第4話
その時、ドアがコンコンとノックされた。
「うーちゃん、起きてるー?」誰だろう、
聞いた事がある様な声だが、私はドアに近より
開けた、しまったステータス閉じてない!
「あー!まだ、パジャマのままじゃん!」
ちょっと、目線を下げると淡い栗色のかわいい
女の子が大きな瞳で私を見上げている。
私の身長は170センチと女性では大きいほうなので
自然と見下す感じになってしまったのだが
女の子は気にもせず、部屋の中に入ってきた。
ステータスはどうやら私にしか見えてないようで
安心した。脳内でステータスを消すように念じると
見えなくなった。
「ごめん、今着替えるから待ってて、恵」
私の口から自然と彼女に対する謝罪の言葉が出た。
記憶の混雑はあるものの、キャラクターとしての
設定は安定しているみたい。
目の前のベッドに座っている彼女は
星見 恵 私の親友だ。
私というか零の、でも友達が居ない私にとっては
心の中で叫ぶ程嬉しい、顔には出さないが。
恵は気にせず、人のベッドに上体を横たえている。
かわいい、庇護欲が沸いてくる。駄目だ、
頭を撫でたい欲求を我慢しつつ着替える。
アニメでの主人公は
宇井野 零 私なのだから。しかも恵も
攻略対象に入っている。何故アニメで零が主人公
なのかというと性格と容姿が要因だと思う。
髪を短くすれば綺麗目の男性に見えるくらいの顔
足が長く程よく筋肉がある、お腹割れてるし。
性格はクールで人を寄せ付けないとされているが
ただの人見知り。良かった、陽気なキャラでなくて。
私も人見知り、コミュ障なので幸いだ。
「うーちゃん、スタイル良くて羨ましい」
恵が目線だけをこちらに移し、頬っぺたを
膨らませながら呟く。恵はかわいいじゃない、と
返すと嬉しそうに顔を真っ赤にしてシーツに
顔を埋めた。やっぱりアニメの要素が入ってるなと
感じた。まあ、かわいいから許す。