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第3話 ズレた感覚を矯正しよう

森の中を歩く4人の会話。

はてさてどうなることやら……。

アーミーウルフたちから離れた後、森の中を歩くオレたち。

名前だけは互いに紹介していたあと、約一名を除いて言葉はほとんど交わさなかった。

例外としてシオリは二人に絡みまくっていた。


「ねえねえ、二人はどうして森にいたの?」


「えと……森の中に薬草などを取りに来ていたので……」


あの後レナと名乗った金髪の幸薄そうな少女が少しおどおどしながら答える。


「……いつの間にかいなくなっておられましたレナ様を探すために散開したのですが……おそらくアーミーウルフの巡回エリアに入ったバカがいたようで。追われているのを別の奴が攻撃したり、下手に刺激したせいで、ああなったとみています。 ……おそらく私以外の護衛は死んだかと」


そう冷静に、ノエルと名乗った女騎士が告げる。

その言葉とともに、レナはすさまじくばつが悪そうな顔をする。

(そりゃそうだよな)

過程はどうであれ、結果として、自分のせいで護衛が死んだようなものなのだから。


「にしてもアレ、アーミーウルフか。まあ、スタンピートレベルじゃなければそこまで面倒じゃないが……確かに今のお前たちのレベルでは、あの数も無理……か」


オレがゲーム内でのルーチンなどを思い出しつつ、そういうと、二人が目を丸くする。


「……レベルが、見えている……?」


「もしかして、大叔母様と同じ……?」


2人が顔を見合わせてそうこぼした。


「大叔母……?」


「……」


首をかしげる2人とキョトンとするシオリを横目に、オレは敵性の気配に周囲を警戒する。

数匹単体のアーミーウルフ以上の強さの魔物がいたので威圧で追い払う。


「んー……なら、たしか……」


レナが思い出すようにそういって、懐から1枚の金貨を取り出した。


「少ないですが……助けてくださったお礼です。ささやかですが、どうぞ」


そういって隣にいたシオリがそれを手に入れて、しれっとアイテムボックスにしまうと……


「……たったの1000ミラ!?」


メニュー画面を開いているシオリが驚愕の声を上げる。


1000ミラといえば、プレイヤー作成時の初期所持金で、戦士なら基本的な武器と簡単な防具をかったら、魔法使い系は初期魔法を覚えるためのスクロール一式と一番安い杖を買ったら終わりのレベルである。

確かに安い。

『ゲーム基準なら』と但し書きが付くが。


ゲーム基準とは違うということを示すように、レナたちは納得したような、しかしどこか不満げにそうに口を開く。


「その金貨1枚で、一般人なら1年は余裕で過ごせるのですが……」


「……かつてレナ様の大叔父様が、大叔母様に助けられたお礼したとき、このようなリアクションされたと聞きます」


(つーことは……オレたちの手持ちの金が流出したら、市場が大混乱するんだろうなぁ)

と億単位のお金を見つつ、思考を少し戻す。

レナという少女の大叔母、もしかしなくてもオレたちと同じなのではないだろうか……。


「その大叔母様、とやらにあってみたくなったな」


ふたりの言葉にそういうと、「命すくったお礼がこれっぽっち……?」とか言っているシオリの頬を指でつついて復活させる。


「シオリ、やっぱりゲームとは違うようだぞ」


そういって、さっきレナたちが言ったことを伝える。

するとすこし何かを思い出すそぶりを見せたあと


「……そっかー」


としょんぼりする。

そしてシオリは二人に謝る。

2人はさっきの状況を見てるだけに少し慌てて大丈夫ですと答える二人。


そんな風に歩いていると、森が開け、視界には城壁みたいなものが見える。


「おお! 街がみえてきた! ……ん? なんかこの道に続く入り口に人だかりができてるのだけど?」


シオリがおーと言いながら街?を見てるとそういって首をかしげる。


「……ノエル」


「いざというときは、死んで詫びる所存です」


この世の終わりのような顔をするレナと、死地に赴かんと決意を固める表情のノエル。


(いったい何が始まるんです……?)


(そんなことよりおなかがすきました)


(こいつ、オレの頭の中に直接……!)


シオリがエクストラスキル『異心点心』で思考に割り込んだだけだが、オレは反射的にリアクションを取っていた……。

なにやらこの世の終わりみたいな顔をする2名。

そのわけとは……?

その理由は……続きをお楽しみに!!

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