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Constellation Knight 〜私達の星春〜  作者: Remi
第1章 1年生  1節 再会
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第004話 鎧人間の正体

 注文した飲み物を受け取り、おしゃれな店内の席に座る。


 ようやく落ち着けたところで、私は「いやぁ……」と口を開く。


「いやぁ……お恥ずかしいところを……お見せしました……」

「気にしなくていいよ。小学校からの付き合いなんだから」

「それも……そうだね」

「それより、私の分は自分で出すけど」

「いいの!これは付き合わせたお詫びだから……」


 まー君に突き放され、行方を見失ってしまった私達。

 私達はそのままの足で有名コーヒーチェーン店に移動して、お茶会をしている。


 その理由は私が「付き合わせたお詫びに私が出すから寄っていこ!」とひーちゃんを引き止めたから。



 でも実際はまー君に酷く拒絶されたことがかなりショックで、ひーちゃんとまだ一緒にいたかった。


 あと改めて、ひーちゃんに巻き込んだことを謝りたかった。

 「親しき中にも礼儀あり」だもん。



 でも……。



「……やっぱり、せっかく再会できたんだからまー君もいたら良かったのに」

 

 落ち着いて一息ついたからか、思わず本音が口から漏れてしまった。

 それを聞いたひーちゃんはため息を付きながら言葉を返す。


「それは諦めたほうがいいと思う。あいつはもう、昔のあいつじゃないよ」

「そうかもしれないけど……」


 わかってはいる。

 わかってはいるんだけど、私の中には諦められない気持ちがあった。


「でもさ、まー君。なんて言ったらいいかわからないけど……辛そうじゃなかった?」

「いや、あれは怒ってるだけじゃない?理由はわからないけど」

「そう言われると……そうなのかな……」


 わからない。まー君はなぜ、私達を拒絶するのか。

 なぜあそこまで怒っているように感じるのか。なぜ私はそんな彼を見て「辛そう」と思ったのか。


「どうしても諦められないなら少し日を空けてからにしたら?なにか原因がわかるかもしれないし」

「……そうだよね。きっと明日また行っても、また言い合いになるだけだよね」

「きっとね。

 この話題はおしまい。で、由衣は友達できそう?」

「で、できるよ〜!それを言うなら、ひーちゃんの方が心配なんですけど〜!」


 そこからは暗い話題をやめて、クラスはどうとか、部活はどうするなどの普通の話題を話した。


☆☆☆


 夕日が綺麗な時間になってきたので、「そろそろ帰ろっか」とお店を後にする。

 「時間が合うときにまた来ようよ!」なんて話をしながら、私達は家の方向へと歩き出す。



 そのとき、駅前に人の悲鳴が響いた。



 私は反射的に悲鳴が聞こえた方向に視線を向ける。



 そこには、昨日と同じ泥人形が人を襲っていた。



 泥人形、鎧人間。

 昨日のことは夢でも幻でもなんでもなかった。やっぱり現実だった。



 じゃあ、あれは一体なんなのか。



 そう考えていると、ひーちゃんが私の手を強く引っ張っていた。


「何してるの!逃げるよ!」


 私はその一言で我に返る。



 そうだ、逃げなきゃ。



 私達は走って、少し離れた建物の陰に隠れる。



 そこで一休みして、とりあえず走って上がった息を整える。


 私は、昨日から考えてたことをひーちゃんに聞いてみる。


「あれってさ、何なのかな」

「わからない。でも、関わらない方が良いことは間違いないでしょ」


 ひーちゃんが言ってることは正しい。


 人を襲うようなものに関わるのは間違ってる。それくらいわかってる。

 でも私は、どうしても気になってしまう。



 泥人形が何なのか。

 鎧人間が何なのか。



「ここはバレてないみたいだから帰るよ」


 そう呟いたひーちゃんは泥人形がいる方向と反対側に歩き出す。



 でも、私は。



「私は…帰らない」

「何言ってるの」

「だって気になるんだもん!スマホで調べても出てこないし!」


 ひーちゃんと目が合う。

 しかし何も言ってくれない。



 数秒後、ひーちゃんはため息を付いた。

 そして口を開いた。


「わかった。でも本当に危なくなったら、引きずってでも帰るからね」

「えっ……ひーちゃんは帰っても……いいよ?」

「由衣を危ないところに置いて帰れない」

「えっと……ごめんね?」

「いいよ。いつものことだし」


 私は苦笑いをする。

 そして、2人で建物の陰から顔だけを出して様子を窺う。


 すると昨日の鎧人間が既にいて、泥人形達と戦っている。


 今日の鎧人間は右手に杖のようなものを持っている。

 昨日は持ってなかったよね。


 他にも昨日との違いはあって、戦いの中には虫が人の形になったようなものもいる。

 どうやら鎧人間は泥人形と虫人間の両方と戦っているみたい。


 虫人間の動きは素早く、鎧人間は少し押されている。

 だけど、鎧人間も負けていない。

 地面や壁から植物を生やして虫人間を捕まえようとしたり、向かってくる虫人間を地面から壁を作って防いだり、杖の先から火を出したりして反撃している。


 泥人形は鎧人間の虫人間への攻撃のついでのように消滅させられていった。


 そんな状況がしばらく続いた後、虫人間はどこかに行ってしまった。

 その頃になると泥人形はもう増える様子もなかった。


 戦いがあった場所には鎧人間だけが残った。


「終わった…のかな?」

「終わったんじゃない?」


 鎧人間はあたりを見回したあと、どこかへ歩き出す。


 それを見た私は気がついたときには建物の陰から飛び出して、鎧人間を追いかけていた。


 ひーちゃんが後ろから引き留めようとなにか叫んでるけど、私は振り返らなかった。


 鎧人間は建物の間に消えていく。

 私はその路地を目指して走る。

 ここで追いつかないと、鎧人間のことや泥人形、虫人間について何もわからない。そんな気がした。



 私も鎧人間が消えた建物の間に辿り着く。



 鎧人間はまだそこにいた。



 私は話しかけようとした瞬間、鎧人間の黒い鎧が光になって散っていく。



 鎧人間の鎧が、光りながら消え始めた。



 そして私は、鎧人間の正体を目にする。



 その正体とは。

 数時間前に私達を拒絶した幼馴染の陰星いんせい 真聡まさとだった。


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― 新着の感想 ―
鎧人間の正体が……とは! これは意外でした。 今後の展開に期待です!
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