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第4話 華のハイスクールライフ!

 私、城ヶ崎(じょうがさき)佳人(けいと)、女子高生!

 この平和な世界を謎の宇宙人の侵略から守るため、魔法少女となって戦うことをついさっき決意したのでした。

 その後、私を変身させた相棒ロボットの事後説明が長かった所為で入学式初日から遅刻しそうになりながらも、無我夢中で走って何とか始業式には間に合いました。


 謎のロボット……と、いつまでも言っていられないので。

「ねぇ、あなたのことはなんて呼べばいいの?」

(僕には名前も型式番号もない。君が好きに呼ぶといい)

「じゃあ……」

 初めて逢ったときのビジュアルが頭に浮かんできた私は彼(そもそも性別はあるのかしら?)を夕焼けの緋色『ヒイロ』と名付けました。

 そしてもう一つの問題。いつも独り言を呟いているJKって端から見てヤバいよね。ヒイロが言うには

(君が頭の中で思考すれば、僕の思考が君に直接伝わっているように、僕にも君の思考が伝わってくる)とのこと。

(えぇー、そしたら私がお腹すいた〜って思ったらそのまま伝わるの?)

(君の思考は常に僕へ流れてくる。もしそれが困るのであれば君が恒久的な指令として思考の切り分けを明示すればいい)

(つまり? どういうこと?)

(例えば〝ここ〟から〝ここ〟までと宣言する等だ)

(じゃあ、私がヒイロに呼びかけたら会話? というより念話スタート、それ以外の時は勝手に私の頭の中を覗いちゃダメーッ!)

 こうしてヒイロとの念話は私が心の中で彼を呼びかけてから始まることとなった。


 退屈な始業式の最中、ヒイロに侵略者達について色々聞いてみた。

 でま沢山聞いたけど、正直よくわからなかった。世界が侵略されようとしているって、いきなりそんなこと言われて「ハイそうですかー」ってならないよね。

 そんなことよりも今の私の関心事(かんしんじ)は、同じクラスに友達になれそうな子はいるかな? とか、そっちの方が百倍大事。

 もしかしたらクラスメイトの中にこれから私と一緒に魔法少女に変身してこの世界を守っていく仲間がいるかもしれないでしょ? とか。そんなことばかり考えてました。


 始業式が終わり体育館から、期待や不安が入り交じってざわつく教室へと移動した私は教卓の上に置いてあるプリントを手にとって、そこに書かれている席順表から自分の名前を探した。プリントに示された席を先頭から一つずつ数えながら進むと何故か私の席に先客がいた。

「あれ?」「え?」プリントと机を交互に見て確認している私に気付いた女の子も、牛乳瓶の底みたいな分厚い眼鏡を鼻先へずらしてプリントと席順を見直す。

「ゴゴ、ゴメンナサイ」眼鏡をずらしたまま三つ編みお下げ髪の女の子が慌てて立ち上がり、机の上に広げていた筆入れと鞄を持って一つ後ろの席へと移動する。その様子がまるで漫画みたいで可笑しかった。

「ふふっ。私、城ヶ崎佳人(けいと)。あなたは?」

「わ、私、城之内瑠璃(ルリ)。席間違えちゃってごめんなさい。見ての通り目が悪くって」そう言って眼鏡の真ん中、ブリッジをくいと押さえてずれを戻す。

「城之内さん、黒板は見えるの? 先生来たら席替わってもらう?」

「眼鏡を掛けてれば大丈夫、黒板は見えるから。近くは見えにくいんだけど、前の方の席だと両方とも見えにくくなっちゃって。城ヶ崎さん優しいんだね。あと、ルリでいいよ」

「私もケイトでいいよ、ルリちゃん」

 すぐ後ろの席がルリちゃんで良かったかも。万が一にも首の後ろにくっついてる変身アイテムが見つかっちゃうと大変だし。


 ルリちゃんと他愛もない話をしていると担任の先生がやってきた。

 四角い眼鏡を掛けたちょっと恰幅のいい普通のおじさん先生。かっこいい先生だといいなぁって、実は少しだけ期待してたんだけどね。

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