第031話 幼馴染3人
流石に5月下旬になると昼間の日差しは少し痛い。
そんな日差しの下が降り注ぐ屋上で、私は仲良し幼馴染3人でお昼ご飯を食べてる。
他愛のない話をしていると、突然まー君がちょっと驚く質問してきた。
「ところで、なんでお前たちは定期的に来るんだよ」
「え、駄目?」
別に駄目な理由がないと思ったので、私は反射的に聞き返した。
するとその返事にまー君がため息をついた。
「……理由を聞いてるんだ」
「私は由衣が呼びに来るから。私は別に教室で1人で食べるからいいって言うだけどね」
「由衣は」
「え?私?だってせっかく昔の仲良しグループのうち3人が同じ学校にいるんだから、一緒に食べたいじゃん?」
私は当然の答えを口にする。
すると今度はひーちゃんまでも揃ってため息をついた。
「え、何!?私何か間違ったこと言った!?」
「由衣は本当に私達大好きだよね」
「うん!もちろん!」
「そこ元気よく返事するところじゃないぞ」
「え?」
2人はまたやれやれって感じの顔をしている。
私なんか間違ってる!?
困っている私は放置されて、次はひーちゃんが質問した。
「そういえば真聡。あんなに意地張ってたのになんで口を利くことにしたの?」
「……悪いか」
「いや、理由を聞いてないなって」
「理由……あぁ、由衣だな」
「え?私?いやぁ……それほどでもないよぉ~……」
「褒めてない。お前のしつk…諦めの悪さに諦めたんだよ」
「え」
なんか誤魔化したけど今凄い酷い言い方じゃなかった?
それに訂正後も十分酷くない?ちょっとショックなんだけど。
私は文句を言いたいんだけど、まー君は私を気にせず話を続ける。
「ほら、由衣は決めたら一直線でノンストップだろ」
「そうだね。まぁ、そこが由衣の良いところでもあるんだけど」
相変わらずちょっと棘がある2人の会話に私は「……褒めてごまかそうとしてる?」と言葉を投げる。
「だから諦めたんだよ。これは話して巻き込んだ方が良いってな。」
「無視しないで!?」
「でも事実だろ」
まー君からの痛いカウンターに私は「それは……」と誤魔化すしかなくなってしまった。
そして目をそらす。
どうしよう。否定できない。
否定したいんだけど……できない……!
1人で困っていると、2人の話題は私を置いて思い出話になっていた。
「そういえば、日和は由衣が木登りして降りれなくなったこと覚えてるか?」
「あ〜……あったね。4人とも止めたのに由衣は登って、降りれなくなって全員で怒られたやつだよね?」
「あれは酷かったよな。特に俺達は止めたのに全員で先生に怒られることになったところが」
なんか私も覚えてるとても恥ずかしい黒歴史が暴露されてる!!
しかもそれで和まないで!?
私はこれ以上恥ずかしくなる前に、慌てて口を開く。
「そ、そのことはごめんってぇ!恥ずかしいからやめてよぉ!」
私の言葉に2人が笑い出した。
悪かったのは私だし、反省してるからやめて欲しい。
あと笑わないで欲しい。本当に恥ずかしいから。
私が「笑わないでよ〜!」と2人に不満を口にしてると、屋上の扉が開いた。
男子生徒が1人入ってきて、キョロキョロしてる。
背が……まー君より少し大きいぐらいかな?
そして誰か探しているのかな?
でもここには私達3人しかいない。
「……まー君かひーちゃんの知り合い?」
「知らん」
「私も」
「じゃあ……そのうち去っていくよね?」
そう言ったとき。
男子生徒がこちらに向かって歩いてきた。
「お前が入学初日に同級生を泣かせたって噂の陰星 真聡か?」