8話
再びエリナ回になります!
『母さん、ギルドに行って来ます!』
『行ってらっしゃい、無理はしないでよ』
『はーい』
今日もギルドで依頼を受けてお小遣い稼ぎをする。
私はいつも通り元気なのだが、
最近ギルドに行ってもエリナの姿が見えないからちょっと心配だ。
レイクさんやソーラさんも最近見かけないと言っている。
今日はいるだろうか?
ギルド会場に入ると、レイクさんとソーラさんが
テーブルの席に座っていてビールを飲んでいました。
『レイクさん、ソーラさん、こんにちは!』
レイクさんとソーラさんは私に気が付いて、振り向きました。
二人共の顔が赤くなっていてちょっとだけ酔っていた。
『おう!スフィアちゃん!』
『こんにちは、スフィアちゃん』
『二人が昼からビールを飲んでいるなんて珍しいですね、
何か良い事があったんですか?』
レイクさんが上機嫌で話してくれた。
『ああ、昨日は二人でワイバーンを一体討伐してな、
金貨が入ったから今日も飲んでいるんだよ』
『俺はこいつの付き添いだな。
まぁ、たまにはハメをはずのありかなと』
二人共飲み過ぎて二日酔いをしなければ良いんだけど・・・。
私は尋ねたい事があるのを忘れそうになっていたが、
思い出してレイクさん達に聞きました。
『あ、そうだ。今日はエリナがギルドに来ましたか?』
『んー今日も見てないなー』
『俺も見ていないな、そろそろ心配だよな』
今日で一週間も見かけないので、本当に心配になってきた。
すると、ドアを勢い良く開ける音が聞こえたので振り向くと、
エリナがギルド会場に入って来た。
『エリナ!!』
私はエリナの元に駆け寄ろうとすると、
エリナが私に指をさして、いきなり勝負を挑んで来たのだ。
『スフィア!久し振りに勝負をしましょう!』
『えっ!いきなり!?』
色々聞きたい事があるが、いつも通りのエリナで安心した。
私達は掲示板の所に向かい、依頼書を二人で選んだ。
今日選んだ依頼の内容はボアの討伐だ。
イノシシ型のモンスターで、そこそこ強いモンスターだ。
まぁ、ウルフよりも強いくらいかな。
本日の私達の勝負はボアをより多く退治した方が勝ち、
いつも通りの私とエリナの勝負内容だ。
私達は依頼を受けて、ボアにいる場所に向かった。
場所に辿り着くまではエリナがニヤニヤとしていて、
何か企んでいるような顔をしていた。
目の前に一体のボアを発見すると、いつも以上に気合を入れていた。
私が戦闘態勢に入り槍を取り出すと、エリナに少しだけ待って!
と言われてたのでエリナの様子を見ていた。
エリナが杖を構え、ボアが突進するのと同時に魔法を唱えた。
『氷の魔法よ!氷の壁を作れ!』
その瞬間、エリナの目の前に、
氷の壁が出現してボアの突進を防いだ。
私は初めて見る氷の魔法で驚いてしまった。
ボアが怯んでいると、エリナは再び魔法を唱えていた。
『炎よ!スフィアの武器に炎を加えよ!』
その瞬間、私が持っていた槍の刃の部分が炎を纏った。
『わっ!びっくりした!!』
『スフィア!それでボアに攻撃をしてみて!』
何が起こったのか分からなかったが、
エリナに指示をされたのでボアに向かって槍を振った。
攻撃をすると炎が爆発をして、ボアを焼き付けた。
『凄いな・・・これ・・・』
ボアからは香ばしい匂いがして、
美味しそうな感じに焼け上がった。
エリナに振り向くと、
とても上機嫌で両手を腰にあてて笑っていた。
『どう、スフィア?凄いでしょ?』
『ああ、驚いたよ・・・この一週間、
エリナは魔法の特訓をしていたんだね』
『そうだよ!これさえあれば、スフィアに勝てるわ!』
『私も負けてられないな・・・』
と言ったものの、私の武器に炎属性を付けたら
私が強くなってしまうのでは?と思ったが、
ツッコミはしないでおこう。
私達はその後もボアをこの調子で討伐をしていると、
エリナが魔力を使い過ぎて倒れ、
私はエリナをお姫様抱っこをして町まで戻った。
勘違いされたら困るから言おう、
好きでお姫様抱っこをしている訳ではなく、
槍を背中に背負っているからそれしか出来ないからだ。
町入ろうとした時にエリナが目を覚ますと、
とても恥ずかしそうに焦っていたのが面白かった。