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回し車

結局ユウキと俺は、そもそも大きな勘違いをしていて

そんな勘違いの上に積み重ねた日々が

瓦解せずに体裁を保っているのは奇跡のようで


端的に言えば、仲直りしましたって所だろう


その後、大見得切っちゃった俺と、散々泣きまくったユウキは

お互い何だか気まずくて無言だったが

ユウキのお腹空いたからハンバーガーが食べたいという

鶴の一声のもと、レジに並んでいる。

「ユウキは何食べんの?」


「この前のと一緒でいい」

前に食べたのは照り焼きだったはず

「りょーかい」


二人で並んでトレイを持って、空いている席に座る。

「いただきます」

二人揃って食事も後三日だと思う暇すらなく

ハンバーガーを前にして考え込む。


ユウキの欲した願い

それは最初の時のように、あまりにも曖昧に聞こえて

その時は彼女を知らなかった故の安請け合いだった。

そして今回は、彼女がただの女の子と知ったが故の

諦めきれない意地で

それでも、俺は今と同じように、ずっと彼女の

その願いに向き合っていた筈なのに

その答えを出せないでいる。

正しく言えば

それに踏み切れないでいるという方が正しいのだ

彼女の願いは多分、明確で簡単で

シンデレラのように王子様と結ばれること

だからこそ、俺には難しい


ぐるぐると思考は同じところを回り、前に進もうとしない


そんな事をずっと考えていたら、気がついたらユウキが俺を覗き込んでいた。

「何考えてるのかな?」

困ったような笑い顔で俺を見るユウキ

別に、そんな心配するようなことじゃない

いつも通りの事を考えてるだけで

「いや、ろくなこと考えてないよ」

俺も笑ってユウキに返した

ユウキは安心したのか、いたずらっぽく笑い

「じゃあ言ってみて?」

まぁ特に聞かれて困るもんでもない

「世界平和とか、世界経済の行く先とかそんなんだよ」


「ほんとチアキは嘘ばっかだね?」

可笑しそうにユウキは笑った


別に嘘な訳ではない


ただ俺の言う世界が、ものすごく小さい範囲で

世界経済の行く末を見通すことで

頑張れば20億ぐらい稼げるんじゃないかなって思ってただけで

間違っても、面と向かって

ユウキの事をずっと考えてたなんて言えない


過大解釈は言わずもがな、それでも勘違いしたのは向こうだと

訴訟も辞さない構えである。

まぁ勝訴の自信は無いけれど


行き詰まった俺は、持っているスマホに幸せと検索する

違う視点のアプローチも必要だろう。


運がいいとか、幸福とか書いてある


幸せって運なの?つまり人生は運ゲーって事らしい


諦めきれず幸福と検索する

満ち足りて、楽しいこと、幸せ なんて文字が並んでいて

俺はため息を付いた。


前半二つは生憎、持ち合わせが無くって

最後は堂々巡りときたもんだ


結局のところ分かったのは

俺が考えることも、世の中の定義も大差なくて

それはよく分からず

分の悪いギャンブルをするしか無いっていう再確認だけで


人生攻略バイブルとかいう本が執筆されない訳だと思った。

絶対最後に、この先は自分の目で確かめようとか書いてあるやつだよソレ


俺はスマホを放り投げて、諦めてハンバーガーに口を付けた。






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