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Constellation Knight 〜私達の星春〜  作者: Remi
2節 一緒に戦うために
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第028話 彼氏なの?

「中間テスト終わったしさ〜どこか遊びに行かない?

 というか麻優まゆは今日空いてる?」

「今日は空いてるよ~!で、どこ行く?」

「ん〜…あ、由衣ゆいも来る?」

「え、いいの!?行く行く〜!」


 中間テストがようやく終わった。

 テスト期間中は堕ち星と戦ったり、熱を出しちゃったりと色々あったけど……まぁそこまで悪い点数じゃないと……思う。


 でもまぁ、終わったことは気にしない!

 人事を尽くして何とかって言うし。

 それより、今からどこに行くかを考えなくちゃ。



 ダンス部の桜子ようこちゃんも水泳部の佳奈かなちゃんもどうやら部活は休みらしい。

 そして私と麻優ちゃん、あと乃々ののかちゃんは帰宅部だから問題なし。


 連休中にも遊びに行ったけど、楽しいことは何回してもいいからね!

 「あそこがいい、こっちもいい」といつもの5人でどこに行くか話していると、私の肩に誰かが手を置いた。


「こいつ、ちょっとだけ借りていいか」


 その正体はやっぱりまー君だった。


 一緒に話してたみんなは「いいよ〜」と私を送り出す。


 まー君は「すぐ返す」と返事をした後。皆と距離を取りたいのかまー君は移動していく。私ももちろん追いかける。


 教室の窓辺に着いた後。まー君は口を開いた。


「お前、今日……いや、明日でいい。時間あるか?」

「……今からでもいいよ?」

「遊びに行くんだろ。行って来い。それにそこまで急ぎじゃない」

「そうなの?」


 まー君はそう言ってくれるけど、わざわざ聞いてくるってことは……多分大事なことなんだよね?

 それなら今日の方がきっといいよね。


 ……それならみんなと遊んだ後にすればいいよね?


「じゃあその後……え〜っと……18時過ぎてからなら行けるよ?」

「……お前はいいのか?」

「うん!まー君となら先に家に連絡しとけば、少しぐらい遅くなっても大丈夫!」


 そう伝えると、まー君は考えているみたいで返事がない。


 遅くなるのは今更だから先に連絡していれば、少しぐらいなら気にしなくていいんだけど……。


 そう思ってるとまー君が再び口を開いた。


「じゃあ、また来るとき連絡してくれ。集合場所はメッセージで送る。そこに来てくれ」

「う、うん?」

「じゃあ、また後でな」


 そう言い残してまー君はそのまま立ち去っていった。


 えっと……どこか来てほしいとこがあるのかな?

 まー君はよくわかってない私を置いて、みんなとと少し話して教室を出ていった。


 とりあえず……メッセージを待てば良いのかな?


 ……まぁ、それは後で考えればいいよね。

 そう思って、私はみんなのところに戻る。


 戻ると一番最初に麻優ちゃんが話しかけてきた。


真聡まさと君と仲直りできたんだね」

「仲直り……じゃないけど仲良くしてるよ!」

「ねぇ、陰星いんせい君と由衣って……付き合ってるの?」

「えっ?」


 そんな桜子ちゃんの質問に私は思わず固まってしまった。


 ……いや、付き合ってはいない。

 私は誤解されたら困るので急いで「付き合ってはないよ!?」と言葉を返す。


「『付き合って《《は》》ない』……ってことは、やっぱり好きなの?」

「いやいやいや……そういうのじゃないよ~~!!」

「じゃ~どういう関係なの~?」


 なんと乃々華ちゃんまで参加してきた。


 いや、驚いてないで事実だけを伝えなきゃ。


「幼稚園と小学校が一緒の……友達?幼馴染?だよ?」

「にしては……距離近くない?」


 また桜子ちゃんはいたずらっぽい笑いを浮かべながら質問してきた。


 ……そんなに距離近いかな?

 私はそんなことないと思うんだけど……。昔からあんな感じだったし……。


 最近のまー君はつれないけど。


 とりあえず「普通だよ?」と返事をする。


「いやいや~~近いよ~~?」

「私も近いと思うな……」

「やっぱり好きなんでしょ~」

「陰星君……怖くないの?」


 遂に佳奈ちゃんまで参加してきて、私は質問攻め状態。


 唯一参加してこない麻優ちゃんにヘルプの視線を送ってみる。

 だけど残念ながら、「ちょっと手に負えない」って雰囲気で首を横に振られしまった。


 ……自分で切り抜けないと。

 

 というか、まー君のマイナスイメージを否定しないと。


「確かに今のまー君は怖く見えるかもしれないけど、ほんとはすっごく優しいから!」

「否定するのそっち~?」

「つまり、やっぱり好きなんでしょ~~。ほら、どこが好きなの?」


 なんか悪化した気がする!


 確かにまー君は好きだけど、《《そんな風に》》考えたことは1度もないの!

 私、恋バナとかは好きだけど自分が問い詰められるのは……苦手かもしれない。


 もう今の私には……逃げ出すことしかできない。


「わ、私の話はいいから早く遊びに行こうよ!」


 そう言って私は教室を逃げ出すように飛びだした。


☆☆☆


 18時過ぎ。

 私はまー君からのメッセージの場所にたどり着いた。


 それにしてもなんか凄く疲れた気がする。

 でも約束したからには守らないとね。


「で……ここ……ビル?」


 そう。指定された場所は雑居ビルみたい。

 私の家から近いけど……なんでここなんだろう。


 間違ってないか確認するために、もう1回まー君からのメッセージを見る。


 間違ってない。そして。


「5階」


 つまり、このビルの5階に来いってこと?

 ……行ったらわかるよね。


 私は階段を上って5階に向かう。


 上ってて気がついたことは1階に扉が1つしかない。

 つまりこのビルには1階にフロアが1つしかないってことだよね。


 そしてメッセージにある5階の扉には何も書かれていない。

 でもここが指定されたんだから……ここ……だよね?



 まー君が呼び出したんだし、そのまま入っていいよね?

 私はそう考えてドアノブを握って回して、扉を開ける。


「お邪魔しま〜す……?」


 中は会社……とかではなかった。

 どちらかというと誰かの部屋みたいで、テレビやソファとかがある。



 そして中には誰かがいる。



 でもその人の髪の色は赤。



 どう見てもまー君ではない。



 扉を開けた音で気が付かれたようで、その人が振り向いて目が合った。

 見た目は20代後半……くらい?



 ただ、なんと言えばいいかわからないけど、凄い圧を感じた。



 うん。ここじゃなかったんだ。帰ろう。


「失礼しました!間違えたみたいです!」


 私は逃げるように扉を締めて階段を降りる。



 踊り場まで降りたとき。扉がもう1度開く音がした。

 そして「いやいやいや」と声が飛んできた。


 ……もう駄目かもしれない。

 私は覚悟を決めて立ち止まって振り返る。


「何を間違えたの。君が牡羊座に選ばれた白上 由衣ちゃんでしょ?」

「な、なんで私の名前を!?」

「あれ?俺のこと、聞いてない?」



 ……どゆこと?

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