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Constellation Knight 〜私達の星春〜  作者: Remi
第1章 1年生  1節 再会
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第003話 だからなんだよ

 明日の学校の準備をして、ベッドに横になる。

 明日も学校だから夜ふかしはできない。



 でも、眠れない。



 羊を数えても眠れない。

 頭の中を今日の2つの出来事が頭の中に交代で出てくる。



 1つは幼馴染の陰星いんせい 真聡まさとことまー君。


 「中学校も同じだよね!」と話したまー君はなぜ居なくなってしまったのか。

 そして高校生になった今、何で連絡もなしに同じクラスになったのか。


 あと3年ぶりに会ったまー君は雰囲気が全然違った。

 まー君にこの3年間で何があったのか、凄く気になる。というか心配。



 そして2つ目は夕方の泥人形と鎧人間。


 私は生まれてからずっと星雲市《この街》で育ってきた。


 でも両方とも見たことも話すら聞いたことすらない。

 こっちも気になる。


 一応、家に帰ってからひーちゃんにメッセージで聞いてみた。

 でも返事は「私も知らない」と言うものだった。



 眠れないので寝ることは諦めた。

 このままじゃ朝まで眠れないコースになりそうな気がした。


 私はとりあえず、充電しているスマホに手を伸ばして、泥人形と鎧人間について調べてみる。

 もしかしたら、私が知らないだけで既に有名かもしれない。



 だけど検索結果には、まったく何も出なかった。



 なんで出ないんだろ。

 最初に思いついた理由は、私達が始めて目撃者だったかもしれないってこと。


 もしそうなら……写真とか撮っといたほうが良かった?


 それとも……夢とか幻?

 でもかなり現実ぽかったし、ひーちゃんも覚えてるし。


 少し後悔したり色々考えるうちに気がつくと……私は寝ていた。


☆☆☆


 翌日、放課後。

 「一緒に遊びに行かない?」という桜子ようこちゃんからの誘いを「大事な用があるの!」と断って、私は急いでまー君を探す。


 本当は遊びに行きたかったけど、やっぱりまー君を探すのを優先してしまった。


 なぜか私は早く話した方がいい気がして仕方なかった。



 学校内では見つからないため、私は靴を履き替えて学校から出てみる。



 すると校門から出てすぐの場所でまー君の後ろ姿を発見した。

 私はひーちゃんにメッセージを入れて、声をかけてみる。


「ねえ!まー君……だよね?私のこと……覚えてる?」

「誰だ」

「私!白上(しらかみ) 由衣ゆい!ほら、小学校卒業まで一緒だった……」


 そこまで口にしたとき、まー君が振り返って私の方を見た。



 刺すような目つきが怖い。



 私は言葉を失い、会話が止まる。


 「やっぱり話しかけないほうが良かったのかな…」と少し後悔する。

 でも連絡が取れなかった友達に再会できたら話ぐらいしたいのは間違いじゃないよね……?


 考えているとまー君は小さなため息をついた後、ようやく口を開いた。


「何か用か?」

「思い出してくれた…?」

「《《思い出した》》。で、何か用か?」

「いや、用はないけど…。ほら、まー君中学校入るときに居なくなっちゃって、それ以来だから色々話したいなぁ〜って…」

「そんな必要はない。」


 私はその言葉にまた返す言葉を失った。

 まー君はそんな私を置いて、立ち去ろうとしている。


「ちょっと。どこ行くの」


 息を切らしながら追いついてきたひーちゃんが、まー君に言葉を投げた。


 まー君はため息をついてから口を開く。


「……日和ひよりまで一緒の学校か」

「そう、一緒。で、真聡はこんな由衣を置いていくようなやつではなかったでしょ。この3年で何があったの」

「何だよ揃いも揃って」


 やっぱり目つきが怖い。というかこれ怒ってるよね。

 でも、私はそれに負けずに言葉を絞り出す。


「ねぇ。何があったか私達にはわからないけどさ、せっかくまた会えたんだし仲良くしようよ!」

「そんな必要はない。」

「……なんでそんなに拒絶するの?

 あ、もしかして何か悩みがあるの?何でも聞くよ?」


 私の言葉に、まー君はため息をついた。


 やっぱり、《《あの頃の》》まー君と違う。


「言わないと、わからないのか?関わるなって言ってるんだよ。」

「ちょっと」

「な……何でそんなこと言うの!?私達友達でしょ!?友達の心配しちゃいけないの!?」


 まー君の氷のように冷たい言葉に、私は思ったことをそのまま叫ぶ。



 そんな私の頬には、いつの間にか涙が伝っていた。



 それに気づいたひーちゃんが私を心配している。

 そしてまー君は私達ではなく、どこか違うところを見ている。



 そんなまー君の手は強く握られ、震えていた。


「友達だからなんだよ。俺にはそんなもの必要ない。」


 そう言い残すと、まー君は立ち去ってしまった。


 もう会えないと思っていたまー君に、奇跡的な再会ができたのに拒絶されたことが悲しくて、悔しかった。



 私の目からは、大粒の涙が流れていた。

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― 新着の感想 ―
真聡、ツンデレ。 というかツンツンですな。 でも彼を変える出来事があったのでしょう。 だけど女の子を泣かせては駄目ですね。
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