできるとか言われた。まぁ、完全に引きこもるならいいかもしれんって呟いた。
あれ? でもそしたら俺逃げられない? いやいや、サラ子さん帰ってきたら退位退位。
王位を譲るぜって心の中で叫んでから仕事に戻ることに。
召喚? 今日もしてます。つーかそろそろ精霊界の上位精霊さんがいなくなるっぽいね。
七百七十六日目
はい。終了です。おしまいです。終わりです。召喚が終わりました。精霊界には上位精霊がいなくなりましたー。
つーか精霊界ほっといていいんかよとか思ったけど。神霊さんたちはこっちからでも調整できるとか、あと基本的に上位精霊がいないだけでこまごまとしたものはいるから問題ないんだと。
へー、って思ってその話は終了。あとは名前縛りで使役されてる連中とか、古の武具に封じられてる連中ぐらいだとさ。岩本さんがご苦労さんとか言ってきたのでまぁ二人で静かに祝杯をあげることに。
あー、結局万単位で召喚したなぁ。こんなに召喚したのは俺が始めてだろうとだけ偉そうに言ったら。肩を叩かれて何故かお礼を言われた。よくわからんけど、まぁ、地味に嬉しいので受けておくことに。
で、ちょっとだけ今後のことを話す。たぶんサラ子さんが帰ってきたら旅に出ることを。時々帰ってくるし、従者というか情婦というか、部下の娘ができたので岩本さんはこっちにいてくれて構わないとのことも。
サラ子さんについては魔王を倒して帰ってくるならもう心配はないだろうし。俺の後は国民が護ってくれる。英雄と政治家が違うことは知識層は知ってるけど統治者としてのサラ子さんを望むなら街のひとつも与えてあげられるように取り計らえばいいだろう。
そんなことをつらつらと話す。
サラ子さんを傍に置かなくていいのか、とだけ聞かれたけど。俺は嫌われてるって泣きそうな気分で言っといた。
何故か呆れた顔で見られたが、俺の腕を食うほど嫌われてるんだぜ。もう確定だろうさ。
で、辛くないのかーって聞かれたけど好きだから、しょうがねぇべ、みたいな感じで答えといた。
うん。しょうがないよなぁ。好きなんだから。
で、最後にサラ子さんが荒れたらお前が抑えろよって言われたけどわけがわからなかった。
寄った勢いで王女様(智)と夜を共にする。
二回目なのに、凄かったです……