人物紹介(第一部終了時点)
再開します。
平日更新でいきます。
なお、今話は人物紹介です。
ストーリーだけなら後の一話でOK。
【ユウ】精霊をこよなく愛する、ちょっと時代とずれた青年。
趣味: 海で魚やタコを捕まえて調理すること。
本編の主人公、人間。精霊術師または精霊使い。ネコミミ&しっぽ萌えで、かわいいものが好き。
本名は『相沢祐一』だが、彼をそう呼ぶ者はもう誰も残っていない。
元旅人と元登山家のリーマン夫婦の元に生まれた(と、少なくとも本人は思っていた)。
ある日、突然に異世界に勇者という名の兵器として召喚されたが、その日のうちに城を逃げ出した。現地のエルフや魔族たちと交流を重ね、彼らに送還魔法を開発してもらい帰還を果たした。
だが戻ってみたら世界にはゾンビがあふれ、事実上文明社会は壊滅。両親も死亡。
わずかな生き残りは廃墟となった町に避難所を作って暮らしている状態。
追いかけてきた元猫族、今はネコマタのマオと合流。
自分たちの秘密の多さゆえ、当初から地球側の生存者とは距離をとる方針に決定。生活拠点を求めて南伊豆を目指す。
途中、地球産の野良魔術師ユミを拾い仲間にした。
そして南伊豆で、実は自分の両親もかつて召喚されていた事、エキドナがユウの名付け親のひとりである事が告げられた。
『スキル』
精霊関係の適性が異様に高く、かわりに普通の戦闘適性などはまったくの無能力者である。
対策として普通の魔法も学んでいるが、今のところリアル戦闘に活かせていない状態。
これは後述のエキドナと同じ体質だが、成長したマオがユウの護衛に回ったのは、この危うさを理解していたから。
精霊術を使った狩りや漁が得意だが、これは大型肉食獣であるマオの食料を得ていたため。
リトルもそうだが、彼らはヒマができると、とりあえず狩りにいこうとする。マオもリトルもよく食べるから。
【マオ】かわいい子猫が成長してお嫁さんになりました。
ユウの元ペットにして相棒、今はお仕かけ女房兼相棒。猫族→ネコマタ。暗殺者。
性格は、基本的に甘々。だが敵対者に対しては容赦なし。
最近は戦闘のみでなく料理にも目覚めている。
もともと猫族といって「人語を話す猫」としか言いようのない種族の子猫だった。
故郷が滅ぼされた生き残りで、ユウが普通の子猫と間違えて拾った。
この際、ユウは以前ゲームで自らデザインし、愛用していたネコミミの戦闘サポートキャラ『獣人マオ』の名をとってマオと名付けた。彼女のように頼もしくあれとマオと愛情こめて育て上げた。
ユウの手で大切に育てられたマオだが、実父でない事、ユウが自分の世話に専念して娼館にすら寄り付かず、独り身でいる事も理解していた。
成獣となったマオはユウの嫁になりたいと願ったが、あいにくユウは人間であり、本物の猫科動物を同族の異性として見る事はなかった。
ユウの帰郷のあと、マオは魔獣の母である神獣エキドナをたずね、自分を人に化ける力をもつ幻獣『ネコマタ』に生まれ変わらせてもらった。ひとの姿ならユウもその気になると思ったからだった。
エキドナはユウの記憶を読みとっており、マオの名の由来でありユウの理想でもある『獣人マオ』の容姿を与えた。
そしてマオは、はるかな異世界まで押しかけ女房し、とうとう願いをかなえた。
『スキル』
猫族時代に培ったものが多い。
戦闘スタイルの基本は暗殺者だが、精霊使いであるユウのサポーターとして、時間稼ぎや撹乱などに有用な戦技、特に対多数の足止めスキルを大量に持っている。
もともと精霊が認識できたが、ネコマタになってから精霊と話し、さらに精霊術の行使も可能になった。
ユウには及ばないが、元猫族というスタートラインの低さを考えれば立派なものだろう。
【ユミ】人間に生まれ変わったはずなのに(泣)
ユウの愛人の座を狙うサポーター、人間(転生者)。魔術師。
生前は異世界のドワーフ女性で結婚もしていた。
転生し、現代日本人になったが、なぜか容姿が生前のドワーフ時代によく似て小柄であり、それが悩みの種。
もちろんだが中身は子供ではない。服装や態度を選べばちょっと童顔の大人の女性で通るだろう。
おかしな事になっている理由はいくつかあるが、職人気質で、おしゃれより実用性の高い服を好む傾向も拍車をかけていると思われる。
前世記憶が戻ったことで、前世に由来する多数のスキルが使用可能になったが、それが現世の両親との不和の原因にもなった。
思春期になる前から祖母が面倒を見るようになり、ゾンビ事件の際も祖母と二人暮らしだった。
祖母はユミにたっぷりの愛情を注いでおり、ユミがネジ曲がらなかったのは祖母のおかげと言える。
その祖母を手ずから見送った後は、彼女の教えを守り、孤独ではあるが、ドワーフ時代の知識やスキルを無理に隠さず、孤独だがのびのびと暮らしていた。
『スキル』
