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Constellation Knight 〜私達の星春〜  作者: Remi
7節 新たな出会い
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第098話 連絡

「え…………ゆー君!!!???」


 私の驚いた声が、戦いが終わったアウトレットモールの広場に響く。


 そして制服姿に戻った、黄色の星鎧の人。

 幼馴染のゆー君が私の方を見て、「……やっぱり、由衣ゆい?」と聞いてきた。


「うん、私。

 …………え、やっぱりって気が付いてたの!?というか何でゆー君が!?」


 止まらない疑問を口にしながらも、私はギアからプレートを抜き取って元の姿に戻る。


 制服姿に戻った私を見て、ゆー君は「本当に由衣なんだ……」と呟いた。


「うん。さっきはありがと」

「あぁ。……じゃあやっぱり。今俺に杖を構えてるのは、真聡まさとだよな」


 ゆー君のその言葉を受けて、まー君はため息をついた。


 ……まだ星鎧をつけてるから本当にため息かわからないけど。


「よくわかったな」

「声でわかる。友達の声だから尚更な」


 だから私とまー君はわかったんだ。

 幼馴染の絆は伊達じゃないね。


 ……私は気が付けなかったけど。


 ううん。絶対余裕があれば気が付いたって。

 ただ数年ぶりに会って、まだ数日しか経ってないから声変わりした声に聴きなれてないだけだもん。



 だけど、まー君はまだ制服姿に戻らない。


 代わりに杖を構えたまま、「……そうか。じゃあ1つ聞かせろ」と口を開いた。


「小学生の頃、俺達が行った夏祭りの名前と神社の名前は?」

「……毎年5人で行ってたから忘れるわけ無いだろ。星鎖神社の星鎖祭りだろ?」


 ゆー君がそう答えるとまー君は「正解だ」と言いながら、ようやく制服姿に戻った。

 それに合わせてか、しろ君とすずちゃんも制服姿に戻った。


 そしてまー君は「……やっぱり本当に佑希ゆうきか」と呟いた。


「いや、嘘をつく理由がないだろ……」

「……お前の話は後で聞かせてもらう。

 ……3人は先に帰っててくれ」


 まー君はそう言い残して、どこかへ行ってしまった。


 多分……超常事件捜査班の人に連絡するのかな?

 でも「先に戻っていてくれ」って言われても……何か戻りにくい。


 そう考えていたとき、すずちゃんの「で、結局知り合いってことでいいの?」という言葉が飛んできた。


 ……そういやすずちゃんとしろ君はゆー君のこと知らないよね。

 だって違うクラスだし、私も「幼馴染が転校してきた」って簡単な話しかしてないもん。


 そんな訳で、私達は少し移動して自己紹介をすることにした。


☆☆☆


「なるほどね。佑希が噂の由衣と真聡の幼馴染だったんだ」

「すげぇ偶然だよな」

「そうだな。俺もびっくりした」


 すずちゃん、しろ君、ゆー君がそんな会話をしてる。


 私達は広場の近くにあるベンチに移動して、とりあえず自己紹介をした。


 今は終わって……お喋りしてる。

 座ってるのは私とすずちゃんだけだけど。


 まだここにいる理由は、お店の中に隠れていた人が出てきただけで、周りに人は少ない。

 だからまー君を待つのにはちょうどいいかなって。


 でも私もびっくりした。

 ゆー君がいきなり返ってきたことだけでもびっくりしたのに、まさか私達と同じように星座に選ばれていて堕ち星と戦っていたなんて。


 ……そう言えば、何の星座なんだろう。

 聞いてもいいのかな?


 そう悩んでいると、「あれ?もう終わってた?」という声が聞こえた。


 私達4人は、その声をした方を向く。


「「焔さん」!!」


 私とゆー君の声が重なった。


 そこに立っていたのは、赤髪の男の人。

 最近噂の鳳凰ほうおう ほむらだった。


 ゆー君は、すぐに焔さんの方へ歩き出して「焔さん」と言葉を投げた。


「言っておいてくださいよ。3人じゃなくて4人になってるって」

「……え、4人になってる?俺だって聞いてないぞ」


 焔さんはそう言いながら左手を首の後ろに当てる。


 でも私が焔さんを見たのは最初にあったのが最後。

 逆にしろ君が増えたことを知ってる方が不思議。


 ……私が知らないときに、まー君とは会ってたのかな。


 そこに、もう1つ声が飛んできた。


「誰かが未だにスマホ持たないから、増えても連絡できないんですよ」


 その不満そうな声の主は、もちろん戻って来たまー君。

 電話は終わったのかな?


 私がそんなことを考えている間にも、まー君の文句は続く。


「焔さん。勝手にレプリギア追加で作ってもらって、無断で増やすのやめてください」

「まぁまぁ……仲間が増えた方が色々と助かるだろ?

 それに佑希はちゃんと選ばれた人間だから」

「そこじゃないです。ちゃんと言ってからやってくださいって言ってるんですよ」

「悪い悪い」


 謝りながらも焔さんはちょっと笑ってる。

 そしてまー君はため息をついてる。


 ……でもまー君も大事なこと話さないよね?


 そう思ったけど、言ったら確実に喧嘩になると思ったのでやめた。


 そしてまー君は私達を見渡した後、口を開いた。


「……とりあえず、残ってるなら移動するぞ。佑希の話を聞きたい」

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