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Constellation Knight 〜私達の星春〜  作者: Remi
4節 科学館での出会い

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第055話 先輩流石

 戦いが終わった俺達3人は、科学館の屋根の下に入ってギアからプレートを抜き取る。


 すると星鎧と青い光を放ちながら消滅していく。

 少し遅れて、ギアも同じように青い光を放って俺達のお腹から消えた。


 今いる科学館は俺の家から距離があるが、今日もギアは無事にも返送されたようだ。


 そこに「お疲れ」という言葉と共に、華山はなやま 智陽ちはる見鏡みかがみ 望結みゆ先輩がやってきた。


 由衣が「智陽ちゃんありがと〜!」と返しながら、タオルを受け取っている。


 ……どこから出てきたんだ、そのタオル。


 しかし、それよりも優先して聞くことが合った。


「それで、盗まれたものは何だったんだ」

「それが……荒らされてはいたんだけど、わからなくって……あれ?望結先輩のお父さんは?」

「他の学芸員と一緒にもう1回確認に行った」


 わからない……普通の人間にはわからない感じだろうか。


 そんなことを考えながら、とりあえず「そうか」と返事をする。


 そして俺にもタオルが渡されたので、あちこちを拭き始める。

 一度星鎧が消えたときにかなり濡れてしまった。


 ……それより、これだけの騒ぎになると警察が来るよな。

 ここは星雲市ではない。怪物騒ぎなんて知らない警察官が来るだろう。


 ……丸岡刑事に連絡を入れたほうがいいかもしれない。


 そう考えていると、タオルで自分の身体を軽く吹いている志郎しろうが「なぁ」と口を開いた。


「俺、さっきから見鏡先輩が何も言わないのが怖いんだけど……」


 俺と由衣ゆいはほぼ同時に見鏡先輩を見る。


 見鏡先輩は俺達をじっと見ている。

 しかし、焦点が合ってない。何かを考えているようだ。


 そんな見鏡先輩に由衣が近寄って「あの〜……見鏡先輩?」と話しかける。


 すると「あ、ごめんね?」と口を開いた。

 ようやくこちらに意識が戻ってきたようだ。


「ただちょっと……色々信じられなくて……」


 それはそうだろう。


 だから魔術や魔法、神遺しんいは秘匿されているんだ。

 一握りの人間しか使えない力。「その存在が表沙汰になれば、社会は確実に混乱するだろう」それが協会の見解だ。


 だからできるだけ、神遺に該当する星座の力や堕ち星、あと澱みについても知ってる人を減らしたいんだが……。


 しかし、俺の考えとは反対に既に由衣は見鏡先輩へ説明を始めていた。


☆☆☆


「つまり……みんなは怪物と戦っていて、その力の元が星座の力。

 だから今日は『星座について知れば戦いの役に立つと思ってここに来た』……と言うこと?」


 見鏡先輩の言葉に、申し訳なさそうに「そうなんです……」と呟く。


 結局、由衣はざっくりとだが全て話してしまった。

 困った俺は無意識に右手を額に当てる。


 だがまぁ……本当にざっくりとしか話していない。

 ギアや星鎧、星力についての細かい話はしていない。


 そこで俺は、「由衣に協会など全てを話してなくて良かった」と安心感を覚えてしまった。


 それに話してしまったものは仕方ない。

 記憶消去の魔法なんて俺には使えないからな。


 そして由衣は「嘘ついてごめんなさい!」と頭を下げている。

 しかし、見鏡先輩は「謝らなくて良いから」と言って、由衣の両肩を掴んで姿勢を戻させた。


「まぁ……確かに驚いたけど、そんな嘘では怒らないよ。嘘には誰かを守るための嘘だってあるもの。それより私は、星座の力で誰かを傷つける事のほうが許せない。

 だから私、何もできないと思うけど応援はしてるから」

「望結先輩……!!

 あの!先輩さえ良ければ、これからも星座について色々と教えてください!」


 由衣のその言葉に、見鏡先輩の顔に笑顔が戻った。

 そして「もちろん!」と嬉しそうに答える。


「私で良ければいつでも力になるよ!」

「やった〜!!あの、望結先輩!友達登録してください!」

「もちろんよ!」


 そんなやり取りの後、由衣と見鏡先輩はスマホを触り始める。


 戦った直後だと言うのに元気だな、由衣は。

 今日の戦闘時間は短く、消耗が少ないからか?


 ……いや、からす座は強敵だった。

 由衣だって少し負傷していた。



 ……由衣は、俺が思ってる以上に強いのか?



 元気な由衣を見ながら謎の考察をしていると、志郎が「というか真聡まさと」と話しかけてきた。


「これ、どうしたら良いんだ?」


 そう言いながら手に持っているもの俺に渡してくる。



 それは、先程回収を頼んだプレートだった。



 ……そういや、受け取る前に華山と見鏡先輩が来たので後回しになっていたな。


「これ、プレート……だよな?」

「そうだな」

「何座だ……?」


 志郎のそんな疑問に、俺はすぐには答えられなかった。


 48星座までなら、星の並びを見ればだいたい予想ぐらいはできる。

 しかし、それ以外になると流石に調べないとわからない。


 俺は調べるために、ポケットからスマホを出して調べようとする。


 しかし、それよりも早く由衣と見鏡先輩がやってきた。


「これは左から六分儀座、八分儀座、そして望遠鏡座ね」


 さらっと答えた見鏡先輩。

 スマホにも同じ答えが表示されている。


 ……見鏡先輩の知識、本当に恐ろしいな。


 志郎も同じように「先輩流石っす……」と呟いている。

 続いて、華山が「つまり……」と口を開いた。


「全部何かしら天文に関係のある星座……」

「そういうことね」

「……六分儀と八分儀ってなんですか?」


 首を傾げながら、由衣が聞き返した。


 ……まぁ、六分儀も八分儀も普通に過ごしていたら馴染みのない名前だよな。

 きっと、俺も星座の神遺(この力)を手にしていなければ、知らなかっただろう。


 しかし、話は俺を置いて予想外の方に進んでいた。


「両方とも実物が展示されてるはずだから……見に行く?」

「はい!行きます!……皆は?」


 俺達3人は顔を見合わせる。


 俺は別に見に行く必要は無い。

 それより、警察などの対応をしないといけない。


 ……いや、ちょうどいいか。


「3人は行って来い」

「まー君は?」

「俺はすることがある。3人は先に帰っててろ」


 しかし、由衣はこの提案は嫌らしく「え、いやいや!私達もついて行くよ?」と反対してくる。

 志郎も同じように「お前だけに任せられるかよ」と言ってる。


 だが、付き合わせるわけにもいかない。


 俺は「いや、いい」とだけ返して、見鏡先輩の方を向く。


「見鏡先輩、すみませんが3人をお願いします」


 そう言った後、軽く頭を下げる。


「い、いいけど……陰星君はそれでいいの?」

「はい。お願いします」


 その言葉の後。「じゃあ……わかったわ」と言って、見鏡先輩は志郎と華山と一緒に由衣を連れて科学館へ入っていった。

 由衣と志郎の文句を、響かせながら。



 その背中を見送った後。

 俺は電話帳から、登録してある丸岡刑事の電話番号を画面に表示させた。

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