9話
今回は白髪の姉妹が出ます。
『ネイ!ウルフがそっちに行ったよ!』
『任せて、お姉ちゃん!!』
ウルフが向かって来たところを双剣で攻撃をした。
『えいっ!』
私はなんとかウルフを討伐する事が出来て、
お姉ちゃんが駆けつけて来てくれました。
『やったね、ネイ!ウルフを倒したよ!』
『うん、頑張ったよ!お姉ちゃん!』
私達はまだ新人の剣士で、
ウルフやゴブリンを倒すのも一苦労です。
早くスフィアさんみたいに強くなりたいなーと思ってます。
今日はウルフを三匹討伐した所で町に戻り、
ギルド会場に行って報酬を貰った。
『銅貨15枚になります』
『はい、ありがとうございます』
お姉ちゃんが銅貨を受け取り、半分以上の銅貨を私にくれた。
『こんなに貰っていいの?』
『うん、良いわよ』
私はお姉ちゃんに抱き付いてお礼を言いました。
『ありがとうーお姉ちゃん!大好き!』
『ふふっ、ネイったら直ぐに抱き付くんだから、
本当に可愛いなーよしよし』
私が抱き付くと、お姉ちゃんはいつも頭を撫でてくれます。
撫で方が上手でとても気持ちが良いのです。
ギルド会場を出て、
今日は家に帰る前に寄りたい所があるからそちらに向かいます。
まず初めに向かった場所は菓子屋です。
ここで目当ての物はクッキーです。
『んー何味がいいかな?』
『どれにしようかしら?』
このお店ではクッキーが三種類あります。
左からチーズ、チョコ、アーモンド、どれも捨てがたいです。
お姉ちゃんと相談をすると無難にアーモンドを選びました。
クッキーを買って菓子屋を出た後に、
次に向かう場所はスフィアさんの家です。
前にいつでも歓迎しますよと言ってくれたので、
遊びに行こうと思っています。
スフィアさん、いると良いんだけどなー。
もし居なかったら明日も来てみようかな?
スフィアさんの家の前に来て、
ちょっと勇気を振り絞ってドアを軽く叩きました。
玄関から声が聞こえてきてドアが開くと、
出てきたのはスフィアさんではなくお姉さんでした。
とても綺麗な方です。
青色の綺麗な髪は真っ直ぐに長く、落ち着いた雰囲気の女性です。
『どなたかしら?』
見惚れてしまい、緊張しながら自己紹介をしました。
『わ、私はネイです!こんにちは!』
『私は姉のアインです!こ、こんにちは!』
私だけではなくお姉ちゃんも緊張していました。
自己紹介をすると、お姉さんは何かを思い出した表情をして、
笑顔で答えてくれました。
『あー、アインちゃんのネイちゃんね!スフィアから話は聞いていたわ。
けど、ごめんなさいね、スフィアはお出掛けをしていないのよ』
どうやらスフィアさんはいないみたいです、残念です。
私達は仕方がなく帰ろうとするとお姉さんに止められて『もう直ぐ帰って来ると思うから上がって良いわよ』と言われてお邪魔する事になりました。
寛いで良いよと言われたのでソファに座り、
待っている間はお姉さんと話をしました。
『貴方達みたいな可愛い女の子もギルドに行っているのね、感心だわ』
『いえいえ、
私達はウルフ一体で一苦労する剣士なので大した事ないですよ』
『可愛い女の子だなんて照れますよー、
スフィアさんのお姉さんの方が可愛いです!』
私がお姉さんの方が可愛いと言うと、変な間が空いて静かになった。
あれ?私、何か失礼な事を言ったかも?
お姉さんはクスクスと笑っていた。
『ふふふっ、お姉さんって私のこと?私はスフィアの母よ、ネイちゃん』
『えーーー!?いえ、あの、すいませんでした!!』
私は焦って全力で謝りました。
『いえ、良いわよ。若いと思われていて嬉しいわ。
ネイちゃんは良い子で可愛いわね』
『はいっ、自慢の妹ですね』
お姉ちゃんは意外と冷静にしていた。
まさか初めから母親って気が付いていたのかな?
後で聞いてみようと思った時にドアが開く音がして、
振り向いて見たらスフィアさんでした。
『アインさんとネイちゃん!来てくれたんだ!』
『こんにちは、スフィアさん!』
『お邪魔しています、スフィアさん』
スフィアさんは私達が遊びに来たので、お茶会の準備をしてくれました。
先ほどスフィアのお姉さん、じゃなかった。
お母さんにクッキーを渡していたので、
テーブルに真ん中にプレートの上にクッキーが出され、
ティーセットを並べられました。
準備が出来るとスフィアのお母さんは、
お出掛けをするから若い子達で楽しんでねーと言って、
外出をしてしまいました。
もう少しだけお話をしたかったのに・・・。
私はハーブティーを一口飲んで、
クッキーを食べるとスフィアさんに質問をしました。
そうです、お母さんの年齢が気になって尋ねました。
スフィアさんはハーブティーを一口飲んだ後に答えてくれました。
『母さんの年齢?35歳だけど?
まぁ見えないよな。見た目は二十代だもん』
やっぱりスフィアさんから見ても二十代に見えるんですね、
私と同じです。
お茶会が終わると陽が沈んで来ましたので、
これ以上お邪魔するのは申し訳ないから今日は帰る事にしました。
『まったねー、スフィアさん!ハーブティー美味しかったです!』
『こっちこそ礼を言うよ、クッキー美味しかったよ』
お姉ちゃんは遠慮がちにスフィアさんに聞いていました。
『あの、スフィアさん・・・。
また、二人で来てもよろしいでしょうか?』
スフィアさんは嫌な顔一つせず、笑顔で答えてくれました。
『ああ、また来てくれ』
お姉ちゃんと私も笑顔で答えました。
『はい、また来ます』
『うん、また来るね』
今日はスフィアさんのお母さんに会えてラッキーでした。
私も大人になったらあんな感じになれるかな?
うん、まだ成長期だから大丈夫だよね!!