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俺「クレープをつくるぞおおおお!!!!!」

「ぎゃああああああああああああ変態! 世界の混沌! 人間の心理! 宇宙の神秘! それぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」


これが俺とリリとの出会いだった。


◆◆◆

「ち……ちが、俺は変態では……なぁああいぴょん!」

俺は必死に弁解をした。だがしかし、その姿はなんともひどい。


「う……うぇ……えええええん!」

だ、だめだ……言葉を喋れば喋るほど変態になってしまう。

現在の俺は魔術『ウサミミ』を使用している。この効果は自分の耳が半径5kmまで聞こえる魔術で、ワープポイントの中に迷い込んだ子どもを探すために使用した。継続時間は24時間、この時間内はメイド服、ウサ耳を身に着けている。魔王を倒した数日後ということもあり、筋肉はかなり仕上がっているといっても過言ではない。想像するととても気持ち悪いって思った君、大正解だ。

「うぇえええ……うぇえええええん! 私、ここからだしてぇええ!!!」


※これ以上回想を続けると暴走してしまうのでいったん元の時間帯に戻します。


◆◆◆


現在、エキとリリは魔導都市グリムロへ向かっている。

「……師匠との出会いは最悪でした。本当に気持ち悪かったです」

「ああ、仕方がなかったとは言え……思い出すだけで……」

「おええええええええ! ってなりますよね! わかります! ワープポイントという謎ポイントでこんなキモイ人なんだ……って。理由を聞いたら納得しましたけど、もう二度と使わないでくださいね」

「もちろんだ。二度とつかわせないでくれ」

術が解かれるまでワープポイントで待つのに24時間、弁解するのに3時間もかかってしまったのだ。最終的には俺の秘蔵の変顔でリリを笑わせる事に成功したのだ

「まあ、なんだかんだありまして、私は師匠と今一緒にクレープ屋を開けていて楽しいです」

「でも良かったのか? モモカの元で勉強しなくて」

「いえ、良いんです。私、どちらかというと折角自由に成れたんだし色んなところを回ってみたかったので、今が一番楽しいです」

「そうか、それは良かった」

リリは俺と同行することを決めた。モモカの元で勉強するのも良いが、「今までの自分と同じ境遇の人たちを助けたい」という思いが強かったらしい。

「しかし、師匠。勇者をやめてどうしてクレープ屋を始めたんですか?」

「それは……魔王を倒したからさ」

「うーん」

「どうした、リリ」

「私は大人になったら本当にその理由がわかるのでしょうか」

「どうだろう、少なくともこうやってたくさんの国を荷馬車で回ることで、魔王の呪縛から立ち直った世界を見ることができる。そして昔のリリたちのようにまだ困窮している人たちを見つけて救えるかもしれない」

「いかにもという理由ですね。でも、それが本当の理由というわけではないんですよね」

「それはもっと単純で明確な理由さ」


荷馬車はごとごと、と進む。


◆◆◆

それから約2時間ほど馬車を進めた先に……

大きな縄文が見えてきた

「リリ、そろそろだ」

「あれがグリムロですか!」

「ああ、魔術もそうだが建築術も同様に優れている国家だ。そしてこのグリムロには知り合いがいるんだ」

「そうなんですね! デウスさんみたいな力が強い人ですか?」

「ああ、強い。彼女はウィッチとして後方支援を担当していた。俺が魔王を倒す時……」

「女?」


「え?」


「その人、女の人なんですか」


「あ、ああ」


「その人、かわいいんですか」


「あ、ああ」


「その人、いくつですか」


「あ、ああ……47」


「ふぅ、それを早く行ってくださいよ!」

(……こわ)

「47歳っておばちゃんじゃないですか! かわいいだなんて! ぷぷぷ!」


たまにリリは怖い目つきになる。そんな怖い顔してたら泣いちゃうぞ! 

とにかく、グリムロは目の前だ。そしてこの国で俺の夢がかなうのだ。


「俺はクレープをつくるぞおおおお!」


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