「師匠!私のツインテールは武器になるんですよ! ぶんぶん!」俺「い、痛い!」
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このお話は魔王を倒した元勇者サエキがクレープ屋を開き様々な場所を訪れる物語となっています。
この章ではリリとサエキの出会いをメインに記入していきたいと思います。
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「今日は晴天だ」
空を見上げながらつぶやいた。
俺たちは今、グリムロに向かっている途中。
俺は馬を操り土でできた公道を進む。リリは俺の隣に座っており風を気持ちよさそうに受けている。
さて、ここで俺たちの荷馬車について説明しよう。
荷馬車は現代世界のキッチンカーより少し大きいサイズ(縦2.7m、横5m)で進行方向左側に厨房機器が備えられており、進行方向右側に材料を保存する保冷庫やら小さな備品が収納してある。
実際の営業時間になるとこの荷馬車の壁は少しスライドするようになっていて9畳サイズ(縦3.5m横5m)くらいになる。これだけ大きければクレープ以外の調理器具もそろえるくらいにはできるだろうが俺たちはクレープ専門店だ。クレープ以外の調理方法は知らないのだ。
「師匠―、グリムロにはどれくらいの時間で到着するんですかー」
リリは俺の方を見ながらつぶやいた。今日の彼女は髪をツインテールに纏めている。横を向くたびにゆらゆら揺れていた。
「そうだなぁ、ざっと2日くらいだな」
「結構近いんですね。グリムロは魔道都市と聞きましたが……」
「そうだ、この国はその名前の通り最先端の魔術を研究している国なんだ。いろいろな魔術本が蔵書されている大魔導図書館なんかは有名だな」
「そうなんですね、それじゃあ私もその本を読めば魔法が使えるようになるかな」
「簡単な魔術くらいなら覚えられるかもな」
「私は亜空切断を覚えてみたい! 師匠がいつも果物を切っているときの奴! あれが使えたら私、料理しながら食材を切ることができます」
「おいおい、亜空切断は最高位魔術でな。俺が習得するためには相当な努力と対価を支払ったんだ。これで俺は魔王の腕を切り負傷を負わせることに成功したんだ」
「師匠、亜空切断の使い方を一番間違えているのは師匠ですよ」
「う……」
「ふふふ、そうですねー。もし私が魔術が使えたらやってみたいことがあるんです」
「なんだ?」
「それはですね……」
リリは一呼吸した後、ゆっくりと、そして恥ずかしそうな声で口を開く
「お……大人になることです」
「ふぇ?」
その時、俺はその意味が全く分からなかったが、リリはこの言葉を口にした後、顔がリンゴのように真っ赤になっていた。
「もう! 師匠の馬鹿!」
ぶんぶん!
そうしてリリは首を横にぶんぶんと振る。ツインテールの片方が鞭のように俺にぺちぺちと当たる。
「いた! 痛いよ! リリ!」
「ああわわわあああ!!!」
しばらくリリは変になっていた。




