意味が分かると怖い話1【引きこもり】400字以内
「ご飯、置いておくからね……」
ドアの前に木製のトレーが置かれた。お皿が二つ乗っている。おにぎりが四つ、山盛りの唐揚げ二十個に、遠慮がちに添えられたブロッコリー。
母親が階段から降りると、部屋の中から出る事なく、男が部屋にトレーを持ち込んだ。
しばらくして、母親がトレーを回収しに行く。
「あら、今日はお腹減ってなかったのかしら?でも珍しくブロッコリー食べてくれたのね、ありがとう」
「……」
いつものようにドアから返事は無く、唐揚げが半分ほど残されていた。
「あら、今日は何も食べてないわね……」
それから一週間後の事である。突然一日中、息子が食事に手を付けない事を心配して、母親はドアをノックした。反応がない。
「ご飯食べてないけど、大丈夫?ごめん、心配だから少し入るわよ、怒らないでちょうだいね……」
室内で息子は死んでいた。窓が空いているが酷い臭いだ。
検死した結果、腐敗の状況から死後一週間と判断された。
意味が分かると怖い話の答え【引きこもり】
死体が発見された時、死後一週間後である。
死体として発見される前日まで、普通に食事は無くなっていた……
息子以外が食べていた。
という話でした。
息子を殺した犯人なのか、人以外の存在なのかは想像にお任せしますが、死体と一緒に6日間一緒に過ごす理由は何だったんでしょうね……
それほど、ご飯が美味しかったのか。死体が腐敗する前にドアを開けたら殺されていたのか、謎の多い話です。
自分からドア等、物理的な物を動かさない制約のある怪異な人外存在なのか……
向こうからドアを開けるのを待ち、いつ気づくのかを楽しみにしてた快楽殺人鬼なのか……
一体、母親は何に、ご飯を与えていたのでしょうね……