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13. 星空リンドウ

 ヘレの仲介で翌日にはフレデリック王との面接も設定され、その日は一晩マーヤの家にエリックも泊まることにした。


 あたしは寝室をもらっているが、エリック用の寝室までは無いということで(?)エリックはマーヤの部屋で寝ることになった。勝手にどうぞ、である。


 なんとなく寝付けなかったので、眠くなるまでランプを灯して図書館から借りてきた本を読んで過ごした。ただし夜中は難しい本はキツイのでエッセイで。


 ある程度読んで眠くなり、ランプを消して布団に潜り込んだら何故かすぐにエリックに起こされた。


「ナナ? 七海ななみ? 起きてるか?」


 エリックはあたしを揺すりながら言った。揺すられたらそりゃ起きるでしょ。


「来てみ。星がきれいだ」


 なんだ、このガキ。


 あたしは眠いのを我慢してランプに火を……灯そうと思ったが、電気じゃないのでそんな簡単には火は付かない。


 ブッと不満の声を出したらエリックがランプに火を灯した。あたしはメモ帳に手を伸ばした。


<マーヤは?>


「良く寝てる」


 マーヤは起こせなくてあたしは起こすんかい。


<明日からはまた会いにくくなるんだから、少しでも長く恋人の傍に居たら?>


 と、書いたら、


「なんとなく寝付けなくて」


 だと。あたしはあんたの何なの? ま、いいけど。


 あたしは毛布を体に巻き付け、エリックと一緒に外に出た。エリックの言う通り、今夜は空気が澄んでいて星がきれいだった。マーヤの育てているリンドウが風に揺れていた。


 この世界にも星座の概念はある。あたしは覚えた星座のうち目の前の夜空に浮かんでいる星座をいくつかエリックに紹介した。


 何がきっかけだったか、いろいろな話をしながらふと今日、カミラがあたしのメモを読み、エリックが青ざめたシーンを思い出した。


<ごめんね。あたしを助けたばっかりに、いやな思いをいっぱいさせちゃってるね>


 そう書いたらエリックが笑顔を見せてくれた。


「強いな、七海ななみは」


<何? どういう意味?>


「お前を助けて本当に良かったよ」


<でも今日帰ってきたときのエリックは酷い顔をしていたよ>


「でも七海の顔を見ていたら元気になった」


<マーヤには『マーヤの顔を見てたら元気になった』って言ったでしょ>


「……ええと」


 図星かいっ。


「そんなことないぞ」


<遅いっ!>


 そう書いたら、エリックは笑ってごまかした。ひとしきり笑った後、


「七海と言葉で会話したいなあ」


 だって。

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