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本屋に行くといつもお腹が痛くなる

ローファンタジーから、恋愛(現実世界)にジャンル変更しました。


どっちがより正しいのか分からないですけど。

家から出てバス停に向かう最中、行きに立ち寄った唐揚げ屋の黄色い看板を見つけたユウキは走り出した。

慌ててユウキを追いかける


ユウキは、レジの前までたどり着き

立っている店員に向けて

「ご馳走様でした、美味しかったです」

と言って立ち去る。

呆気に取られている店員に、続けて

「あーごめんなさいね、訳分かんないと思いますけど、ご馳走様でした」


まぁ、分かるはずないよね、違う店員だったし


説明するのも面倒なので、それ以上なにも言わずにユウキを追いかける。


「チアキ?ちゃんと言えた?」


「言ったよ」


「チアキ、偉い」


ユウキは満足げに言った。

自宅でのやり取りを気にしてる素振りは無い。


少しだけ安心した。


歩きながら俺は、

「ごめん、寄りたいところ有るから寄ってっていい?」

ユウキに問いかける。


ユウキは頷いた


バス停を少し通り過ぎた所に有る、TSUTAYA

そこに用事があった。

店内に入るとユウキは俺を覗きこみ

「何買うの?」と聞いてくる。


「ノートと筆記用具」

何に使うのか、考えているユウキに

「つけた名前、書いとこうと思って」

書かないと忘れそうだ

今まで一つの生き物だけだったから良かったけど、

寿司とか考えたくない。

1食でノート1ページ埋まりそうだもん

…イクラとか、数の子とか


だから、寿司はやめよう

そう心に誓った


そんな俺を楽しそうに見つめ、ユウキは

「私も書く」と無邪気に笑う


店内のあまり多くない文房具コーナーから適当に見繕い、カゴに入れる。

ユウキは、隣にある小学生向けであろうコーナーを眺めていた。


「なんか欲しいの有る?」

ユウキに尋ねると、ユウキはシンデレラの本を指差す。

棚から取り出し、パラパラとページを捲ると簡単な漢字にはルビが振られていない。

それに、低学年には分からないような比喩や表現も多かった。

高学年向けなのだろうか?

「これ、漢字分かんないと読めないよ?」

俺は、近くにあったシンデレラの絵本を指さす


「これならユウキでも読めると思うけど…」


ユウキはがっかりしたように本を戻そうとする

そんな彼女を見かねて

「俺が読んで、それを聞くんでも良いなら、それでいいけど」

そんな提案をしてみる

別に難しい話ではない

いくら、偏差値が低かろうが、流石に小学生向けの漢字くらいは読める。


書けと言われると、怪しいのもいくつか有るけどな。


「買ってもいいの?」


「もちろん」


「そしたらチアキ読んでくれるの?」


「別に構わないよ」


笑顔で、ユウキは本をカゴに入れる。

「チアキ、それとね」

「私、漢字覚えたい」

人生の残りは遊んで暮らせるのに勉強したいと?

俺には理解できない

だが、ユウキが珍しく、自分の要望を言ったのだから、断る理由もないだろう。


「じゃあ辞書と、漢字ドリルかなんか買うか」

見ても分からないだろうと、俺が探す。

「1,2,3年生ふくしゅうドリル」と書かれたドリルと、子供漢字辞典とやらを手に取る。

内容に目を通せば、ユウキでも理解出来そうだった。

一通りユウキの欲しいものは見つけたので、俺の目的の物を探すことにした。

「ちょっと俺も探し物するからユウキは文房具探しといて?」


「分かった」

彼女は嬉しそうに文房具コーナーへ向かう。



並んでいる雑誌を適当に手に取る。

表紙には

「この冬、絶対失敗しないディナー選び」

「クリスマスも安心、隠れ家的穴場スポット紹介」

「初心者必見!デートの正しい誘いかた」

なんて文字が踊っている。

隠れ家的穴場スポットって、何?

塹壕ざんごうかなんか?

戦場のメリークリスマス的な?


目を通せば、俺には縁の無さそうな、お洒落なレストランが何軒か特集されている。

その中に、「大切な夜にぴったりのフレンチ、ちょっとリッチに、カジュアルに」なんて見出しの打たれた店が目に入る。

見れば、ここからそんなに遠くない住所が記載されていた。

何より、写っている店内には、多少フォーマル風の服を着た大学生くらいの男女が写っている。

さすがに、ドレスコードとかは敷居が高いからな…


それに、同年代位の奴が居る店なら浮かないだろう。


電話番号をスマホにメモする


さて、用事は済んだしユウキを迎えにいこう






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