1話
今日はある場所に向かう為に青色の鎧を身に付け、青い槍を背負って家を出た。
『母さん!ギルドに行って来ます!』
『行ってらっしゃい、気を付けなさいよ』
『はーい!』
私は週に何回かギルド会場に行って依頼を受けるのだ。
戦いたいから?人の役に立ちたいから?
いや、15歳の私がそんな理由でギルド会場に行くわけがない。
じゃあ、何のために?それは・・・。
純粋にお小遣いが欲しいから!!
ギルドの依頼を受けて成功すると、
報酬が貰えるからそれを目当てに行くのだ。
家を出てから数十分歩くと、いつも来ているギルド会場に着いた。
『おっ、青の女騎士が来たぞ!』
『本当だ!新人最強が来たぞ!』
私が住んでいるこの町、
ウィリックのギルド会場で自分は有名になっているみたいだ。
およそ一ヶ月前に初めての依頼で危険度が高いモンスター、
キングコブラを倒したせいで噂が広まり、注目されてしまったのだ。
当然、私一人で倒したのではないんだけどな。
パーティを組んでいたのだ。
そのパーティを組んだきっかけで、
ギルド内で仲間が出来たのは嬉しいけど噂をされて大変だ。
しかも、私には二つ名があるみたいだ。
その二つ名は青の女騎士と言われている。
理由は私の髪が青色で、鎧も青色だからだ。
私がギルド会場にある掲示板に貼っている依頼書を見ていると、声を掛けられた。
『おう!スフィアちゃん、今日も来てたんだ!』
『相変わらず噂をされて大変だねー』
『レイクさん!ソーラさん!おはようございます!!』
そう、この二人が私が先程言った、パーティを組んだ仲間だ。
背丈が大きく金髪の方がレイクさん。
そして、相変わらず全身緑色の服を着ている方はソーラさん。
この二人は幼馴染みたいなんです。
『今日は何の依頼書を受けるんだ?難しいやつなら手伝ってやるよ』
『んー、今日は簡単な依頼を受けるので一人で大丈夫です』
そう、私が依頼を受けようとしているのはスライムの討伐だ。
私は最強と言われてはいるけど、
まだ一ヶ月しかギルドに通っていない新人だから危険な依頼を受けようと思わない。
何よりもまだ死にたくないので安全な依頼を受けている。
レイクさんとソーラさんと別れようとした時、
後ろから大柄で筋肉が凄い奴と顔がいかつい奴らに声を掛けられた。
『お前が青の女騎士か、なんだ簡単な依頼を受けるのか?』
『最強って言うくらいならドラゴンの討伐くらいして貰わないとなー、
本当は弱いんじゃないのか?』
初対面でいきなりバカにされたので、少しだけムッとしてしまった。
言い返そうとした時、レイクさんが庇ってくれた。
『おい!失礼すぎだろ!!スフィアちゃんに謝れ!!』
『あ?お前には関係ないだろう、首を突っ込むな』
『関係なくない、スフィアちゃんは仲間だからな』
私はレイクさんの後ろ姿を見て、少しだけかっこいいなと思った。
しかし私は見ているだけではなく、そいつらに向かって言った。
『そんなに私が気にくわないなら、外に出て勝負をしないかい?』
『スフィアちゃん!何を言って!?』
『私が勝ったら謝ってください。
貴方達が勝ったら・・・なんでも言う事を聴こう』
隣にいたソーラさんに止められてしまった。
『スフィアちゃん!それは流石に・・・』
すると、目の前にいた男性達は私の身体を舐め回すように見てから、
『取り消しはしないぞ』と勝負を受ける事にした。
私達が外に出るとギルド会場にいた人も観戦をする為に外に付いてきた。
中には不安がって見守る人もいれば期待をする様に観る人もいた。
本当に私が強いかどうかを観たいんだろうか?
