15.異世界でトカゲになっててトカゲロボと融合した
オレはジロ。女神ナブシ様に異世界へ転移させられたらトカゲになってて、巨大ロボと融合していた。しっぽと後ろ足で直立したトカゲロボだった。ていうか、あんまり巨大じゃないのかな。全高5mぐらいかもしれない。
目の前に少女が見える。その少女は祈っていた。何だかメカメカしい少女だ。ロボ少女っていうか。
少女は説明してくれた。ここはゴーレムの王国で、国民はゴーレム族なのだそうだ。
「隣の帝国から、侵略者がやってくるのです! 大群です。お願いです。我々をお助けください!」
暫く経てば援軍もくるはずだけど、ここは国境に近い村なので間に合いそうもない。そのため、巫女である彼女が伝説のメタルゴーレム様を召喚したのだという。
え、オレがメタルゴーレム様なの?
その時、轟音と共に帝国の大群が現れた。ロボットというか、戦闘用ゴーレムが沢山いる。砲撃しながら、すごい勢いでこっちに向かってくる!
オレは慌てて、戦闘システムを稼働させた。両肩、両前足に力を込めた。腹の底から叫んだ。熱光線が放出される。トマホークを振り回して敵ゴーレムを砕く。
「トカゲビィィィィィィーーーム!!!」「トカゲトマホォーーーーク!!!」
ロボの必殺技は精神力を消耗するらしく、どっと疲れた。
戦って戦って、どうにか戦闘用ゴーレムを全滅させ、最後に巨大戦艦を破壊。…したと思ったら、中から敵巨大ゴーレムが出てきた。でかい亀に人型の上半身が付いていた。大きいのに動きがこっちより速い! 何度も体当たりをされる。捕まえようとするともういない。速すぎる。
とどめのパンチを食らったと思ったら、さらに腕から射出されたパイルバンカーでトカゲロボの腹を貫かれてしまった。
くそっ。痛えな…。ロボの口から黒いオイルが漏れる。目も白目だ。
けど、両前足で捕まえたぞ。電極を突き刺した!
「トカゲ!コレダーーーーー!!! 超高圧で…耐電圧試験してやる!!」
同時に、敵巨大ゴーレムの必殺技も炸裂していた。相打ちだった。こっちも相手も大破。けど、どうにか…守り切ったな。
気が付いたら、メタルゴーレムが死んだと思って少女とゴーレム族達が拝んでいた。皆、目からオイルを垂らしている。
オレはいたたまれなくなって、ロボ後ろ足の破損した隙間からこそこそと脱出。
あ、ロボとの融合はいつのまにか解けてて、小さなトカゲになってたんだ。
勢いで味方したけど、もう俺がいなくても大丈夫だろう。多分。ピンチの時はまた誰かを召喚してくれ。
異世界でトカゲになっててトカゲロボと融合した :おわり
戦闘シーンに挑戦してみました。ロボにオリジナリティがなくてすいません。