10.目が覚めたらトカゲになってて、宇宙船のコックピットにいた
俺はジロ。女神ナブシ様に異世界へ転移させられた。で、目が覚めたらトカゲになってて、宇宙船のコックピットのような所にいる。ちょっと予想外だ。
シートベルトをしめろと書いてあるので、まずはシートベルトを締めてみた。トカゲの体形ではなんだかぴったりしなかった。取り合えずトグルスイッチを切り替えたり、押しボタンやらを押してみたのだが……宇宙船は動かないようだ。
よく見たら、コイン投入口があり『Insert Coins ---> \500』と書いてあった。有料かよ! 何か高いし。
俺はなぜか肩掛けに小銭入れを持っていたので、金を入れてみた。コクピットの照明が明るくなり振動音も聞こえてきた。動きそうだ!
その時、ズガン! ガゴン!と何か嫌な音がして、宇宙船は大きく揺れた。
「グギャーーーー!!」
「何だこの声!? 何がいるんだ!?」
なぜか外に巨大な猿がいて、宇宙船に殴りかかってきていた。
俺は、さらに5百円を投入した。宇宙船は両腕を出した! 俺は猿と殴り合った。
「グギャギャギャーーー!!」ズガン! ガゴン! ガゴ! ガゴン!
猿の方が素早く、パンチの手数が多く、宇宙船は押されているようだ。俺は、さらに5百円玉を投入した!
今度は宇宙船から脚が出た! 俺は夢中で猿にブレーンバスターをかけた。
「ギャギャギャアアアーーー!!」
猿ダウン! だが、宇宙船も壊れちまったようだ。
「ううう、痛え……」なおかつ俺は、腰を打ち付けてしまった。
俺は入院した。猿も入院した(猿はマイクローン化して人間サイズに小さくなって入院した)。
同室になってよくカードゲームをするようになった俺は、猿と仲直りしたのだった。
目が覚めたらトカゲになってて、宇宙船のコックピットにいた:おわり