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黒き神と、願いの星  作者: 相田 依人


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第六章

 目を開けると、白い天井が見えた。


 薬品の匂いが、わずかに鼻につく。


 病室。


 身体を起こそうとして、点滴を打たれているとわかった。


 頭痛が酷い。


 零は、ナースコールのボタンを押した。


 すぐに、看護師の女性が部屋に入ってきた。


「東雲さん、気がつきました?」


「はい…。今日は…何日ですか…」


「11日よ。昨日運ばれてきて、今まで寝ていたのよ」


 看護師はバイタルを確認していた。


 零は腕時計をみようとするが、時計は外されていた。


 「今、13時20分よ。何か食べる?」


「ありがとう。けど…今は食べたくないの…」


「そう…。何か欲しいものはない?」


「宮岡という男性は、どうしました?」


「宮岡さん…?東雲さんと一緒に運ばれて来た方の中に、宮岡さんという人はいなかったと思うけど…」


「そう…ですか…」


 零は目を伏せる。


「隊の方には、こちらから連絡を入れておきますから、もう少し休んでいてください」


 看護師が、零の身体に布団を掛ける。


「わかりました…。お願いします…」


 看護師は部屋を出て行く。


 一人になった零は、宮岡が気になって仕方なかったが、今は、宮岡の回復を信じるしかなかった。



 また…助けられた…



 零の脳裏に、もう一人の男の映像が浮かぶ。


 黒いジャケット。


 宙に浮く感覚。


 そして…


「星が泣いてるぞ」


 零は、胸の中に小さなとげが刺さっているのを感じながら、眠りに落ちた。


 どれくらい寝ていただろうか。


 零が目を開けると、上司の加藤がベッドの横に座っていた。


「起きたか…」


「中隊長…」


 起きようとする零を止めながら、


「無理はするな。」


「中隊長…宮岡は…」


 零は気になっていたことを尋ねる。


「宮岡は無事だ。しかし…異能を使い過ぎていて、しばらくは入院になるらしい…」


「そうですか…」


 零の胸に安堵と、新たな不安が生まれる。


 特異隊に入ったばかりの頃、異能者についての座学で、異能の源泉には限りがあり、枯渇する可能性もあると聞いた。


 異能については、大部分が解明されていないため、あくまでも可能性だがと付け加えられたが…。


 加藤が


「今は、ゆっくり休め。それが仕事だ」


 と言ってくれた。


「あの…」


 零は、思わず口にする。


「何だ」


「あの…。黒いジャケットの男は…」


 加藤は、ため息をつく。


「それな。今回も現れたらしいな…」


「はい…」


「…また、消えてしまったよ。」


 加藤は苦笑いをする。


「全く…困ったヒーローだよ。少しは、こっちの都合も考えてくれって話だ…」


「はい…。あの…私の戦闘服は…」


「戦闘服?装備課が洗ったんじゃないか?何か気になることがあるのか」


「ハンカチが…」


 零は言いにくそうに言う。


「ハンカチ?」


「はい…大切なハンカチを入れていて…」


「行動中は貴重品は、所持してはならない筈だが…」


「申し訳…ありません…」


零は項垂れて言った。


「後で装備課に聞いておく。今は休め。いいな」


「はい」


加藤はたち上がると、


「報告書に何て書くか…。頭が痛いよ…」


 と苦笑いを浮かべて退室した。


 零はベッドに上半身を起こしたまま、夜空にまたたく星を見つめた。


 お読みいただき、ありがとうございます。

 この話は、何十年も前から、温めていたものです。


 時間潰しに読んでいただき、

 「面白い」

 と、思っていただければ、嬉しいのですが。


 また、コメントの代わりに「◯」、「△」、「✕」でも構いませんので、評価していただければ幸いです。

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