前世の、ドワーフ由来のスキルを利用できる。
ドワーフと人間の基礎能力の違いから生前同様のドワーフ鍛冶は難しいが、生活魔法に身体強化、それから武具への付呪も可能。異世界側の主婦経験者であり、薬草知識などから軽度の錬金術も扱える。
現在は魔術師としての修行をする事で、低下した鍛冶能力を付呪などで補おうとしている。
【精霊】
生き物の暮らしに欠かせない精霊だが、その正体はよくわかっていない。
ただ昔の事を記憶する習慣はないようだ、との仮説が地球に帰還した精霊使いユウから挙がっている。その証拠として「地球の精霊が魔物や精霊使いの存在を知らなかった」件を挙げている。
ユウはこの事について「なんらかの理由で全滅してしまい、過去に固執しない精霊もそれを忘れたのではないか」という仮説を添えている。
これについては今後の調査に期待がかかっている。
結果によっては歴史的発見となるだろう。
生き物に自分たちを利用させる事で、自分たちを活性化したり増産させる仕組みを持っている。
精霊と親和性の高いものを優遇し、恩恵を与えようとするのもその一環である。
だがそれは本能的なものではなく、意図して行うもののようだ。
(だからこそ、忘れ去るというアクシデントがあったのだろうと推測されている)
ユウは精霊をかわいらしい存在と見ているようだが、これはむしろ珍しいケースである。
向こうの世界の者は精霊をおそろしいもの、あるいは聖なるものと見る事が多い。
ずっとユウのそばにいた猫族マオも可愛いものと見ている事からして、精霊がどう見えるかについては宗教観など、社会的精神的なものが理由と考えられている。
【猫族】
人語を話す猫。
子猫時代の見た目は猫そのものだが、成長すると人間サイズになる。
見た目は動物そのものであるが、知的種族であって人語を解し会話も可能。ただし発音はうまくなくて、微妙に滑舌が悪いことが多い。
マオが最後の一匹であり、事実上絶滅と同じ状態になっていた。
【ネコマタ】
猫族のような純動物種族、または普通の猫科動物をベースとした幻獣。
猫要素の混じった人間の姿になる事が多く、見た目は獣人種である『猫人族』によく似ている。
ただし、これは単に人っぽく化けているだけで、ネコマタにいわゆる人間要素は全く入っていない。
幻獣種であるため人と交配が可能。
【猫人族】
ひとつの種族ではなく、人に猫の要素を加えた多くの種族をとりまとめて猫人族という。
基礎となる骨格構造が人間種のそれになっているため、獣人族に分類される。
内容はさまざまで、ネコ耳族のように人間にネコミミとしっぽがついた程度の個体から、獣頭人身のザ・獣人みたいなものまで色々いるが、そもそも猫人族は猫と人、ふたつの要素が混濁した種族群であり、どう発現するかは個体差でしかない。つまり猫の色柄やしっぽが違うのと原理的には似たようなものだという。
いい例が前述のネコ耳族で、人間の女性にネコミミとしっぽがついているだけのタイプなのだが、なぜか女性しか生まれない。男性はむしろ二本足で歩く猫っぽい見た目になる。
【人間族】
地球の白人種に見た目はよく似ているが、彼らは女神が生み出した奉仕種族である。
女神のみを神と崇め、自分たちだけを人間種族、他は動物または魔物として排除したり、道具として使おうとする。この原則は地球人に対しても例外ではない。
彼らの信仰が女神のエネルギー源になっており、このため女神は彼らに恩恵を与える。
【神獣エキドナ】おそろしき優しき女神
魔獣・神獣・幻獣の母と呼ばれ、翼と人間の女の上半身をもつ巨大な蛇の女神様。
女神とついているが人間族のあがめる女神とはもちろん別物で、魔獣が進化の果てに神になりかけたような存在である。地球で言うところの『荒ぶる神』または八百万の神の一柱とも考えられる。
その巨体以外に戦う力をまったく持たない。
異世界最高の精霊術師ではあるが、これも本質からするとオマケといえる。
彼女の本質し、魔獣・神獣・幻獣を毎日のように産み落とす能力の方だと言える。既存の命をとりこみ、これらの生き物として生み直す能力ももつ。そうした彼女の性質と立場が、無形有形で彼女を守っている。
効率が悪いのであまりやらないが、瀕死の存在を一度取り込んで再生治療する事もできる。
ユウは一度彼女による再生を受けており、この時に記憶のすべてを読み取られている。
本来おそろしい存在である。
だがユウとマオにとってはおそろしい存在ではない。
【ヒュドラ】分身メイド
神獣エキドナの分身であり端末。別個体を当人は自称しているが実態は不明。髪が毛髪でなくすべて蛇であるが、これは彼女の素材がエキドナの蛇体部分であるため。
生き物を麻痺させて我欲や魔力、生命力を食べる。
現在、何体か地球に放たれており、ひとに似た姿に化けて独自活動しているらしい。




