We realize it might be a big trap in summer
仕組まれた罠
透明なアクリルボードに
隔てられた夏
叩いても
叫んでも
声は届かない
慣れるべきではないことに
すこしずつ慣れてゆく
焦げつく熱気
肌を刺す陽射し
頰を流れる汗
マスクの息苦しさは
漠然とした不安に等しく
仕組まれた罠のなかで
人は生きるしかないのなら
心のなかで詫びながら
踏み絵を踏まずには
生きられないのなら
今のわたしにできることは
希望の灯を絶やさないこと
未来はなくても
希望だけがあればいい
閉じ込められた夏に
憂鬱にまどろむ夢の
肩を叩いて
起きていなさい
目覚めていなさいと
語りかける
このまま
永遠の悪夢の眠りに
ついてしまわないように
このまま
心を
売り渡してしまわないように