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第2話 森の中で見たものは

2人は森の中を歩きだす。

その中で見たものは……?

それから、シオリ(が木々から聞いた)の情報を頼りに森の中を進んでいく。


すると空き地の様なところで横たわり、衰弱してるのか震えている角の生えた熊を発見する。


「あっ、あの子なんだか体調悪そう!」


そういって熊に近づくシオリ。

どっかでみたような気がしたので、鑑定を使うとーー


『ライアーベアー 弱い相手には最初から本性をむき出しにするが、自分より強い相手に対しては弱ったふりや、命ごいなどをして油断させ、気が緩んだところに奇襲をかける』


「シオリっ!」


慌てて彼女の方に駆け出し、こちらを向いた瞬間を見逃さずにその爪を振りかざしたライアーベアーとシオリの間に割り込み、そして腰の剣を盾にして、爪の一撃を阻む。「重くはない」が衝撃が手に響く。ゲームにはなかった感覚にやはりここはゲームではないのだろうという予感を加速させる。


「グルルァ!?」


「ほえ?」


驚くベアーと、目を点にするシオリ。


「コイツライアーベアーだ! 忘れたか、永遠の森限定で出てきた弱ったふりとか命ごいする熊!」


「あっ、アイツか!」


そういった瞬間に呪文を唱え始めるシオリ


「我灼熱の炎で我に害なすものを焼き払わん。 ロードインフェルノ!」


その言葉と共に「オレの周囲もろとも」ライアーベアーを焼き尽くす。


「熱いっ!」


反射的に魔法障壁を展開。

しかし服に引火したのがあったのか、オレも火だるまに。


「ガッデム! サフィールレイン!」


頭上から降る優しい雨が火を消し、受けたダメージ(自分てきには軽微)を回復する。

ついでに周囲の木や草についた火も鎮火される。


「シオリ……フレンドリファイアする可能性あるから、魔法もうちょっと弱いのでいいと思うぞ」


肩を落としながら、シオリにそういうと、「ごめんね」とテヘペロしよった。

……かわいいから許してやろう。


と言うことが起きた少しあと。

シオリ曰く「もうすぐ森を抜けるみたい」と言うところで、大型犬くらいの狼たちに遭遇する。

数は数十以上。

しかし、ひとつ妙な点があった。


「……どうして、半分くらいはあっちにいったんだろう?」


シオリのセリフ通り、狼たちの半分ほどがシオリのいっていた出口の方にいったからである。


まあ、それでも、オレたちを囲うくらいは数いるのだが。


「予想はできるが外れたら情けないのでノーコメント。にしてもんー……少し肩慣らしするか。」


ここがデータこそゲームと同じでも、痛みなどを普通に感じる。

ならば今のうちに「慣れて」おかないとあとあと苦労すると思ったからだ。

アイテムストレージから背丈ほどある大剣を二本とりだす。


「がんばれー」


気の抜けた応援とは裏腹に、ガチガチの障壁で自分を守るシオリ。

警戒してるせいか囲うだけの狼たちに、オレは突撃を仕掛ける。

反応の鈍い狼たちは初動が遅れ、大剣の重量で数匹が縦に切れる。

そのまま薙ぎ払い、横割に1匹。

それにより、散開してしまう狼たち。

「ちょこまかと!」

片方を投擲して1匹仕留め、もう片方を両手持ちし、叩きつけで3匹仕留める。

それに恐れをなしたのか、それとも計算して撤退を選んだのか、すぐさま蜘蛛の子を散らすように逃げ去る。


「……戦闘終了か。ゲームとは違うのが分かっただけよしとするか。」


大剣を雑に振るい、刀身についた血糊を雑に払う。


「お疲れ様ー」


笑顔で拍手するシオリ。


「とりあえず、わざわざ戦闘する必要無さそうだから、適度に威圧してくぞ?」


「あいあいさー」


オレのあとを雛鳥のようについてくる。

ーー愛いやつめ。



少し歩くと、狼たちの背中と尻尾を見つける。


その少し先に、剣を構える深紅の髪の女騎士と、その後ろで怯えるブロンドヘアーの少女を見つける。


「おお、異世界転生のテンプレ!」


シオリは目を輝かせてそういうと、すぐさまオレの横を通り抜けながら魔法を発動した。


「我汝を呪縛するもの、その幾多の糸は汝を捉え逃さん。パラライズネット!」


蜘蛛の巣のようなネットが狼たちに絡み付き、同時に電気ショックのようなエフェクトで狼たちを覆う。


「GAAAA!」


一瞬のことで反応できなかったか、あっさりと麻痺してく狼たち。それに呆然とする少女たち。


「大丈夫ー?」


シオリが何食わぬ顔で二人に問いかけている。


「……」


「1匹はそこまで強くないとはいえ、この数のアーミーウルフを一瞬で全滅……?」


困惑する二人にたいして、オレが冷静に告げる。


「あくまでも麻痺だ。そのうち復活するぞ。いや、別に全滅させたければそれもそれでいいけど」


オレがそういうと、二人はハッとする。


「えと……に、逃げましょう!」


「ハッ」


そういうと、二人はそそくさとその場を後にする。


「あ、ちょっと!? お二人さん!?」


シオリが二人を追いかけ、回り込む。


「えと、なんでしょうか……」


「いつ動き出すかわからんアーミーウルフの傍から一刻も早く離れる必要があるのですが?」


困惑してる少女と、冷静に説明する女騎士。


「危ないところ助けたんだから、まずお礼を言うのが筋じゃなくて!!?」


なんか怒りを噴火してるシオリ。

取りあえずシオリの背後から近づき、髪の毛をわしゃわしゃする。


「あわわわわ!?」


「彼女らの気持ちもわかる。――しばらくは大丈夫だろうがね。それはそれとして、近くの街に行きたいんだ。同行してもいいかな?」


レナフィリア・フォン・アストレイア プリンセス/調合師/- 31/22/3/-


ノエル・エストリスタ 騎士/軽業師/戦士 120/54/44/99★


――なーんか厄ネタくさいジョブ持ってる少女がいるな―という現実から目を背けながら、提案をしてみると


「あ、大丈夫です。……助けてくださいましたし。」


「……レナ様がそうおっしゃるなら私は何も言いません。」


少女は笑顔でそういい、女騎士は柄に添えていた手を離すが、女騎士のほうは警戒は解いていない。


「うーむ、色々思うところあるけど、まあいいか! それじゃ、しゅっぱーつ!」


アホの子っぽく見えるシオリの号令で、オレたちはその場を後にした……。


街を目指す4人となった一行。

彼らに待っているものとは……!

次回をお楽しみに!

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