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詩集:女性シンガーの3

愛がために

作者: 歌川 詩季
掲載日:2026/04/22

 私でも、たまにはこんなタイトル。

 緞帳(どんちょう)(さえぎ)られた

 未来に目を()らすでもなく

 枡席で幕の内を(ほお)張れば

 (さび)れた劇場だけどうってつけ

 売り()の尻を未練たらしく追ううちに

 すっぽかされた演目も忘れた


 結ぶだけ結んだ約束が

 あたしの小指を千切って持ち帰ったけど

 取り戻す手立てを()るでもなく

 呑気に構えて過ごせば

 傾いた夕陽(ゆうひ)に色褪せが(まだら)をつくる


 愛がために燃える炎があるのなら

 焦げついた燭台(しょくだい)になりたい

 想い(のこ)しかのように冷え固まる(ろう)(よご)れても

 ()がしてやる爪は折れた(まま)



 沈黙で(ふさ)ぎ込んだ

 質疑になど応答はなく

 雛壇に誰ひとりもあがらずに

 小洒落たジョークがうけてご満悦

 振り子の糸は願い虚しくほつれゆく

 賭博が(たた)り種銭を()かして


 渡すだけ渡した(から)手形

 あたしの果実を()いでは持て余すけど

 取り立てる期日が定まらずに

 途方に暮れてちゃ駄目だわ

 型落ちのモデルを差し押さえ二束三文


 愛がためにひとが世界を(まわ)すなら

 凍てついた扉にも鍵穴

 使い減らしないように満ちて(あふ)れる夢に溺れても

 息継(いきつ)ぎさえ今は惜しんでたい

 でも、いわゆるラヴソングでもなし(笑)


挿絵(By みてみん)

制作:ひだまりのねこ先生

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