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第0話 世界(日本、市町村担当)救っちゃいます!

 目の前に立ちはだかる敵戦闘員の群れを前に改めて自分の姿を確認する。


 艶やかな光を放つホルターネックのハイレグコスチューム、(あらわ)になった(様に見える)肩に太腿も、(おおよ)そ戦闘には向いていなさそうな膝上まである脛当て付き編み上げピンヒールブーツに(けん)パッドが付いたロンググローブ。思えばこの出立(いでたち)に恥じらいを感じていた頃も確かにありました。

 だけど今や私の脳裏に恥ずかしいなんて感情は微塵も存在しない。頭の中にあるのはただ一つ! この街を、この國を、ひいてはこの世界を守り抜くという使命感のみっ!

「レイヤーオン!」

『メガンテレオッ』私の掛け声に反応しチョーカーから声が響く。同時に首の後ろにあるクリスタルから無数に薄茶色の体毛が飛びだしていき、艶やかなコスチュームはあっという間に剛毛に覆われていき、密集した毛は表面を埋め尽くすとまるで金属の様な表面に変容していく。もはやロンググローブと言うよりはガントレットという程に厚みを帯びた(こぶし)の先からは象牙色の長く太い牙状のブレードが両腕に二本ずつ伸びる。私の可愛い可愛い素顔を隠してるマスカレード型ヘルメットも牙と毛皮で装飾される。


 並み居る戦闘員達の真ん中、私の地道な活躍のおかげで残るは数名となった敵幹部の一人が仁王立ちしている。そういえばあいつ名前なんて言ったっけ?

 まーずは、ひとっ飛びアイツの頭上へとジャンプして着地(ざま)に必殺の一撃を喰らわして倒す。いきなりリーダーがいなくなって怯む雑魚どもを次から次へと蹴散らしていく! これが昨晩読んだヤンキー漫画で学んだ喧嘩必勝法!

「いくわよ! 覚悟しなさい!」

「ちょっ、ちょっと待って、ケイト!」

 ふよふよと宙に浮いて頭上から私を呼び止めるのは相棒ロボットのヒイロ。

「な、なーによ! これからって時にっ!」

「僕の分析によると今のフォームだとまだアイツを倒せないよ」

「えぇーっ? だって前回アイツが逃げ帰って行くときに分析したでしょ? メガンテレオ(このフォーム)なら余裕で勝てるって……」

「アイツ前よりも合成獣の数が増えてるんだ」

「今のアイツの戦闘力よりも上回るフォームは?」

「えーっと、スミドロンならケイトの腕力でギリギリ上回るかも」

「……お・い・く・ら?」

「今のフォームの進化形だからぁー……」と見せられた電卓の数字に嘆息(たんそく)を漏らす。

「あーもうっ! あそこの雑魚達何人倒せばいいのよ」言うや否やネコ科の脚力で飛び出す私。

 結局、ひとっ飛びにジャンプした着地点は雑魚戦闘員達のド真ん中。飛び降りた時に踏み潰した戦闘員が足元で霧散する。両腕を伸ばしてその場で回転すると二〜三人の脚を長い爪で斬り落とす。両脚を失ってだるま落としの様に落ちてくる胴体と頭部を続けて斬り刻むと戦闘員B〜Dは霧となって消えていった。


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 いつものようにヘルメットの中で無機質なシステム音声がこだました。

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