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俺「魔王を倒した罪」

がぶがぶがぶ


がぶがぶがぶがぶ


俺は集会場に戻ってくると子供たちの縄を優しくほどき、ガララから貰ったサンドイッチを食べさせた。最初の子供は若干警戒していたが、俺に敵意がないこととこの場所から逃がすと説明したところわかってくれたようで食べてくれた。その後、他の子どもたちも「むしゃむしゃ」とサンドイッチを食べ始めた。

「おいしい!」「ご飯を食べたのいつぶりかな?」「えーと2日ぶり?」「こら! そんなに早く食べたら喉に詰まらせるでしょ!」「もっと頂戴!」

合計30個の内、俺の分を除いた28個は14人の子どもたち全員の口の中にしっかりと納まった。

「俺の分はこの件が片付いた後に食べるとするか。」


『空間転移』

俺はサンドイッチを2つワープポイントの中に収納しておいた。この空間転移は魔術の特性上物を保存することもできるのだ。


「ありがとうお兄ちゃん。食べ物をくれて、これで僕たちはもう少しだけ生き残れるよ!」少年は「にぃ」っと笑顔を見せた。ボロボロの服、汚れた肌、なのになぜこの子は今幸せそうなのだろう。

「……一つ、質問させてくれ。そういえばどうして君たちは盗人をしていたの? 食べ物を盗むのは重罪ってのは知っているよね」


「ええ、それはもちろん。でも……」

そういうと一人の少年が説明してくれた。

「僕たちはそれぞれ普通の町で普通に暮らしていました。しかしある時、魔王軍が攻めてきて……拉致されてしまったんです。それからは魔王軍の従者として一生懸命働いていました。一応、ごはんも出るし僕たちは最悪な状況でもこれ以上悪くならないと思っていました。でも、勇者がある日魔王を倒したらしくて、魔族たちは僕たち従者を雇えないということでこの近くの森に捨てられたんです。それからというものの、僕たちは食料を確保するためにいろいろしました。悪いこともしました。だから僕らが捕まった時は、悪いことをしたんだからって」

そういって少年は純粋なまなざしを向けた。どうして俺は魔王を倒し英雄になった……気になっていた。本当に救うものは何なのか。彼らは盗みをしたが元は悪くない。しかし彼らはこのまま逃がしてしまえば、ガララと同じように盗人をしてしまうだろう。さて、生きるために仕方なくする犯罪は良いことなのか、悪いことなのか、そういうことは俺にはわからない。しかし今やるべきことは、これしかないのだ。

(これは俺が魔王を倒した罪……なのではないか)



『空間転移』

この魔術はA地点からB地点へ移動する最高等魔術である。

俺は時空の穴を開ける


「さあ、ここから逃げ出そう。この中に入って!」

(えーと、話が一番わかるやつのところに行こう)

そういって子どもたちを冒険者の国アデルにあるモモカの家へ向かうのであった。


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