ご飯、何にする?
腹減った。献立は何にしましょうか。
「Bさん、何か食いたいもんあるん?」
「鰹のたたきに芋焼酎とかたまりませんね。」
「ほんなら、買いもんだけ行ってくるわ。」
「Aさん、お気を付けて行ってらっしゃい。」
そして、Aは食料調達しに行った。しかし、Aはなかなか帰ってこなかった。それでもAとBはお互い干渉し合う間柄でなかった為、Bは電話もかけずAの帰りを待った。
翌日の晩にも帰ってこないのでBはAに電話を掛けた。
「只今、おかけになった電話は電波の届かない場所にあるか電源が入っていない為にかかりません。」
流石にBはAが心配になってきた。
「今、買いもん帰りに難航…」
翌朝、Aから電話が掛かって来て、JR最南端の駅の画像が送られてきた。そして昼前にAが帰ってきた。
「Aさん、どこまで買いに行ってたんですか。」
「どこて、カイモンダケ言うたやん。昨晩乗った夜行フェリーでWi-Fi繋がんかったら電波圏外なってた。せやから、朝南港着いてから電話かけた。」
「まさか、鹿児島の開聞岳ですか。」
「Bさんが鰹のたたきと芋焼酎がええ言わはるから、指宿の鰹と本場の黒霧島買うて来てんで。」
「Aさん、遠い所まで有難うございます。」
AとBの昼食は鰹たたきでハッピーアワーとなった。
実生活にて「買いもんだけ言ってくる」と言われた時に「九州まで行かはるんですか。」と返した事が何回かありましたが、誰にもネタに気付いてもらえず一回も突っ込み入れて頂けませんでした。そのネタを元に作品にしました。
今作が短編三作目で、初めて誰も不幸にならない話にしました。