そして、お互いに向かえあって戦闘態勢に入った。
面倒くさいから二人いっぺんに相手をするつもりだ。
まぁ、戦闘といってもそんなに大袈裟には出来ない。
町中で武器を振り回せないから格闘技で試合をするからな。
『おい!本当に二対一でいいのか?』
『ああ、問題ない』
『俺達が勝ったらなんでもいう事を聴くんだろうな?』
『女騎士に二言はない』
男性達は顔をにやけていた、
多分いやらしい事を考えているのだろう。
こういう奴らには痛い目に合わせないとダメだなと思い、
少しだけ本気を出す事にした。
『良し、じゃあ勝負だ!!』
『勝ったらたっぷり可愛がってあげるぜ!』
男性達は挟み撃ちをし、顔がいかつい奴が右腕を振りかざしてきた。
いとも簡単に避けた私は高く跳び、
相手の顔面に回し蹴りを入れてあげた。
『くらえっ!この変態が!!!』
『グフッ!!!!』
相手は見事に転がって一撃で気絶していた。
『このやろう!よくも俺の仲間を!!』
次に大柄の筋肉が凄い奴が猪のように突進をして来たがこれも簡単に左に避け、
相手の腹部に拳を入れて休まずに左脚で吹っ飛ばした。
おー、なかなか良い感じに飛んだな。もう一人の方も気絶させてやった。
その瞬間に観戦していた人達が拍手をして歓声を上げてくれた。
『おー!流石キングコブラを倒しただけの事はあるな!』
『あっという間に倒したぞ!』
『スッキリしたぜ!俺、あいつら嫌いだったんだよ!』
流石にこれだけの人が観ていると照れてしまった。
ギルド会場に戻ろうとすると、レイクさんに怒られました。
『君はどうして危ない時に逃げないんだ!!』
『すいません・・・』
レイクさんに怒られるのはこれでニ回目だ。
一回目はキングコブラと戦った時に、
非常に危険だったためレイクさん達に逃げろと言われたが、
私は逃げないで戦ったから怒られたのだ。
まぁ、そのおかげでレイクさん達は死なずに済み、
こうして仲良くしてくれているんだが。
騒ぎが収まり、
観戦していた人達が気絶している奴らが道端で寝ていたら邪魔になるといい、
ゴミ箱がある場所に運んで投げ飛ばしていた。
レイクさん達とお別れをすると、
私はギルド会場でスライムの討伐を受けて、
スライムが出没している場所に向かった。
『さてと、討伐をするか!』
いつも通りにスライムを槍で攻撃をして、退治をしていた。
『はあぁ!!えいっ!!』
スライムをいつも通り真っ二つに切り、一撃で次々と倒した。
最後のスライムを討伐しようと思った時に、
ふとある事を思いついたのだ。
素手で攻撃をしても一撃で倒せるのかな?と。
試しにやってみようと思い、拳を作って攻撃をしてみたら、
スライムが破裂して液体が飛び散ってしまい、
全身に掛かってベトベトになってしまった。
『・・・泣きそう』
スライムは素手で攻撃をしない方がいいと学んだ。
ギルドに戻って依頼の確認が終わるのを待つ為、
会場の中にあるお店でオレンジジュースを貰い、
カウンター席に座って時間を潰した。
依頼を確認する方法はギルド員が直接その場所に向かい、
確認するから時間が掛かるのだ。
死骸をそのまま放って置いても良くないらしく、
何人かでモンスターを地面に埋め、
一人は特定のモンスターの数と報酬を計算してギルド会場に戻るから、
まぁ、面倒な仕事だよな。お疲れ様です。
時間を潰し、ようやく確認が終わったので報酬を貰えた。
『スライムの討伐をした数は15体なので、銅貨30枚です』
『はい、ありがとうございます』
スライム一体に付き銅貨2枚貰える。
つまり一体倒したらパンや果物が買えるのだ。
うん、お小遣い稼ぎには丁度良いね。
ギルド会場を出て私が次に向かったのは、露店が沢山並んである場所だ。
うん、今日も人集りがあって賑やかだ。
どうしてこんな場所に来たかと言うと、
いつもギルドで報酬を貰った後に、
親に何かを買ってから帰宅するからだ。
『さてと、今日はこれとこれとこれを買うか』
露店の店主から紙袋を貰い、沢山の果物を入れて帰宅した。
『ただいまー』
リビングに入ると、母さんがキッチンの方で料理の仕度をしていた。
『あら、おかえりなさいスフィア。怪我はない?大丈夫?』
『母さんは心配性だな、大丈夫だよ。
それよりもほら、報酬で果物を買ってきたんだ。今夜食べようよ』
私は果物が入っている紙袋をテーブルに置いて笑顔で母さんに話すと、
いつものように笑顔で返してくれた。
『いつもありがとうね、スフィア』
そう言って私の頭に手を置き、いつものように頭を撫でてくれた。
もー子供じゃないんだから恥ずかしいなー・・・。
けど、母さんに撫でられるのは不思議と心地が良いな。
晩御飯は母さんがシチューを作り、
買ってきた果物を利用してパンケーキを作ってくれた、やったね。
おはようございます!葉月いつかです!!
最近、小説のコンテストで『10万文字以上書いていないと、募集できません』と言うのが増えてしまった為、過去の三作品を一つの物語に纏めたのを投稿してみました!!
お気に入りのお話を厳選している為、気楽に読める作品になっていますのでよろしくお願いします。