プロローグ
前回は間違えて短編にしてしまったので、改めて連載として投稿しました。
「黛兎先輩!!好きです!私と付き合ってください!!」夏休み前の蒸し暑くなる少し前、部活の帰り道で舞姫柚綺は2つ先輩の鬼塚黛兎に想いを告げた。ひどくストレートに。
「え…!柚綺ちゃんの気持ちは嬉しいよ。実際、俺も柚綺ちゃんのコト少し気になってたってゆうか…。でも、ゴメン、君とは付き合えない。俺、彼女いるから…」
「知ってましたよ、先輩に彼女がいるコト。」
柚綺は表情1つ変えずに言った。
「え…、だったら…」
「先輩が、私の彼女になるんなら、問題はないですよね?」
「えぇっっ!!?どーゆーコト!?」
驚く黛兎に、柚綺はすまして言う。
「だから、私が先輩の彼氏になって、先輩が私の彼女になるってコトです。それなら、先輩は二股にならないでしょ?」
「いや、それはちょっと意味わかんないんだけど…」すると、柚綺は悲しげな顔をして黛兎の顔を覗き込んだ。
「先輩、私のコト、嫌いなんですか?」
柚綺は泣き出してしまった。
「あっ、え、大好きだよ。だから、俺の彼氏になって!」
女の子の涙に男は弱い。―はっ!?俺何言ってんの!?
黛兎は、OKをしてしまった自分が情けなくなった。
責任を取るコトができるか、心配で仕方がなかった。
落ち込む黛兎だったが、「やったぁ!ありがとうございます!!」と喜ぶ柚綺の姿を見て、表情を和らげた。
「まぁ、カワイイ彼氏ができたからイイか。」
二人は西に傾く太陽が照らす道を仲良く歩いていった。
黛兎のこの決断がどれほど重大なコトになるか、まだ誰も知る余地もなかった。
《プロローグ・終》




